「民族」という概念はどのように扱われるべきか?~自明ではないが、無視もできない『何か』

重要な議論です
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遊牧民@候選 @Historian_nomad

「われわれ」概念、小さくは家族から大きくは人類まで拡大縮小できるので、一番でかい「人類」の枠組みで「われわれ」を捉えていたとしても結局それは「人類のなかのわれわれ」もしくは「人類のなかのわたし」へと帰結することから逃れにくいところがありますね(何

2021-05-17 23:34:58
遊牧民@候選 @Historian_nomad

「民族」は人工性を孕む概念だけど、それはそれとして「民族」に強くアイデンティティを見出す人を過度に重視したり貶めたりするのはそれはそれでダメだし筋が違いますよというやつですね>そして歴史学も考古学も望むと望まざるとにかかわらず「民族」概念とリンクせざるを得ないんだ

2021-05-17 23:36:26
ジャーヒズさんちの司書 @palmofcordoba

中世中東史と近現代ドイツ哲学をかじる人文系好事家。鉄勒京二名義でブログなどやってます。FGO、CoCもやる。(ジャーヒズは9世紀アラブの著述家で、蔵書の崩壊で圧死したといわれている人) 避難所:https://t.co/7IjAeRJI74

https://t.co/wZxMTKkKgG

ジャーヒズさんちの司書 @palmofcordoba

「反本質主義が一般に問題を含んでいるとすれば、それは、人種、性別、性的志向、年齢、心身の機能などにおいてこれまで劣位に立たされてきた者たちが、抵抗のために形成する習合的なアイデンティティへの対応にある」齋藤純一『政治と複数性』p.91 >RT

2021-05-17 23:34:40
ジャーヒズさんちの司書 @palmofcordoba

「反本質主義の批判はある程度までは正しい。アイデンティティの政治は、二重の意味で排他的な暴力の契機を含んでいる。第一に、否認されるべきアイデンティティを産出することによって自らのアイデンティティを肯定しようとする点で、それは対-形象化の機制を踏襲することになる→」

2021-05-17 23:37:58
ジャーヒズさんちの司書 @palmofcordoba

「第二に、集団内の関係性において、そのその多義的でしかありえないさまざまな関わり――人は性のみを生きるわけでもないし人種や宗教のみを生きるわけでもない――を排他的な帰属、一義的なアイデンティティに無理やり圧縮しようとする点で、それは集団内の人-間関係からも、→」

2021-05-17 23:39:34
qaraiquri @torourus

モンゴル帝国にしても「モンゴル民族によって建てられた国家」ではなく、「モンゴル帝国という統合を経て現代に繋がるモンゴル民族が形成された」とするのが歴史学的には正しいが、 それと「現代のモンゴル民族が自民族史としてモンゴル帝国を称揚すること」とは全く別問題というわけで…

2021-05-17 23:40:40
ジャーヒズさんちの司書 @palmofcordoba

「一人の人間の自己関係からも複数性、多義性を奪う。この批判は確かに説得力をもつが、抵抗のために形成される集合的アイデンティティについて、その陥穽のみを強調することは、劣位に置かれてきたパーリア自身にとって政治的な現れを展望するうえで適切といえるだろうか」pp.91-2

2021-05-17 23:41:12
遊牧民@候選 @Historian_nomad

まぁこれは別に歴史学・考古学に限った話では全くないんですが、結局(少なくとも現代の)人間は完全な価値自由にはなかなか至れないわけでございますね、どっとはらい

2021-05-17 23:44:23
ジャーヒズさんちの司書 @palmofcordoba

我々(十把一絡げ)と彼ら(十把一絡げ)で物事を切り取ってしまうと、「我々」の共通項こそが我々の本質と見なされてしまい、それによって「我々」が切り詰められてしまう。また「彼ら」を「我々」の本質を持たない者として否定的に定義してしまう。これが本質主義の――この場合は「民族」概念の問題

2021-05-17 23:44:33
ジャーヒズさんちの司書 @palmofcordoba

しかし、時には本質主義の戦略的利用が肯定される場面もあるはずで、それは抑圧からの解放を目指す連帯のためのもの――というのが斎藤先生の意見。全てを解体してすべての人がディアスポラに生きられるほど人は強いわけではない

2021-05-17 23:48:28
遊牧民@候選 @Historian_nomad

もんのすげえ難しい言い回しですがだいたい言いたいことが書いてあった(何 twitter.com/palmofcordoba/…

2021-05-17 23:46:01
遊牧民@候選 @Historian_nomad

モンゴル帝国があってモンゴル民族があるんですけど、それはそれとしてモンゴル帝国に先行するモンゴリアの遊牧諸集団をモンゴル民族が「自民族史」としてとらえることは別に両立するんですよね(是非はともかく(トルコも匈奴から説き起こすそうですし twitter.com/torourus/statu…

2021-05-17 23:48:37
遊牧民@候選 @Historian_nomad

@torourus 「民族」的継承関係と地理的継承関係のいいとこどりするのはどこでもよくあることですからねえ>ヨーロッパ諸国だって「○○神話」として自国の文化みたいにいってるソレお前らと直結すんのかとかそういう

2021-05-18 00:03:49
ジャーヒズさんちの司書 @palmofcordoba

斎藤先生の『政治と複数性』はロールズ、ハーバーマス、フーコー、そして特にアレントについて押さえた上で読むと面白い本です

2021-05-18 00:09:00
qaraiquri @torourus

そういえば今更ながら東洋史研究最新号に掲載されていた中世チベット史論文、 「チベット13チコルという概念は明代に入って始まったものではないか」という指摘にはやられたというか、自分も万戸=トゥメンといえばモンゴル時代という固定観念に囚われていたんだなぁと改めて突きつけられた気分だった pic.twitter.com/qsqZ84iVdG

2021-05-18 00:15:19
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殭屍の史林堂 @Jiangshi2020

古代中国と民族のツイートが話題なのですかさず参入 「『民族』は存在しない」という意見もあるが、虚構ではなく仮構として認識すると腑に落ちる。画像の本は「民族とはエスニック共同体を核とした構造」と述べている。民族のベースとなる文化的・血族的集団が社会を構成することで生じる概念とのこと pic.twitter.com/4PNtcN5DhA

2021-05-18 21:09:33
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筑摩書房 @chikumashobo

小坂井敏晶『増補 民族という虚構』(ちくま学芸文庫) 〈民族〉は虚構に支えられた現象である。虚構の意味を否定的に捉えてはならない。社会は虚構があって機能する。血縁・文化連続性・記憶の再検証によって常識を覆し、開かれた共同体概念の構築を試みた論考。2011年5月刊 #ちくま1000「本」ノック779 pic.twitter.com/Vhl7Hpai63

2020-01-14 09:23:33
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fitworkM|ルーツ調査中|地方公務員 @keshigom_teki

#こういうときこそ本を読もう コロナで意味不明なヘイトに踊らされる前に手に取ってほしい本 小坂井敏晶『民族という虚構』 「民族」という概念がいかに実体のないものなのか、「民族」を根拠にヘイトを行うことがいかに虚しいことなのかを知ることができる 「虚構」自体の有効性の議論も興味深い pic.twitter.com/bryLixBqpm

2020-03-09 20:04:04
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ドンじょぶお @urakkun26

>「実は、トルコは第一次世界大戦後に誕生、トルコ人という民族概念もそれと同時に確立された。」 pic.twitter.com/eQS9R2Gqb3

2020-05-17 15:21:21
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巖谷國士 @papi188920

メディアで「人種」という言葉を平気で(無思慮に)使っているのは気になる。遺伝子研究などですべての人間、すべての民族は同一の起源をもつことが判明し、いまでは「人種」の概念そのものが科学的には成り立たないからだ。「人種」の区別を自明のように語ることがすでにレイシズムである。★ pic.twitter.com/YAf7CZfck3

2020-06-20 07:03:31
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箕曲在弘 @arihirominoo

②中山 京子他(編)『「人種」「民族」をどう教えるか―創られた概念の解体をめざして 』 編者の中山さんにご恵贈いただきました。人類学を教えている身としては、人種と民族をどう教えるか、まさに重要な課題。国際理解教育の分野では教え方に特化したノウハウが蓄積されているので、参考になります。 pic.twitter.com/Ly1BBXh4a9

2021-03-18 14:48:34
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