ウォーロックMAGAZINEソロアドコンテスト掲載作感想

ウォーロックMAGAZINE9号に掲載されたソロアドコンテスト掲載作「逃亡の山嶺」「ウッズエッジのひなげし」についての感想です。 『妖魅の森の魔女』 https://togetter.com/li/1182061 『ライフ・オブ・ゴブリン』 続きを読む
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かあかばあど@(12/30(日)東ポ42b)「GTR」 @kakhabad

逆に同じパラグラフに戻る構造が一切ないゲームブックは、こういうまっすぐな矢印となる。 pic.twitter.com/kNTIsf3XPl

2021-06-13 23:21:34
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かあかばあど@(12/30(日)東ポ42b)「GTR」 @kakhabad

「逃亡の山嶺」は基本的には後者のまっすぐな矢印みたいな構造をしているんだけど、道に迷った時の行先表によって前者のぐるっと回る矢印みたいなプレイもできるようになっている。

2021-06-13 23:22:25
かあかばあど@(12/30(日)東ポ42b)「GTR」 @kakhabad

「ウッズエッジのひなげし」はフリーシナリオ的な構造で円を描く矢印になっているんだけど、その上でさらに移動先で過去の村の思い出や過去に縛られた亡霊との会話がはさまることで、同一のX軸Z軸の中でY軸の疑似的な巻き戻りを体験できるようになっている。

2021-06-13 23:23:45
かあかばあど@(12/30(日)東ポ42b)「GTR」 @kakhabad

さてこのY軸の巻き戻りは作品の構造だけにとどまらず、読者が能動的に行えるものでもある。つまり、選択肢ごとの短いスパンで行う“指セーブ”と、作品全体という長いスパンで行う物語の最初からのやり直しだ。

2021-06-13 23:25:08
かあかばあど@(12/30(日)東ポ42b)「GTR」 @kakhabad

「ウッズエッジのひなげし」で感心したのが、この長いスパンでのやり直しに目配せした構造なんですよね。

2021-06-13 23:26:01
かあかばあど@(12/30(日)東ポ42b)「GTR」 @kakhabad

本作は物語の最後で答えを出せないと苦い結末を迎えるんですが、そこで最初からやり直した時に絶対に通過する場所にすでに答えが示されており、あとはそこに気がつけるかどうかという(序盤だけでなく終盤にも答えは示されてはいるけれど)

2021-06-13 23:27:17
かあかばあど@(12/30(日)東ポ42b)「GTR」 @kakhabad

いうならばパラグラフの内容そのものは完全に同一なのに、読者自身の知識が増えたことで意味合いが変わってくるというもの。

2021-06-13 23:28:53
かあかばあど@(12/30(日)東ポ42b)「GTR」 @kakhabad

「逃亡の山嶺」の山小屋が同一イベントなのに選択肢により違う様相を見せる円柱ならば、「ウッズエッジのひなげし」はそれは同じ円柱でも、見る角度が同じ(パラグラフの内容自体は変化なし)なのに光源(読者の知識)が増えて影の形が変わるようなものといえる。

2021-06-13 23:31:53
かあかばあど@(12/30(日)東ポ42b)「GTR」 @kakhabad

最初に遊んだときは、現在の「脱出・再訪」の二部構成ではなく、「村での日常・脱出・再訪」の三部構成にして、日常パートで再訪時の伏線を貼っておくと衝撃度が上げられそうかな……と思っていたんですが、この綺麗な円環構造を見ると現状の二部構成で正解だったかなと思います。

2021-06-13 23:33:35
かあかばあど@(12/30(日)東ポ42b)「GTR」 @kakhabad

掲載作品の話から脱線するけど、日常・脱出・再訪とフリーシナリオ要素を組み合わせた三部構成は、D&D5eスタートセットの「ファンデルヴァーの失われた鉱山」に応用した方がよさそうではあります。

2021-06-13 23:36:17
かあかばあど@(12/30(日)東ポ42b)「GTR」 @kakhabad

あのシナリオは、村でのフリーシナリオ要素、誘拐された依頼人、ドラゴンに奪われた廃村の三要素がバラバラすぎるところがあるんですよね。

2021-06-13 23:36:44
かあかばあど@(12/30(日)東ポ42b)「GTR」 @kakhabad

依頼人が誘拐された状況で呑気に村でフリーシナリオをやるのは(メインクエストを放置しまくれるベセスダのゲームかよ!?)ってなるし、ドラゴンに奪われた廃村も用意されてはいるけど行っても行かなくてもいい場所になってしまっているんで。

2021-06-13 23:38:08
かあかばあど@(12/30(日)東ポ42b)「GTR」 @kakhabad

なので「最初に冒険者志願の若者たちが村でフリーシナリオ的に雑用クエストをこなす」「村を襲ったドラゴンから逃走」「冒険者となって元村民の依頼人とともに失われた鉱山を発見」「金持ちになったその依頼人から援助をもらい故郷を奪還しに行く」みたいな構造にすれば綺麗につながるんでないかと。

2021-06-13 23:39:49
かあかばあど@(12/30(日)東ポ42b)「GTR」 @kakhabad

話を「ウッズエッジのひなげし」とゲームブックのX軸Y軸Z軸の話に戻すと、作中時間で5年が経過したことを示すために選択肢のないパラグラフをひとつはさむのも、Z軸(パラグラフ)とY軸(作中時間)を連動させた上手い表現だと思います。

2021-06-13 23:42:06
かあかばあど@(12/30(日)東ポ42b)「GTR」 @kakhabad

まぁ自分も自作ソロアドにて時間経過や場所の移動を表現するため選択肢のないパラグラフ移動をはさむことがあるんで、そこで上手い表現というのも他人をダシにして自作を褒めるようでアレなんですが。

2021-06-13 23:43:11
かあかばあど@(12/30(日)東ポ42b)「GTR」 @kakhabad

それでも「1パラグラフに1行だけ費やしてシンプルかつ贅沢に時間経過を表現し、その後の能力値成長でその間に何があったのかを色々と想像させるというのはスマートかつ上手い表現だと思います。(能力値成長に関しては冒険点とレベルが直結していないT&T完全版ならではの処理でもある)

2021-06-13 23:44:42
かあかばあど@(12/30(日)東ポ42b)「GTR」 @kakhabad

キャラをドンドン強化する「逃亡の山嶺」のアッパー系調整に対し、「ウッズエッジのひなげし」は初期能力値の固定と任意能力値の成長、魔法の援護とセービングロールを活用して初心者冒険者の範囲で難易度を抑えるバランスになっていたのも対照的で面白い対比になっていますね。

2021-06-13 23:50:14
かあかばあど@(12/30(日)東ポ42b)「GTR」 @kakhabad

あと小ネタですけど体力点が増える髪の毛入りのお守りでソーサラー・ソリテアを思い出してニヤリとしました(あのお守り、初読時はサムソンって何じゃいとなった覚えが)

2021-06-13 23:53:56
かあかばあど@(12/30(日)東ポ42b)「GTR」 @kakhabad

総括すると両作ともに滅法面白かったですし、(今回のコンテストを機に自分も書いてみよう)という新規層が結構観測されたので意義深い企画だったと思います。なので、年一回とかで良いのでまた開催してもらいたい。

2021-06-13 23:55:24
かあかばあど@(12/30(日)東ポ42b)「GTR」 @kakhabad

自分も投稿しようかと思っていたのですが、アイデアを膨らませるうちに規定枚数をオーバーしそうになっては別案に切り替えを繰り返してとうとう投稿できなかったので……

2021-06-13 23:55:48
かあかばあど@(12/30(日)東ポ42b)「GTR」 @kakhabad

今考えると(規定枚数を超えちゃってもいいや)の精神で一本書き上げていれば、投稿できなくても同人誌として発表できたんで、とりあえずでも書き始めておけば良かったな……となりましたし、もし落選しても今は同人やホームページなどで公開する手段もありますしな。

2021-06-13 23:57:23
かあかばあど@(12/30(日)東ポ42b)「GTR」 @kakhabad

といったところで今回の投下はお終い。6か月近く溜め込んでいた宿題が片付いてホッとした一方で、この案件を終わらせてからやろうと思っていた別件にやっと取りかかれるぞ…… #マルチタスクできないにもほどがある

2021-06-14 00:00:00
かあかばあど@(12/30(日)東ポ42b)「GTR」 @kakhabad

長くなったのでまとめは後日に作成いたします。

2021-06-14 00:00:24