2021年4月以降、英語のだいたい新刊ノンフィクションを読んでみた記録
Jennifer Worley著「Neon Girls: A Stripper's Education in Protest and Power」 amazon.co.jp/dp/0062971328/ 労働者が組合を結成し、のちに協同組合による経営をしたサンフランシスコのストリップクラブ、Lusty Ladyの元労働者&労働活動家が当時の経験を書いた本。…
2021-04-24 06:22:51…Lustyについての本は既に他にも複数出ているし、ドキュメンタリ(Live Nude Girls Unite! imdb.com/title/tt026480… )にもなっているけど、あらためて別の一人の視点から読むとおもしろかった。労組結成から協同組合にかけての困難についても正直に書いていて良い。…
2021-04-24 06:22:51…著者が白人であることもあり人種差別についての記述は弱め。Lustyでの労組結成にも参加していた主要人物の一人、Siobhan Brooks著「Unequal Desires: Race and Erotic Capital in the Stripping Industry」など参照。 amazon.co.jp/dp/B007QWLZIQ/
2021-04-24 06:24:12Yolande Strengers & Jenny Kennedy著「The Smart Wife: Why Siri, Alexa, and Other Smart Home Devices Need a Feminist 」 amazon.co.jp/dp/026254279X/ SiriやAlexaにはじまる「女性型」アシスタントから家事や介護などの「女性的労働」を担当する機械、さらには女性型セックスロボットなど、…
2021-04-24 06:40:24…家庭における「スマートワイフ」としてのスマートデバイスの発展が、ジェンダー制度を強化し「女性的」労働の軽視をもたらす傾向についての分析。男性型やユニセックス型のAIやロボットも存在するけれど、それすらジェンダーによって形作られ、意味を見いだされていることが指摘される。
2021-04-24 06:40:25Tim Harford著「The Data Detective: Ten Easy Rules to Make Sense of Statistics」 amazon.co.jp/dp/0593084594/ ハートフォードの新著。統計学について最もポピュラーな一般書籍、ダレル・ハフ著「統計でウソをつく法」が1954年に発売されて以来、統計についてシニカルな見方が広まってしまったが、…
2021-05-02 11:34:42…ハフがその後タバコ産業の代弁者となりタバコの健康被害についての研究にあれこれイチャモンをつけるようになってしまったことに象徴されるように、シニシズムに一辺倒になるのもよくない。間違った数字が生みだされ拡散される仕組みを理解したうえで、どう正しく評価すべきか解説する本。
2021-05-02 11:34:42Christina Lamb著「Our Bodies, Their Battlefield: What War Does to Women」 amazon.co.jp/dp/0008300003/ ナイジェリア、イラク、アフガニスタン、ボスニアなど各地の戦争で起きた戦争の手段としての性暴力について被害者や支援活動をしている医療関係者らに取材した本。…
2021-05-02 11:47:15…読むのがつらそうなのでずっと読むのを後回しにしてきたけど、同じく後回しにしてきた「Is Rape a Crime?」(過去ツイート参照」を読んだついでに一気に読んだ。ソ連軍によるドイツ人女性への暴力や日本軍の「慰安婦」についても触れている。戦時性暴力を戦争につきものだと決めつけたり、…
2021-05-02 11:47:15…民族浄化や虐殺に比べて国際法上大したことない犯罪だと扱われてきた歴史が、ルワンダやボスニアの悲劇をきっかけに90年代から変化してきたことを抜きに、同じ時期に国際的に広まった元日本軍「慰安婦」支援運動の意義は語れない。てか山形さんの2008年のこれ macska.hatenadiary.org/entry/20080908… ひどい。
2021-05-02 11:47:15Steven Levy著「In the Plex: How Google Thinks, Works, and Shapes Our Lives」 amazon.co.jp/dp/4484111160/ リンク先は日本語版。2010年くらいまでのグーグルについての、まあまあ興味深い程度の話だけど、読んだ本はツイートすることにしたので一応。
2021-05-02 11:50:42この山形さんのコメントで出てくるSou Sotheavyさんの発言は、DCにあるホロコースト博物館の展示でも紹介されていた twitter.com/emigrl/status/…
2021-05-02 11:59:16展示では、カンボジア、旧ユーゴスラビアなどでの「ホロコースト後のジェノサイド」についての展示も。シリア難民についても展示されてた。写真はカンボジアのトランスジェンダー活動家によるクメールルージュ裁判での発言。 pic.twitter.com/lDFZGv77bl
2017-08-14 03:41:04この方は自分では読んでもいない本についての他人の感想について勝手な想像をしてイチャモンつけるのがフェアだと思ってんの? twitter.com/kutabirehateko…
2021-05-02 13:20:38「Our Bodies, Their Battlefields」には2019年ノーベル平和賞受賞者のムクウェゲ医師&ムラドさんも登場してる。かれらの受賞スピーチすごいからみんな読んで。 邦訳あったし。 asahi.com/articles/ASLDB…
2021-05-02 13:25:16しかし「ハーフォード」と書くと、毎回「ハートフォード」と勝手に変換されるのどうにかならないのかな… ハーフォードで単語登録するしかないのか。
2021-05-02 15:04:12Mary Ziegler著「Abortion and the Law in America」 amazon.co.jp/dp/B084619HN5/ トランプ政権がたった4年のうちに3人もの保守系最高裁判事を任命し、妊娠中絶を認めた1973年判決が今度こそヤバいという状況で書かれた、過去50年に渡るプロライフ・プロチョイス各運動の言説と法的論理のおさらい。…
2021-05-10 18:51:11…わたしがリアルタイムでフォローしてきたのはクリントン政権以降なので、それ以前の話を学べたのは良かった。反対派も賛成派もそれぞれ絶対的な権利に根ざした主張と社会的な利益やコスト計算、科学的「事実」に即した議論がそれぞれあるけど、後者なら歩み寄れるかと言うとそうでなかったり。…
2021-05-10 18:51:12…妊娠中絶は胎児だけでなく中絶手術を受ける女性に対する人権侵害なのだ、というプロライフ派の意見があり、女性を加害者・殺人者とする立場と対立していたりするけど、その様子はわたしも中絶反対派の集会を見学したとき見かけた。
2021-05-10 18:51:12Julie DiCaro著「Sidelined: Sports, Culture, and Being a Woman in America」 amazon.co.jp/dp/152474610X/ 著者はスポーツラジオのホストを務める数少ない女性の一人。それを知らなかったわたしは女子スポーツの軽視についての本かなと思ってたら、大部分はスポーツメディアのセクシズムの話だった。…
2021-05-10 18:58:26…いちおう女子スポーツや女子選手に対する扱いについての議論もあるけど、セリーナ・ウィリアムズやサッカー女子代表チームのよく知られた話だけなので、女子スポーツに関しては別の本を探したい。ラジオやテレビのスポーツ番組や専門ポッドキャストなどスポーツメディアの話はさすが。
2021-05-10 18:58:26Alex Davies著「Driven: The Race to Create the Autonomous Car」 amazon.co.jp/dp/1982151765/ 自動運転車の開発話。わたしは運転ができないのでわりと切実に自動運転車を待望しているのだけど、やっぱりシリコンバレー系のうざい白人(たまにアジア人)男ばかり出てくる話だった。そりゃそうだ。
2021-05-10 19:02:39Catherine D'Ignazio & Lauren F. Klein著「Data Feminism」 amazon.co.jp/dp/0262044005/ そのものずばり、ビッグデータ時代のフェミニズムの7つの原則を提唱する本。データマイニングやアルゴリズムが社会政策に応用されることで現存する差別が増幅される危険性については…
2021-05-10 19:08:35…「Weapons of Math Destruction」とか「Automating Inequality」など多数の本が出てるけど、それらを踏まえたうえで、フェミニストがどうデータに向き合うべきか、どのようにデータを収集し運用すべきか、という視点から論じた内容。上記の書籍など問題編を読んだうえで、解答編として読むべき。
2021-05-10 19:08:36Seyward Darby著「Sisters in Hate: American Women on the Front Lines of White Nationalism」 amazon.co.jp/dp/0316487775/ 白人至上主義運動でユーチューバーやブロガーとして活躍している(していた)女性たちに取材して書かれた本。各地に南軍のメモリアルを建てた「アメリカ連合国の娘たち」や…
2021-05-10 19:25:54…ナチスやKKKの女性部など、積極的に白人至上主義に加担してきた白人女性たちの存在は今も昔も変わらない。白人女性が白人至上主義に貢献する最高の方法は、できるだけ多くの白人の子どもを産み育てることとされ、本人たちはそれが女性の幸せだと言ったり(本人が実践するとは限らない)もするけど…
2021-05-10 19:25:55