ステルス無人標的機 RED-Medium UAS / Fury/Bandit /YFQ-XXメモ Blue Force Technologies

https://togetter.com/li/1738046 5GATはSierra Technical Servicesが製造しているが、それとは別に中小企業技術革新制度(SBIR)を利用した、第5世代戦闘機を模擬できる安価な標的機を別の会社が提案、開発を進めている。 その標的機に関するメモ
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RED Medium /Fury/Bandit/YFQ-XX

経緯
米軍では仮想敵機を使った訓練を自身の仮想敵部隊(F-15,-16, -35)、無人標的機(例:BQM-167,QF-16)、あるいは第一線を退いた民間企業所有の戦闘機(例:ATAC ホーカーハンター やDraken ミラージュF1)を利用して行っている。
 これらの機材はF-15, Su-27など第4世代戦闘機を模擬するのが限界で、F-22,Su-57など低観測性を有する第5世代機以降の戦闘機の模擬は困難とされている。

また、2022年になってから、ネリス空軍基地でのミラージュF1を使用し仮想敵任務を行っていたDrakenインターナショナルは契約を切られており、一方で休眠状態だった第65仮想敵部隊をF-35所有の仮想敵部隊として復活させるなど、流動的な情勢である。

こうした状況を踏まえつつ、ベンチャー企業のBlue Force Technologies(以下BFT)は訓練の出撃数の半分は無人化が可能なBVR戦であること、仮想敵を高い汎用性と高い運用コストのF-35で実施するには高コストである点をビジネスチャンスと捉えた。

2018年から検討を重ね、当初はISR任務を行うUAVとして計画が進んでいたものを、空軍関係者と折衝を重ね(おそらくSBIRのためのお膳立てと思われる)、結果として第5世代戦闘機の一部能力を模擬できるステルス性と相応の機動性を有し、COTSやオープンアーキテクチャを利用した、F-16で10000$/h超の運用費を4000$/hまで抑えた、戦闘機と比較して極めて低コストなUASを開発を開始した。

2021年時にこのコンセプトをAFRLが主幹としているSkyborgプログラムに適用する動きがあり。CEO曰く「SBIR フェーズ3に相当≒実用化」

2022年にはAFRLがUAVをBandit※1と命名、STRATFIとして900万ドルの契約、オプションには試作の飛行試験機4機の製造が含まれる
同年ノースカロライナ州に工場用建屋を確保
※1 自社の商標としてFuryが登録

Red Air Rising(AIRFORCE magazine)

諸元等
全長:28ft
幅:18ft
MTOW:5,000lb
エンジン:ウィリアムズ製FJ44-4M(推定)
その他:Mach 0.95・9G機動,4G維持旋回可能
滞空時間:5時間
内部ペイロード:500lb

参考比較
BQM-34A MTOW2,500 lb
BQM-167A MTOW2,000 lb
HiMAT MTOW4,030 lb
T-38A MTOW12,093 lb
性能等
寸法はRockWell HiMAT,EADS Barracudaに近い。
エンジンはAIRFORCE Magazineでは
練習機用のエンジンとしているので、L-39NG, M-345向けのFJ44-4Mと推定。

エンベロープは5GATの検討案にあった超音速飛行をしない検討案に近いと思われる。

SBIRの説明文では既存システムに対してコストをいかに削るか重点が置かれている。BFTはコスト低減策として市場のビジネスジェットの部品を使用していると明言している。
また、この機体をU-ADAIR/ADAIR-UXと称しており、将来的に部品入手が難しくなる退役戦闘機を使うADAIR企業への供給を目指している。
Fifth-Generation Target Drone Phase I Design
形状
公式ホームページといくつかのメディアで公開されている
デザインは差異があるため、全容は不明。
車輪付きの脚、F-16に類似するダイバータ付きのシングルのインレットは共通しているが、垂直尾翼&水平尾翼な配置とラダーベーターの2種がシミュレーション、CG画像あり。
主翼の平面もCGにより、形状にかなり差異あり。

物理的な拡張性について、SBIRの提出文では1000lbのウィングポッド、AIRFORCE magazineでは空軍が必要とすれば、内部もしくは外部にという記述あり。

現時点で、X-62によるフライトモデルのシミュレーションを実施、前胴・エンジンダクトのみを製作し、試験を実施。

ただし、ADAIR-UX計画はCCAにより、資金が消滅してしまい、今後の動静は不明慮である。
(2023年6月)
9月に入り、巨額の資本をもつ急進的なベンチャー企業のAndurilによる買収が発表された。結果
開発は維持される模様であり、CEOを初めとする、社員らもそのまま雇用される。
(2023年9月現在)

機体形状やミッションについて

ふるーす @kleinenf

リアジェットではカバーできない低RCS巡航ミサイルのフライトエンベロープをUAVで実現すること、6000時間を寿命としていること、タイヤ付きの費用対効果のよさ(おそらくBQM-167比

2021-11-03 02:32:24
ふるーす @kleinenf

blueforcetech.com/capabilities/ Blue Force TechのREDMidium UAS、 5GATのコンセプトスタディで選択されなかった検討案のひとつみたいな形なんだよな pic.twitter.com/juR8e8dBHn

2021-08-14 21:56:16
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ふるーす @kleinenf

aviationweek.com/defense-space/… 2月のあびえいしょんうぃーくだと既にこっちになってる pic.twitter.com/MVyiWactPd

2021-12-21 21:57:58
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ふるーす @kleinenf

forbes.com/sites/erictegl… Blue Force TechnologiesのFury/BanditとうとうForbesまで 300~500万ドルのフライアウェイコスト 2つのエンジンサプライヤーって何?(W以外だとPWな気もするが) pic.twitter.com/VMg8UJOCBb

2022-03-31 01:02:17
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ふるーす @kleinenf

BFTのアレ、言われてる寸法8.5m×5.2mとかで、CGだと主翼が小さめ pic.twitter.com/BKEZl2nXtL

2021-11-03 16:09:06
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米軍では戦闘機や爆撃機の追従し、作戦を支援する構想を進めている。
AFRLのSkyborgはそれにあたり、飛行諸元が大きく異なる複数社複数種の中・大型UAVを使って自律性やミッションの可用性を検討してきた。

現在、それらを発展させた概念として‘collaborative combat aircraft’ (CCA)を進め、目下開発中の爆撃機B-21や新戦闘機NGADへの適用を検討している。

https://www.fedscoop.com/air-force-sees-2-business-models-for-integrating-robotic-wingmen-into-combat-formations/

このCCAについて最も活発に動いているのはGA-ASIのGambitでかと思われる。一方BFTが開発している本ページのFuryもそれと同規模のUAVであり、当然大きな商機であるわけでCCAプロトタイプとしてFuryをプロモーションしている模様。
このFuryの一番最初のコンセプトは戦術UAVだったが、調査や助言を経て仮想敵UAVに変更され、再び戦術UAVに戻ってくるのはプロジェクトの存続などから見ても興味深いと思われる。

ふるーす @kleinenf

Blue Force TechnologiesがASC22に出展してる。 ステルスUAV Fury 本当にマッハ.95出るのかな linkedin.com/posts/michael-… pic.twitter.com/JVXyW38hrK

2022-09-23 02:22:17
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概念の登場(DTIC投稿のレポートより)

ふるーす @kleinenf

CREATING A BALANCED ADVERSARY AIR ENTERPRISE TO BOLSTER USAF COMBAT READINESS 何気なく保存してた。 これがBFTのホームページ上のCGと一致している。RED Mediumの初期案か。 pic.twitter.com/rFK3F5UqcR

2021-12-21 21:55:23
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ふるーす @kleinenf

The role is a major step forward for BFT, which was launched 10 years ago to manufacture experimental aircraft prototypes. Recent examples of the company’s work include the prototype airframe for Beta Technologies’ Alia electric vertical-takeoff-and-landing) air taxi.

2021-12-21 22:13:03
ふるーす @kleinenf

執筆者は94thFSの人(F-22) ADAIR-X(有人・T-7派生)とUX(無人・ステルス・新規)でつらつら書かれてるのと、T-7B(IRST付!)の一端見れたので良かった pic.twitter.com/Gr4YnqSZ0y

2021-12-22 00:21:10
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ふるーす @kleinenf

CREATING A BALANCED ADVERSARY AIR ENTERPRISE TO BOLSTER USAF COMBAT READINESS 何気なく保存してた。 これがBFTのホームページ上のCGと一致している。RED Mediumの初期案か。 pic.twitter.com/rFK3F5UqcR

2021-12-21 21:55:23
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名称ついて

ふるーす @kleinenf

Have you heard 'The next generation of combat UAVs with Joseph Murray and Andrew Van Timmeren' by Acquisition Talk on SoundCloud? soundcloud.com/acquisition-ta… Blue Force Technologiesの偉い人が喋ってる  メモ

2021-11-01 23:24:21
ふるーす @kleinenf

この中でアビエーションウィーク とかが"Red Medium"と報じてたUAVは、"Fury"とも呼称されるっぽい。 実際、出願されてるのはFuryのほう。 uspto.report/company/Blue-F… 話の中でリアジェットが実施してる巡航ミサイル模擬の話をしているのも今回の配信のポイント pic.twitter.com/0vpHoj4nJ0

2021-11-02 01:21:06
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ふるーす @kleinenf

ACCはADAIR-UXで通してきたけど AFRLはBandit Programなのか afrl.af.mil/News/Article/2…

2022-03-10 03:29:01

Blue Force Technologies

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BFTホームページ
ノースカロライナ州ローリー所在の比較的歴史の浅い企業ではあるが、ボーイングの脱オートクレーブプロセスをはじめとするラピットプロトタイピングなどを遂行できるだけの複合材成型技術を保有する。

BFT紹介
取引先にボーイング、サフラン、ブルーオリジン、ヴァージンギャラクティック、シエラネバダコーポレーション、ピアセッキ、ロッキードマーティン、米国国防総省、クラトス、ベータテクノロジーズなど。