「魔女狩りは科学技術の担い手たる女性への、教会の嫉妬が原因」との説～それは事実か江戸しぐさ的偽史か？と議論

法政大学出版局 @hosei_up

【新刊】B.エーレンライク、D.イングリッシュ著／長瀬久子訳『魔女・産婆・看護婦［増補改訂版］』◆豊かな知恵と経験で身近な人々を治療していた女たちを迫害し、排除し、閉じ込めてきた歴史。h-up.com/books/isbn978-… pic.twitter.com/GiJGJzum8U

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小柳【弐】魄(ニハク) @nihaku

きたーっ！ より生に近い『魔女・産婆・看護婦』！！ pic.twitter.com/UBixiLhlU1

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ずんだくるみ @zunda_kurumi

「女性から教育と仕事を奪う」というと、思い出すのは「侍女の物語」と、「中世ヨーロッパの魔女狩り」ですね。前者については架空の世界のことなので省略しますが、後者は本当にあったこと。後者に関して、以前読んだ本にあった内容を、思い出しつつ書いてみる。→

ずんだくるみ @zunda_kurumi

→「今の日本に住んでいると意外かも知れないが、中世ヨーロッパでは、科学技術は主に女性が担っていた。医療者だったのも主に女性。体の不調に悩む隣近所の人たちに飲み薬や塗り薬を調合してあげたり、悩み事をうまく聞いて解決に導いてあげたりしていた（※今でいうカウンセリングですね）。→

ずんだくるみ @zunda_kurumi

→しかし、このような動きを苦々しく思う人々がいた。カトリック教会の上層部である。『教会の信徒たちが、教会の聖職者より、“たかだかちょっと物知りな程度の市井の女”なんぞを頼りにしている』という状況に危機感を持ったのである。→

ずんだくるみ @zunda_kurumi

→もっとはっきり言うなら、“強固な組織の上層部にいる男たち”が、“一般の人々から信用され頼られ、精神的な権威を得つつある市井の女たち”に嫉妬したのである。→

ずんだくるみ @zunda_kurumi

→そこで起きたのが、いわゆる“魔女狩り”及び“魔女裁判”。地域で精神科医やカウンセラーのような役割を果たしていた女性たちが、“悪魔と契約して怪しげな力を手に入れ、人々を惑わした魔女”として、大勢処刑された。→

ずんだくるみ @zunda_kurumi

→そしてそれ以降、『悩みがあるならその辺の怪しげな女なんぞに言わず、全部教会に来て司祭に言いなさい』ということが厳しく決められた。子供が生まれても、産婆が取り上げただけでは“生まれた”とみなされず、司祭が洗礼を授けて名をつけて教会の名簿に登録して、初めて“生まれた”とみなされた。→

ずんだくるみ @zunda_kurumi

→このように、既存の強固な権威ある組織の上層部を占める男性たちは、『専門的な知識や技術のある女性が、その能力を発揮して一般の人々から頼られ、自分たち（上層部の男性たち）以上に精神的な権威を持つようになる』ということを許さない」。→

ずんだくるみ @zunda_kurumi

→なんか、打ってて気が滅入ってきた。「中世ヨーロッパのこと」のはずなのに、今、すごく身近に、似たようなことが起きてる国があったような気が……。

🦐猫カラ @neko_kara

@zunda_kurumi 一連のツイートを拝読してて、虫プロのアニメ「哀しみのベラドンナ」のことを思い出しました。確かに、教会の権威が落ちるから魔女としてころされたなぁ、と。

白煉〜なるように生きる。 @cryforthemoon26

「今の日本に住んでいると意外かもしれないが」 ツリーを読ませて頂きましたが、全然意外に思わなかったです。 亡き父は「歴史は繰り返す」が口癖でした。 戦争直後に産まれた父が危惧してたのは、為政者が国民の権利を奪い戦争を「また」始めるであろう可能性でした。 twitter.com/zunda_kurumi/s…

白煉〜なるように生きる。 @cryforthemoon26

国民の人権の尊重と戦争平和の問題は地続きの話だと思います。 国の根幹に関わる人たちが権力を行使し自らの利権を追い求める中、国民を人と思わなくなり蔑ろにした先に戦争が起きるのだと思います。 戦争や紛争含み、全ての人権問題は対岸の事ではないんですよね。

🌸caorita🌸 @caorita_rosada

そういえば、NARUTOや鬼滅の刃でも医療系キャラは女性なんよね NARUTOは不明だけど鬼滅は舞台が大正時代の日本 それが掲載されていたのが少年ジャンプというのがまた何とも twitter.com/zunda_kurumi/s…

C62 48@負けるな！yukaさん(@yuka10091522)💉💉💉 @C62482

@zunda_kurumi 「中世ヨーロッパのこと」なはずですが、当のヨーロッパ諸国でもその名残は色々な処に見られるようで…。

服部弘一郎 (HATTORI Kouichirou) @eigakawaraban

このTweetからはじまる「中世ヨーロッパの魔女狩り」の話は、現在「魔女」を自称する女性たちが主張している彼女たちの歴史で、言うまでもなく偽史だと思います。 少なくとも眉にたっぷり唾をつけておく必要がある話でしょうね。 twitter.com/zunda_kurumi/s…

井村ヒロ.HIRO @setu1452

@eigakawaraban 中世末辺りから近代に及ぶ魔女狩りは歴史的な事実だと思います。 特に田舎の女性たちは薬草に詳しかったので、妖しい存在として魔女狩りの対象になったようです。 ドミニコ会だと記憶してますが、僧侶の著した「魔女への鉄槌」が魔女狩りのバイブルのように扱われました。

服部弘一郎 (HATTORI Kouichirou) @eigakawaraban

@setu1452 魔女狩りは歴史的な事実ですよ。しかし現代の魔女たちが語る「賢い女性たち」の歴史は嘘でしょう。 これは「江戸しぐさ」に似てますね。知識や見識を備えた人々（江戸っ子／賢い女性たち）が、権力者（新政府／カトリック教会）に弾圧されて滅びる物語。

服部弘一郎 (HATTORI Kouichirou) @eigakawaraban

「賢い女性たち＝魔女」のような偽史は近代以降あちこちで作られていて、日本で有名なのは「江戸しぐさ」。 他には「フリーメイソンはソロモンの神殿を作った石工たちの末裔」みたいな起源神話とか、「タロットの起源は古代エジプトだ」「いや中世のジプシー占いだ」とか好き放題やってます。 twitter.com/eigakawaraban/…

服部弘一郎 (HATTORI Kouichirou) @eigakawaraban

こうした起源神話には文書資料の捏造を伴うものもありますが、ほとんどはそうした資料なしに起源を主張する。 「歴史は勝者（権力者）によって書かれ、しばしば捏造される。抑圧された民衆の歴史は、口伝で継承されているのだ」というのが、よくある理屈で、これは「江戸しぐさ」も同じ。

服部弘一郎 (HATTORI Kouichirou) @eigakawaraban

虚構の歴史を通して自らの正統性を主張するのは、じつは古代からずっと行われていることです。神話の多くはそうした機能を担っている。 旧約聖書の神話はイスラエル王朝の正統性を主張するものだろうし、記紀の神話は大和王権の正統性主張に使われた。 これらは文書化された歴史ですけどね。

服部弘一郎 (HATTORI Kouichirou) @eigakawaraban

カトリック教会は使徒ペトロを初代とする教皇座の正統性を主張するけど、これが歴史的に正しいのかどうかはよくわからない。 ローマ帝国公認前の古代のキリスト教は、虐げられた民衆の宗教だから、自らの来歴を示す同時代の文書資料をほとんど残さなかった。例外は新約聖書ぐらい。