シャンタル・ムフ周辺のおしゃべり記録2010/4/30

シャンタル・ムフに関するおしゃべり記録。誰でも編集可にしてありますので追加・削除などありましたらお願いします。
7
tetsuki tamura @ttya70

彼女がロールズを「政治なき政治哲学」(Return of the Political, chap. 3)と称しているのは、象徴的だと思います。

2010-04-30 20:43:51
tetsuki tamura @ttya70

つまり、ムフは「リベラルな」諸価値そのものは否定しないが、それらの擁護は「対立」「政治」の中で実現されるということとセットで考えなければならない、と論じていると思います。

2010-04-30 20:45:42
tetsuki tamura @ttya70

ロールズは「リベラル」、ムフは「リベラル」+「デモクラティック」、と。

2010-04-30 20:46:15
tetsuki tamura @ttya70

それでいくと、シュミットは(かなり特殊かもしれないが)「デモクラティック」、ムフはやっぱり「リベラル」+「デモクラティック」ということかもしれません。

2010-04-30 20:47:00
Mori Tatsuya 🇺🇦🇵🇸 @mori_tatsuya

@ttya70 すみません(笑)ありがとうございます。大変クリアなご説明、論旨に同意です。「頭から否定するのではなくて、それをできるだけagonの要素を組み込んだものにすること」「モロに殲滅し合うのではない「adversary」とか「agonism」とかを擁護」ということですね。

2010-04-30 20:47:11
tetsuki tamura @ttya70

う~ん、いろいろな人から突っ込まれそうな気が・・・と予防線を張っておく・・・ので、皆さんそのつもりで。

2010-04-30 20:48:30
@Minority20

@ks_wbr でも話を聞いてるとやはりムフはリベラルを批判してはいるけれど、しかしリベラルの枠内にあろうとしている感じですね。詳論はまたの機会にしますが、やはり自由主義と多元主義は前提にあると思います。そういう前提無しの単なるデモクラシー+権力闘争ではないですよね。

2010-04-30 20:48:35
Mori Tatsuya 🇺🇦🇵🇸 @mori_tatsuya

@ttya70 Return of the Political では自説を agonistic democracy と表現していましたと記憶しています。その上で、私の場合、『カール・シュミットの挑戦』を読んでいないのがネックになっています…これが何を言っているのか。

2010-04-30 20:49:35
@Minority20

これが聞きたかった。 RT @ttya70 シュミットは(かなり特殊かもしれないが)「デモクラティック」、ムフはやっぱり「リベラル」+「デモクラティック」ということかもしれません。

2010-04-30 20:50:15
tetsuki tamura @ttya70

ちなみに、ムフはハーバーマスに対しては、ロールズよりはデモクラティック、ただし、結局、合意できる条件へと焦点を当てることで「政治」を見失っている、と言っていたはず。

2010-04-30 20:50:43
tetsuki tamura @ttya70

エセックスにいる某さんあたりの出番ではないかな・・・と書こうとしたら、ご返事が(笑)

2010-04-30 20:52:41
Mori Tatsuya 🇺🇦🇵🇸 @mori_tatsuya

@ttya70 そうすると結局のところ彼女の立場はラディカル・プルーラリズムと合意の政治の拒絶と要約できるのでしょうか。今度はコノリーとの相違など気になってきました。きりがないですが…(笑)この点はどうぞご放念ください。

2010-04-30 20:54:20
@Minority20

ロールズは「リベラル」、シュミットは「デモクラティック」、ムフは「リベラル」+「デモクラティック」

2010-04-30 20:55:10
@Keiyamamoto

@mori_tatsuya 今手元にないのですが、シュミットは経験的に構築された集合的アイデンティティをもとに友/敵を構想している。われわれはヘゲモニックな節合実践を通じて、われわれ/かれらを構築せねばならない。みたいな感じでシュミットに近づきつつ拒否するスタンスだったと思います

2010-04-30 20:55:46
tetsuki tamura @ttya70

@mori_tatsuya 『カールシュミット』所収論文は読んだし、今も手元にあるのですが、ムフは,Return of the Political以降、基本的に立場の大きな変更はないと思います。

2010-04-30 20:56:20
Mori Tatsuya 🇺🇦🇵🇸 @mori_tatsuya

ありがとうございます。ツイッター素晴らしい! RT @ttya70 『カールシュミット』所収論文は読んだし、今も手元にあるのですが、ムフは,Return of the Political以降、基本的に立場の大きな変更はないと思います。

2010-04-30 20:58:15
tetsuki tamura @ttya70

おっしゃるように、言うほど対立していない、と思います。 RT @Keiyamamoto @ttya70 ・・・ムフのagonistic democracyは、彼女が口を酸っぱくさせていうほど、deliberative democracyと対立しない

2010-04-30 21:00:17
tetsuki tamura @ttya70

ただ、ムフは自分はどうしても「合意」を肯定はしないのだとして、ハーバーマスなどは結局「合意」を目指しているからダメだ(というか、「政治」をわかっていない)、と言いたがりますね。

2010-04-30 21:01:22
tetsuki tamura @ttya70

他方、Dryzekも2006年の本で、言っていることの多くはムフと比較的ラディカルな熟議民主主義は重なっていると言っていたはずです。ただ、ムフの議論では、政治における集合的決定の要素を捉えることができない、と批判しています。

2010-04-30 21:04:34
Mori Tatsuya 🇺🇦🇵🇸 @mori_tatsuya

なお、私がムフの特徴に「ルールの変更」を入れたのは、『政治的なものの再興』の中で確かチェスの比喩が出てきたと記憶しているからです。ロールズの政治なき政治哲学には基本ルールの政治的変更という考えがないのに対して、憲法すらダイナミックな存在であるという主張。実はこれが結構危険な気が。

2010-04-30 21:04:49
tetsuki tamura @ttya70

どこでもagonistic一本で、政治の内容がundifferentiatedであると(Deliberative Global Politics, 2006, chap. 3)

2010-04-30 21:05:22
@Keiyamamoto

@ttya70 その一点張りで、彼女の「闘技」理論をどうやって鍛え直すか、というのが現在の僕の目下のテーマです。『SITEZERO/ZEROSITE』という雑誌に「現代民主主義におけるアゴニズムの隘路ーシャンタル・ムフにおける敵対性なき闘技をめぐって」という論文を書きました。

2010-04-30 21:06:13
麦飯くん @mugimeshi_kun

何だかTLがすごいことになっているなう>ムフ的な意味で

2010-04-30 21:06:39
Mori Tatsuya 🇺🇦🇵🇸 @mori_tatsuya

はじめまして。シュミットに近づきつつ拒絶するというのはそうだと思います。 RT @Keiyamamoto //シュミットは経験的に構築された集合的アイデンティティをもとに友/敵を構想している。われわれはヘゲモニックな節合実践を通じて、われわれ/かれらを構築せねばならない//

2010-04-30 21:06:43