エレン先生に、ベクトル解析を教わるとして

0
uroak_miku @Uroak_Miku

ベクトル解析30講 (数学30講シリーズ) 志賀 浩二 amazon.co.jp/dp/4254114826/ 就眠前に全30章を一気読み。県図書館が麓の公園端にあった頃、訳もなく通い詰めては大学物理&数学の書物をあれこれ広げまくっていた青春のかけらのひとつ。今読むと編集さん目線で「ここ誤読されますよ」等、呟きたくなる。

2021-10-27 08:14:52
uroak_miku @Uroak_Miku

私の場合、一般相対論を独習していて例の時空間ぐにゃりを数式で記述する技として外微分のことを知って、そのずっと後になってテンソル代数→イデアル→外積代数→C∞級→外微分で再遭遇して、同じ城にたどり着くのにこんなに登山路が違うのかと印象を抱いた。

2021-10-27 08:24:08
uroak_miku @Uroak_Miku

ベクトルや内積は高校で習うので大学数学で再登場してもほとんどの学生さんは「あああれね」と油断する。だがじきにベクトル空間が現れ、これが名前に反して抽象の極みであることにじき気づき眩暈を起こす。

2021-10-27 08:26:53
uroak_miku @Uroak_Miku

要は(x1, x2, x3, …, xn)と  a1  a2  a3  …  an (☝心の中で縦書き括弧を思い浮かべよ) この縦横括弧ペアが絡み合って  x1a1+x2a2+…+xnan になるのが双対テンソルやよってことなんだけど。(細かい話は跳ばす)

2021-10-27 08:32:44
uroak_miku @Uroak_Miku

これがわかれば「二階のテンソル」がこういうのだってすぐにわかるよう話を進められる。 pic.twitter.com/n0pWaSr59f

2021-10-27 08:38:48
拡大
uroak_miku @Uroak_Miku

…と語っていくと、へたに高校で行列を習っていたりすると躓いてしまうわけです。

2021-10-27 08:39:39
uroak_miku @Uroak_Miku

高校で習ったことを足がかりにしながら、同時にそれを揺さぶっていく、そういう教え方をせざるを得ない。 あーこれって受験英語に染まって入ってきた子たちに「それネイティヴにはこう読まれるよ」とやさしく諭していくのと重なるね。何度か指摘してきた。

2021-10-27 08:41:39
uroak_miku @Uroak_Miku

そういう数学指南書を私が手掛けるとしたら…ああ頭が痛くなる。

2021-10-27 08:42:35
uroak_miku @Uroak_Miku

ベクトル、行列式、行列は20世紀に入ってから統合整理されたものなので、つまり一度ブルバキの皆さんの手で抽象整理されています。見た目は具体的で、高校でもそういうものとして習うので、大学に進んで面食らう。

2021-10-27 08:44:47
uroak_miku @Uroak_Miku

ベクトルといえばこういうイメージですよね。↗とか↘とか。ところがドーナツ本体が消えて穴だけで議論が進んでいく、みたいな抽象世界に突入していくわけですよ。

2021-10-27 08:46:12
uroak_miku @Uroak_Miku

ここをどう乗り越えさせるか。

2021-10-27 08:46:44
uroak_miku @Uroak_Miku

ブルバキの皆さんはフランス、ナンシー大のカルタン研究所を拠点に1937年より活動を開始。彼らの合言葉はコーゾー。構造ですこーぞー。線形の構造。

2021-10-27 08:58:44
uroak_miku @Uroak_Miku

19世紀にグラスマンという変人数学者が極めて難解な「外積代数」なるものを提唱。老ガウスも嘆く難解さでしたが、後に物理学者たちに着目されてベクトルの考え方が生まれた。これが20世紀に数学に持ち込みかえされて、やがて線形性ということばに収斂していきました。

2021-10-27 09:02:49