続・巡洋艦ゴトランド 搭載レーダーの話 ~Early Atomic Age over the Baltic Sea
ノルディック・バランスにおける"西側"2か国の海軍力は、戦禍によってスウェーデンほど余裕はなかった。暗にスウェーデン海軍が、その穴埋めを期待されてもおかしくない(それが「スケッチ」であった)。
2022-01-25 03:27:33トレ・クロノール姉妹も、PS-16レーダーを積んでいた。しかし、対空監視任務に着けてしまうと、主力艦隊は旗艦を欠くことになる。しかもこの姉妹、度々休む(この姉妹が揃って演習が出来たのはわずか1年度に過ぎなかった)
2022-01-25 03:27:33もともと商船のプリンス・カールはさすがに脆弱すぎる。そして、肝心の西部海域には、51年にゴトランドが新設の第三戦隊旗艦として配されている。ならば自衛力のある移動レーダー基地としてゴトランドこそが最適、のはずだ・・・(当て推量)
2022-01-25 03:27:34冷戦論文が指摘するのは、55年(予備入りの前年)にソ連がバルト沿岸で行った基地再編である。これで若干バルト海の緊張融和があった、らしい。となると、レーダーピケット艦としてのニーズも相当程度下がるはずだ(推測)
2022-01-25 03:27:35論文は次のように結論付ける。 「(幽霊飛行が東西いずれの陣営の仕業だったにせよ)彼女がNya Varvet(駐:予備化したゴトランドが係留されていた基地)に移籍した後、いずれの場合もそれ以上の「ゴーストフライト」は報告されません」
2022-01-25 03:27:36最後の航海
一方、スウェーデン海軍は完全に高速軽量な「軽艦隊」路線にかじを切っており、虎の子の新軽巡2隻ですら最早見切りをつけられだしていた(64年が運用最終年)。そこに老朽化で25ノット程度に船足が落ちたゴトランドが入り込む余地はない。
2022-01-25 03:27:36大航海にはより低燃費で大型のエルスナベンが控える。つまり、ゴトランドはここに役割を完全に失ったのである。じゃあなんでレーダー積んじゃったんだ、これが分からない。。。そして60年まで予備係留され改役。桟橋につながれたゴトランドは徐々に装備を解かれた。
2022-01-25 03:27:3762年1月25日、タグボートに引かれ、ゴトランドの船体は桟橋を離れた。解体を受けるため最後の航海である。この様子を伝える新聞(SvD紙)は以下のように伝えたimsvintagephotos.com/products/swedi… pic.twitter.com/Gqm8tb1YHs
2022-01-25 03:27:39「誇り高い古き巡洋艦、ゴトランドが最後の航海へ滑り出ると1月の夕日が波打つ海を燃えるような赤で照らした」。なお、売却額は70万クローネであったという。
2022-01-25 03:27:40