編集部イチオシ

展示「しなかった」資料の解説!特別展「オホーツク文化ーあなたの知らない古代ー」

特別展「オホーツク文化 あなたの知らない古代」(横浜ユーラシア文化館:2021年10月16日~12月26日、大阪府立近つ飛鳥博物館:2022年1月15日〜3月13日)において、展示されなかった資料について、主催者である東京大学常呂実習施設の熊木俊朗教授による解説です。
72

クマ・・・熊木先生Twitterに登場!

熊木俊朗 / Toshiaki Kumaki @okhotskuma

あけましておめでとうございます。つぶやき始めました。

2022-01-02 23:40:38
熊木俊朗 / Toshiaki Kumaki @okhotskuma

特別展「オホーツク文化 –あなたの知らない古代–」、昨年12月まで横浜ユーラシア文化で開催しておりましたが、1月15日から大阪府立近つ飛鳥博物館に巡回します。北海道から横浜に運ばれた600点余りの資料は、大阪でもすべて展示される予定です。お楽しみに! pic.twitter.com/fTkxKBPd6U

2022-01-03 00:41:37
拡大
熊木俊朗 / Toshiaki Kumaki @okhotskuma

近つ飛鳥博物館で開催中の特別展「オホーツク文化 −あなたの知らない古代−」、展示資料は横浜会場と同じなのですが、若干、展示方法を変えた資料があります。僅かな違いではありますが、2つほど紹介します。 #オホーツク文化 #あなたの知らない古代

2022-01-17 17:29:32
熊木俊朗 / Toshiaki Kumaki @okhotskuma

この「クマ頭部大型注口容器(複製・羅臼町教育委員会蔵)」、横浜会場では、クマの顔が正立して見える向きで展示していました。しかし、実はこれは「注口容器」でありまして、 #オホーツク文化 #あなたの知らない古代 twitter.com/YokohamaEurAsi…

2022-01-17 17:44:13
横浜ユーラシア文化館 @YokohamaEurAsia

松法川北岸遺跡出土のクマ頭部形大型注口容器(複製・羅臼町教育委員会蔵)。木製容器の注口部がクマの頭の形をしています。容器として使うときはひっくり返したのでしょう。 #オホーツク文化 #あなたの知らない古代 #クマ pic.twitter.com/3yGUmOvxug

2021-12-08 16:44:00
横浜ユーラシア文化館 @YokohamaEurAsia

松法川北岸遺跡出土のクマ頭部形大型注口容器(複製・羅臼町教育委員会蔵)。木製容器の注口部がクマの頭の形をしています。容器として使うときはひっくり返したのでしょう。 #オホーツク文化 #あなたの知らない古代 #クマ pic.twitter.com/3yGUmOvxug

2021-12-08 16:44:00
拡大
熊木俊朗 / Toshiaki Kumaki @okhotskuma

大阪会場では、注口容器として正立する向きで展示しています。かなり大型の容器で、クマの口が注ぎ口になっているのがわかるでしょうか。この角度で見ると、鼻の穴にずいぶんと迫力がありますよね。 もう一点はまた明日に紹介します。 #オホーツク文化 #あなたの知らない古代 pic.twitter.com/9HH5XDmrxE

2022-01-17 17:44:15
拡大
熊木俊朗 / Toshiaki Kumaki @okhotskuma

ちなみにこのクマ頭部注口容器については、全体像を復元した模型を羅臼町郷土資料館が製作しています。詳しくは下記の記事をどうぞ。 hokkaido-travel.com/shiretoko-regi…

2022-01-17 22:31:37
リンク 北海道Style 国の重要文化財、松法川北岸遺跡出土の「熊頭注口木製槽」 | 北海道Style 知床半島というと「地の果て」イメージのPRによって、「秘境」「人跡未踏」などのイメージが強いのですが、実はこのイメージは近年つくられたもの(詳しくはシリエトクは「地の果て」でない?を参照) 知床半島は北海道、いえいえ日本屈指の古代から中世の遺跡密集地帯。とくに羅臼町は遺跡だらけといっても過言ではありません。
熊木俊朗 / Toshiaki Kumaki @okhotskuma

横浜会場と大阪会場の展示の違い、2点目です。これは海獣の頭部を表現した牙製の像(東大常呂実習施設蔵)で、横浜ではこの向きで展示していました。 大阪への移動の際、左側の破断面を確認して、素材が牙の先端部であることをあらためて意識したのですが、#オホーツク文化 #あなたの知らない古代 twitter.com/YokohamaEurAsi…

2022-01-18 18:43:20
横浜ユーラシア文化館 @YokohamaEurAsia

牙製海獣像。トコロチャシ跡出土(東京大学常呂実習施設蔵)。頭部破片のため全体の形はわかりませんが、首の周りに刻線と刻点による装飾が施されています。 #オホーツク文化 #あなたの知らない古代 pic.twitter.com/LJ0LxjsaLi

2021-12-10 14:26:00
横浜ユーラシア文化館 @YokohamaEurAsia

牙製海獣像。トコロチャシ跡出土(東京大学常呂実習施設蔵)。頭部破片のため全体の形はわかりませんが、首の周りに刻線と刻点による装飾が施されています。 #オホーツク文化 #あなたの知らない古代 pic.twitter.com/LJ0LxjsaLi

2021-12-10 14:26:00
拡大
熊木俊朗 / Toshiaki Kumaki @okhotskuma

牙製と言えば、と確認したところ、有名な川西遺跡の海獣上半身像とよく似た顔つきをしていることに気づきました。この小さな海獣像、実はこのような半身像の先端部であった可能性が高いようです。大阪ではそうとわかるように展示しています。 #オホーツク文化 #あなたの知らない古代 pic.twitter.com/OK5O0yghqs

2022-01-18 18:43:21
拡大
熊木俊朗 / Toshiaki Kumaki @okhotskuma

どうと言うことはない発見なのですが、気づいたときは嬉しかったです。しかし、顔から下はどこにいってしまったのでしょうか。ここから先は妄想ですが、再利用されて別の像の素材になっていたりしたら面白いですね。 #オホーツク文化 #あなたの知らない古代

2022-01-18 18:43:22

連載第1弾 選ばれなかった資料たち

熊木俊朗 / Toshiaki Kumaki @okhotskuma

当アカウント、今月から始まった大阪での巡回展を広報するため、半ば勢いで開設したのですが、開設からわずか2週間で、すでにネタ切れの様相を呈してきました... #オホーツク文化 #あなたの知らない古代

2022-01-19 18:37:33
熊木俊朗 / Toshiaki Kumaki @okhotskuma

いや、弾切れとは失礼ですね。主力を送り出してしまったとはいえ、こちらでは種々の理由から選外となったオホーツク文化の資料たちが、留守を守っております。「戦力外」では決してないこれらの資料を、選ばれなかった理由を含めてここで紹介していきたいと思います。題して「選ばれなかった資料たち」

2022-01-19 18:37:35
熊木俊朗 / Toshiaki Kumaki @okhotskuma

タイトルがアレですし、この年度末の時期にこんな企画が続けられるのかどうか、私の非力さからすると不透明ではありますが、とりあえず始めてみます。 いや、前置きが長くてすみません。 #オホーツク文化 #あなたの知らない古代 #選ばれなかった資料たち

2022-01-19 18:37:35

第1回 鈴谷式土器

熊木俊朗 / Toshiaki Kumaki @okhotskuma

「選ばれなかった資料たち」、記念すべき初回はやはりこれですね。これは1924年に樺太で採集された「鈴谷式土器」で、2001年に常呂実習施設に寄贈されたものです。鈴谷式土器はサハリンの中部から南部、北海道の北端部を中心に分布する土器です。#オホーツク文化 #選ばれなかった資料たち pic.twitter.com/pEt4xUcOTJ

2022-01-19 19:00:01
拡大
熊木俊朗 / Toshiaki Kumaki @okhotskuma

この資料は、国内には数が少ない貴重な完形の資料であることから、展示資料に含めるか直前まで迷ったのですが、展示スペース的に鈴谷式土器の詳しい説明をする余裕はなさそうとのことで、諦めました。いや、私が言うのも何ですが、本当に美しい資料なんです。

2022-01-19 19:00:02
熊木俊朗 / Toshiaki Kumaki @okhotskuma

この土器には縄目の文様があり、続縄文土器との関係がうかがわれますが、鈴谷式には櫛歯文や尖底の器形と言った、大陸系の要素を持つ例もあります。年代的にはオホーツク文化前期の十和田式土器よりも古いと考えられていますが、十和田式との関係をどう考えるかについては諸説あり、論点も複雑です。

2022-01-19 19:00:02
熊木俊朗 / Toshiaki Kumaki @okhotskuma

この資料の詳細について知りたい方、専門的な内容になりますが、下記の論文で紹介しておりますので、よろしければご覧下さい。 rekihaku.repo.nii.ac.jp/?action=pages_…

2022-01-19 19:00:03
リンク rekihaku.repo.nii.ac.jp 国立歴史民俗博物館学術情報リポジトリ CMS,Netcommons,Maple

第2回 青銅製垂飾

熊木俊朗 / Toshiaki Kumaki @okhotskuma

#選ばれなかった資料たち の第2回。青銅製垂飾です。径約3.5cmの笠型で、裏面には紐があります。北見市の、栄浦第二遺跡の1号竪穴から出土しました。同様の垂飾が靺鞨系文化に見られることから、私は、これもオホーツク文化によってもたらされた可能性が高いと考えているのですが、 #オホーツク文化 pic.twitter.com/KoW6M3ZgAh

2022-01-20 18:47:30
拡大
拡大
1 ・・ 10 次へ