短い平和な春が来たと思ったら、一気に滅亡の坂を転げ落ちた「ヒッタイト帝国」の歴史

海に囲まれた山がちなアナトリア半島の内陸部に生まれて、数百年の間、六方向の敵と戦い続けた「ヒッタイト」は何故滅びたのか?
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巫俊(ふしゅん) @fushunia

ヒッタイト帝国って、海に囲まれた山がちなアナトリア半島の内陸部に生まれて、生産の中心地とは言えない政治的中心の首都ハットゥシャを抱えながら、数百年の間、六方向にいる敵と戦い続けた後、短い平和な春が来たと思ったら、一気に滅亡の坂を転げ落ちたらしい。

2022-04-25 02:50:17
panchillara鋼鉄のハムストリン @panchillara

懐かしいな、読み返したくなった。天は赤い河のほとり(1) (フラワーコミックス) 篠原千絵 amazon.co.jp/dp/B009JZHQB8/… twitter.com/fushunia/statu…

2022-04-25 21:05:11
西方政府軍兵士@ノクターンノベルズ&ノベルアッププラス @Lkpi8dEIKmF7bi1

@MakiRiko21 単行本まで買った奴だと歴史ファンタジー?ものの天は赤い河のほとりですかね。 あれを読んだ後に作品の舞台になってたヒッタイト等の地中海の文明が滅亡した前12世紀のカタストロフについて解説した歴史の本 『BC1177』を読むと軽く鬱になれる

2022-01-13 20:40:47
巫俊(ふしゅん) @fushunia

ビリー・ジーン・コリンズ『ヒッタイトの歴史と文化 』(2021年出版)に詳しい歴史が書かれてるんですが、信長の野望とか三國志とかでプレイヤー的に一番楽しい「端の方の重要拠点を保持するために、細長い領土を形成したが、攻められるたびに兵力を移動させてギリギリ保たせる」永遠に続く感じでした

2022-04-25 03:07:07
巫俊(ふしゅん) @fushunia

そのため建国期のヒッタイトは、アナトリア西部やシリア方面などに遠征して、大国への道を歩もうとしたんだけど、首都のすぐ北には黒海沿岸の山岳地帯に住む「カシュカ」という外敵がいて、西部やシリアの確保に苦しんでる中、背後をゲリゲリ削って来る連中に悩まされてたそうです。

2022-04-21 03:42:57
巫俊(ふしゅん) @fushunia

他の地方に派兵すると、その隙にこうした連中が襲ってくるから、酷いときには首都をカシュカに燃やされ、東北方面からも別の敵が来て、西部の勢力も南から攻めてきて、北からえぐってきてるカシュカと連絡するとか国家崩壊の瀬戸際に追い込まれたこともあったとか。

2022-04-21 03:47:11
巫俊(ふしゅん) @fushunia

帝国末期になると、気候変動で内陸部高原の小規模農耕では不作が続いて食べていくことができなくなりエジプトなどの外国から穀物を輸入してたが、海賊が猛烈に発生して海上輸送路に喰らい付いてくるので、数少ないシリアの海軍国を動員したが、海軍が空になったシリアに敵が殺到して崩壊に向かった

2022-04-25 03:12:11
巫俊(ふしゅん) @fushunia

海の民」の攻撃で陥落したとされるシリアの交易都市ウガリットについては、ウガリット軍の戦車隊や艦隊を、上位の同盟国と見られるヒッタイトや小アジア方面に送ってて、主力不在の状態で攻撃に遭ったとされ、キプロス王に助けを求めるなど、緊迫した当時の様子が史料に記述されてるとのことです。

2018-10-29 12:25:55
巫俊(ふしゅん) @fushunia

アナトリア半島の西南部は、対岸にギリシアがあり、大小の島が多くあるので、ヒッタイト帝国に敵対した西南部の王は常に島に逃げ込んだそうです。帝国末期にはキプロス島に遠征したり帝国が海軍を編成し始めるけど、いわゆる「海の民」(難民化した海上勢力)が荒れ狂うとどうにもできなかったようでした

2022-04-25 03:18:51
巫俊(ふしゅん) @fushunia

ヒッタイト帝国はエジプトとの平和条約を結んだハットゥシリ3世が束の間の国際平和を実現させるんだけど、この大王は天武天皇に立場が似てて、大友皇子のような立場の甥を打倒して簒奪したので、継承問題を抱えてて、帝国内部の内紛が三世代に渡って続き、深刻な食糧難を招いたとのことでした。

2022-04-25 03:26:47
巫俊(ふしゅん) @fushunia

ヒッタイト帝国内部の国々は王族が分治してて、長く続いただけに王族の数も多く、日本の天智系皇族みたいなのをなだめるために彼らに要地を任せたら、彼らが勝手に「大王」や「太陽」を自称した上、ハットゥシリ3世の孫世代の王は、帝国を再建するために親征を続けたが、王不在の首都は放棄され滅亡へ

2022-04-25 03:39:31
西方政府軍兵士@ノクターンノベルズ&ノベルアッププラス @Lkpi8dEIKmF7bi1

エリックHクラインの『BC1177』だとヒッタイトもエジプトも海の民前の時点で衰退や社会混乱が起きてて海の民ですら地中海文明の混乱で生まれた武装難民みたいなものだったという説が紹介されてました。ヒッタイトの都は焼かれる前に政府が撤退して半放棄状態の可能性があるとも 個人的にショックでした twitter.com/KIMEsek1945/st…

2021-04-24 13:21:54
@KIMEsek1945

世界史を楽しむには、 「オイオイ、当時最強クラスの2国家ヒッタイトとエジプトの戦争に突如割り込んでヒッタイト滅亡させた海の民ヤバすぎだろ何者だよ………」 みたいなノリが大事。

2021-04-22 20:10:25
けむ @kemunopasokon

ヒッタイトは本当に常にあっちこっちに敵を抱えて多方面作戦してるくせに400年くらいは存続した異常な帝国(賞賛)。

2022-04-25 05:53:20
けむ @kemunopasokon

ヒッタイトも国が混乱する時は大抵同じ王族が反乱起こしてる時だし……という感じ。でも王族が一番信用できるから……(こなみ)

2022-04-30 22:38:27

ヒッタイトは、その出自とされるアナトリア内陸の都市「カネシュ」にちなんで、「ネシャイト」や「ネシシアン」と自称してたそうです。

É.TEMEN.NÍ.GÙRU @skrymd

ネシャイト(ヒッタイト)熱が少し上がったのでちょっとだけ論説読み読み。ヒッタイト王国はある時期から副王制を用いていた。副王というのは別にそういう単語はなく、便宜的な研究上の呼称である。実際んとこ「皇太子以外の王子達の中で土地を与えられ同地を支配する王」(長い)と言われた。

2019-09-20 21:24:48
É.TEMEN.NÍ.GÙRU @skrymd

「パンク(王族、貴族層とかの国家官僚集団機構の総称)は狼のように一つでないとダメ。争いは絶対マジでダメが代」という。後のテリピヌ王も「テリピヌ勅令」で「自分が死んだ後に王になる者に対してはみんな仲良く一致団結してね」と説く。ところがどっこい内部抗争で王族死にまくり。

2019-09-20 21:24:56
É.TEMEN.NÍ.GÙRU @skrymd

新王国時代の王ムルシリ二世も一族のアレッポ副王タルミ・シャルマに対して「私たちはみんなシュッピルリウマ大王の子孫。王家は一つ。地球は一つ。おおガッチャマンガッチャマン」と相互に助け合うことを誓約する条約(ishiul)を取り交わす。でも抗争は止まない。

2019-09-20 21:24:56
É.TEMEN.NÍ.GÙRU @skrymd

一つには王家の血筋の複雑さが原因と取れる。トゥドハリヤ4世は宦官と思われる人物へ「いろいろな系統の王族いてごちゃついてるけど私の子孫だけ守ればいいから」と言っている。シュッピルリウマ裔、ムルシリ裔、ムワタリ裔、ハットゥシリ裔とこの時点で複数の系統の王族が複雑な利益関係のもと

2019-09-20 21:24:58
É.TEMEN.NÍ.GÙRU @skrymd

入り組んで残存しているのがみてとれる。いずれの王も自分以外の王統を根絶やしにしたりはしなかったのかな。ヒッタイトの分国支配(これは戦国用語かな)はもう一つ「イシュヒウル文書」というもので法的に補強される。イシュヒウルは「結びつき」という意味。

2019-09-20 21:24:59
É.TEMEN.NÍ.GÙRU @skrymd

そんなこんなつらつら思った。読んだのは山本孟先生の『帝国時代におけるヒッタイトの支配体制 : 副王制・属国支配・外交』です。

2019-09-20 21:25:14
É.TEMEN.NÍ.GÙRU @skrymd

ヒッタイト(ネシャイト)の外交文書における冷たさ(他の国の王達は姻戚なくても「我が兄弟」とか「父、息子」と呼び合うのに「血縁ないのになんで兄弟とか呼ぶの?」とか書いちゃう)、人間の細かな感情に疎い美少女アンドロイド感ある。

2018-12-23 10:04:44
巫俊(ふしゅん) @fushunia

ヒッタイト語は自分たちの言葉でnešili「ネサの言語」と呼ばれてるけど、ヒッタイト王のハットゥシリHattušiliもšiliという語尾がついてるから、ハットゥシリはハットゥを治めてる者、とかそういう意味なのかな?

2022-04-17 06:23:05
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