細かすぎて伝わらない、源氏物語・紫式部のあれこれ~大河ドラマ決定を受けて
野原ヒロシから考察する90年代サラリーマンの生活。源氏物語や枕草子から平安貴族の文化を知るみたいな構図になってると言うか。30年前の本邦がもうすでに異世界になってると言うか。解釈は人それぞれだが大卒新入社員がローンでスポーツカー買える世界だったのは確かだと思う。>RT
2022-05-07 11:49:32ソシャゲの「お願い社長」広告に「金と女と自動車と高級服に価値観求めるあたりが〇国っぽい」な意見を見るが。高度成長期からバブル崩壊にかけての本邦もあんな無邪気な貪欲さや価値観があったような気がする。
2022-05-07 11:59:48古典解釈の醍醐味のひとつに「なぜあのキャラクターはこういう性格なのか」という、作中で描かれている(あるいは「あえて描かれていない」)生育環境からの類推があって、『源氏物語』(光源氏)の場合、「(原文では)母親である桐壺更衣は生前一度も子供についての言及がなかった」ということから、
2022-05-08 15:38:28「光源氏は母からの愛情を与えられなかった(だからああいう性格になった)」という考え方があるのだけども、いっぽうで『あさきゆめみし』(大和和紀著)でははっきり桐壺更衣が源氏を愛する描写が描かれているんですね。源氏もそれに応えて甘えており、面影も覚えていてその姿を藤壺に重ねている。
2022-05-08 15:40:50つまり『源氏物語』(原文)と『あさきゆめみし』を並べて読むことで、「母からの愛情というのは、それが"最初から与えられなかった"と考えるほうが心のダメージは大きいのか、それとも"いったん与えられてから失う"ほうが大きいのか」という、新たな読み方、考え方が生まれるわけです。
2022-05-08 15:43:43ひとつの解釈、翻案が、もともとの作品世界を大きく広げる一例といえるでしょう。 先般、藤村シシン先生がFGOに出てくるギリシャ系サーヴァントの解説に付記して、「古い木に新しい水をそそぐ」と仰られたのも(すばらしい!)、こういうことだと思います。いやあ、古典は楽しいですねー。
2022-05-08 15:46:09いわゆる十二単式の衣服の登場時期もいくつかの根拠からだいたい推測できるようになってきた。そして、そうでないタイプの女性礼服も「枕草子」の時点で使われていたことも。 ロングスカートの中宮定子は映画の画面で見たいよねえ。
2022-05-09 06:42:39『枕草子』、「春はあけぼの」から始まる有名な第一段に続く、第二段の「いい具合の頃合いは、正月、三月、四月、五月、七、八、九月、十一、二月、んー、全部いい感じ。」という、大雑把きわまる祝福がすばらしいので、オタクこそ読んでほしい。好きな作品を褒めるのもこんな感じで十分だと思える。
2022-05-09 09:27:48『枕草子』、何百回読んでも「この感性のきらめきはすごい…」と唸るフレーズがいくつかある。「心ときめきするもの」もそうで、何をどう鍛えればこういう感性が身につくのか見当もつかない。千年前の感性がまぶしすぎる。これ、論理的な文章が得意で、でも美しい文章に憧れる人は悔しかったろうな…。
2022-05-09 22:58:42心ときめきするもの(三巻本 第二十六段) 雀の子飼。ちご遊ばする所の前わたる。 よき薫物たきて、ひとり臥したる。唐鏡のすこし暗き見たる。 よき男の、車とどめて案内し問はせたる。
2022-05-09 23:00:46頭洗ひ、化粧じて、香ばしうしみたる衣など着たる。 ことに見る人なき所にても、心のうちは、なほいとをかし。 待つ人などのある夜、雨の音、風の吹きゆるがすも、ふと驚かる。
2022-05-09 23:00:58(以下私訳) 胸がどきどきするもの。 雀のヒナを飼うこと。 幼児が遊んでいるところの前をとおること。 服にいい香りの薫物(たきもの)をたいて、ひとりで寝転んでいるとき。 上等な鏡を、すこし暗いところで覗き込んだとき。 身分の高そうな男が家に前に車を停めて、案内を頼む声が聞こえたとき。
2022-05-09 23:06:48@tarareba722 清少納言のTweetは心に響くので頻繁にバズると予想します。または、あれだけビジュアル性の高い文章を書く方なので、現代ならスマホ写真でインスタを主戦場としてるのかも?
2022-05-09 23:12:14髪を洗って、化粧して、いい香りが染み込んだ服などを着たとき。 そういう時は、特に誰も見ていなくても、自分の心が弾みまくるのがわかる。 約束の人(恋人など)を待つような夜は、雨の音や風が吹いてたつ物音にも、ふと驚いてしまう。
2022-05-09 23:14:20@tarareba722 > 上等な鏡を、すこし暗いところで覗き込んだとき。 「よく写る鏡を暗がりで覗き込むとちょっと怖くてドキドキするわぁ」 …ではないですよね?「ときめく」だから。 なら 「少し暗いところで良い鏡を使うと、自分がなんか少し美人に見えてときめいちゃう」 でしょうか?
2022-05-10 00:09:09@tarareba722 古典は高校の授業以来です。枕草子にふれるにはどんな本をおすすめされますか?ぜんぶ訳されているものから入った方が良いのか、参考書的なものからが良いのかよくわかりません。よろしくお願いします。
2022-05-10 05:44:25@tarareba722 こうした短い文や単語を連ねた文章に情緒を含ませ、読み手がそれを受けとめる感性が、短歌や俳句につながっているように感じます。
2022-05-10 08:34:34@suiyou2103 @tarareba722 唐鏡 唐物の美しい鏡が伝説の宝鏡(最新の漢文をすらすら読める人しかわからないひみつのアイテム)だったとしたら、不思議なこと(月食とか)がある前兆で汚れてないはずなのに少し暗くなることがあるらしい。 「え?これ、マジカルミラーなの?心ときめく」 こんな解釈もけっこう昔からあるそうだ。
2022-05-10 09:50:43良き薫物たきてひとり臥したる (心ときめきするもの 枕草子より) 枕草子の素敵なところは、同じ「よい香をたいて一人で臥している」ような状況でも人によってそれぞれの前提条件の可能性があることでございます。 人によってイメージする風景が異なるのに、心に響くなんて✨ pic.twitter.com/WeoMu4k14z
2022-05-10 10:35:16@chiyako14 一番良いのは原文と現代語訳の両方が載ってて注釈の付いてるものだと思います 次点で現代語訳だと思います 読めなくて途中で投げてしまうよりは良いと思うので 注意点としては出版されている古典文学はダイジェストが多い点です 説明にダイジェストと書いてないけど(続
2022-05-10 12:25:12@chiyako14 買ってみたらダイジェスト版というのは結構多いです 出版社の説明にも書いてない事がほとんどです 確実にダイジェスト版ではないと言えるのは「完全版」と表記されてるものです 角川はダイジェスト版と完全版の両方を出しててダイジェスト版はそう書いてあります
2022-05-10 12:27:53@chiyako14 補足 ダイジェスト版というのは出版社が勝手に一部だけ抜粋した本のことで原本が失われているものの事ではないです
2022-05-10 12:30:02@tsukiyonosakura 返信ありがとうございます。まずはダイジェスト版と辞書とで学びながら頑張ってみようかと思います。土佐日記や女性の書いた日記も興味があります。
2022-05-10 17:10:21