- rouillewrite
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一応口にはしているものの、あまり減らない目の前の皿を見つめ、ギルはため息を吐く。 それは皆も同じだったようで、ほとんどが皿に残ったままだ。
2022-05-12 21:49:29そう言ってイーライが突然立ち上がった。 朝食は残ったままだが、このまま食べずにここにいるのも気落ちして仕方がないといった様子で、手をつけずにいたパンを袋に入れる。
2022-05-12 21:51:55ギルも立ち上がり、少女たちに目配せをすると彼女たちも椅子から降りる。 そうして朝食を途中で終え、全員で食堂を出て、ガブリエルの部屋へと向かった。
2022-05-12 21:53:52廊下から玄関ホールへと出て、階段を上る。静かな廊下を進み、手前から2つ目の部屋。Gと書かれた扉の前まで来ると、イーライは声を上げた。
2022-05-12 21:56:06コンコンコン、とイーライが扉を3回ノックする。 ……返事はない。 入れ違いになったのか。 いや、食堂とここを行き来するには玄関ホールと1階の廊下を経由しなければいけないので、どこかで遭遇するはずだ。
2022-05-12 21:57:22ドアノブに手をかけて、ギルがそっと扉を開ける。 キィイと古めかしい金具の音が廊下に響く中で、彼は瞠目した。
2022-05-12 21:59:06部屋の中には、誰もいない。 意味ありげに開かれた窓から入る風が、白いカーテンを舞いあげて止まなかった。
2022-05-12 22:00:33朝食の間にどこかに行ってしまったのか、そう思いギルが部屋に入りベッドに触れるが、温もりはなかった。
2022-05-12 22:01:04そう言って、イーライはエリーゼの手を引いて早々に部屋から出ていく。後を追うようにアシュリー、マリンも部屋を出た。 …残されたレイラが、ギルに「行きますか…?」と小さく問いかけるので、彼は深く頷く。
2022-05-12 22:02:16そして、慌てて4人の背を追うレイラと共に部屋を出ようと扉の方へ目を向けると……ギルはある物を目にした。
2022-05-12 22:03:39随分と小さな箱だ。扉の裏に隠れていて気づかなかった。 小包くらいの大きさで、茶色の包装を纏うそれは開封されている。 中には何も入っていないが、ガブリエルが開けたのだろうか。 それとも、もっと以前からあったこの部屋の主たちのどちらかの私物だろうか。
2022-05-12 22:04:58箱を眺めていると、不安げなレイラの声が耳に入り、ギルは立ち上がって部屋を出た。 既に先行した4人はどこかに探しに行ってしまったようだ。
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