すべてを支配する「天」の一族を名乗った五胡十六国時代の匈奴の皇帝「赫連勃勃」(かくれんぼつぼつ)から語り出す草原地帯の歴史

「赫連」(かくれん)とは、どういう意味だったのか?その一族の名前の起源を探ると、草原地帯の言語と交流の歴史が浮かび上がってきた
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昨年は、五胡十六国時代に「夏」を建国した皇帝・赫連勃勃が、コンクリートに類似した「蒸土」と呼ばれる建築技術を使って、巨大な城を作ったことを紹介しましたが、この皇帝は「天に連なる」を意味する「赫連」という姓を作って自分の名前にしたことで知られてます。

巫俊(ふしゅん) @fushunia

#五胡十六国の日2022  再掲 「五胡十六国時代に匈奴の皇帝赫連勃勃(かくれんぼつぼつ)が巨大な城を築くのに使った「謎のコンクリート」の正体」 昨年の五胡十六国の日に公開した記事です。五胡十六国時代には、コンクリートに類似した工法で城郭都市が建設されていました。togetter.com/li/1715493

2022-05-16 21:32:44
弥生可汗(マールス・カガン) @kimovoticus

勃勃がアレなだけで赫連(天に連なる)って姓クソかっこいいっすよね

2021-10-19 23:16:26
ヒストミヤイン(歴史の宮殿):地図作成のミヤイン📌 @histrist1976

@Kirokuro 赫連→「天に連なる」 名前はほんとにステキですが、その行いは・・・ ですね😄

2021-11-30 22:53:40
河東竹緒 @rivereastbamboo

『魏書』鐵弗劉虎伝 北人は胡父、鮮卑母を謂いて鐵弗と為し、因りて號を以て姓と為す。 ~略~ 屈孑は姓の鐵弗なるを耻じ、遂に改めて赫連氏と為す。自ら云えらく「徽赫は天と連なる」と。又た其の支庶を號して鐵伐氏と為す。「其の宗族の剛銳は鐵の如く、皆な人を伐つに堪う」と云う。

2021-05-30 10:39:23
河東竹緒 @rivereastbamboo

匈奴サゲがキツい『魏書』では、匈奴と鮮卑の混血が鉄弗、劉屈孑ことみんな大好き赫連勃勃は劉氏ではなくて「鉄弗」姓を嫌って赫連姓に改めたとしており、これは虚連題(攣鞮)という匈奴単于の姓っぽいのよね。休屠各=屠各もそうだけど先頭のカ行の音ってわりと落ちがちだし。知らんけど。

2021-05-30 10:50:40
河東竹緒 @rivereastbamboo

長孫嵩の元の姓名は拔拔嵩、宇文佚豆歸の長子は宇文拔拔陵陵で次子は宇文拔拔瓌、隋の周搖は鮮卑族で曽祖父は普乃拔拔、北族では「拔拔」はわりとよく見るし、破落汗拔陵も破落干拔拔陵陵を略しただけのようにも思える。「拔拔」と「勃勃」は音も近そうだし、赫連勃勃は同語異訳なのかなー。

2020-11-12 21:31:27
ヘツポツ斎 @HEZPOZ

@rivereastbamboo 赫連には祁連との関連性を感じずにおれないのですよね。匈奴鮮卑系言語のあれやこれが見えてくるとドチャクソ面白そうなんですが、史料が足りないof足りない……

2020-11-12 21:41:37

日本語の漢字の読みは祁連(きれん)です。中国の西北地方にあった山の名前として漢代の史料に出てきます。前漢の武帝の遠征軍と匈奴がこの地をめぐって戦いました。

河東竹緒 @rivereastbamboo

@satohkun_ もうちょっと多角的に検証できるほど史料があればねえ、、、ふう。

2020-11-12 21:50:13
巫俊(ふしゅん) @fushunia

@rivereastbamboo @satohkun_ 調べたところ、印欧祖語由来の匈奴語のようでした。 赫連*khak-lian 祁連*g'ieg-lian 印欧祖語*keh₂i-lom

2021-08-03 00:54:47
巫俊(ふしゅん) @fushunia

五胡の皇帝赫連勃勃の「赫連」は「天」を指した匈奴語。 『晋書』は漢語で解釈してるけど実際には発音を表記したもの。 『晋書』赫連勃勃載記「帝王者、係天為子、是為徽赫實與天連。」 赫連*khak-lian 祁連*g'ieg-lian 印欧祖語*keh₂i-lom「全体、すべて」ラテン語に分岐 caelum「天国、空」

2021-08-03 01:28:09
巫俊(ふしゅん) @fushunia

月氏の旧領で匈奴の西方領土の祁連(きれん)も、『漢書』の注に「祁連山はすなわち天山なり。匈奴は天を呼びて祁連と為す」とあり、従来「匈奴語」だと解釈されてきましたが、米国の中国語学者ヴィクター・メイヤーはラテン語と同系の「トカラ語」(月氏の言語)だと指摘しました

2022-05-16 22:21:50
巫俊(ふしゅん) @fushunia

林梅村(北京大学教授)『流沙の記憶をさぐる』P139から引用 「これまでに知られているトカラ語の語彙のなかには、「」をあらわす語をみつけだすことができないので、アメリカの中国語学者ヴィクター・メイヤーは、新しい道を切り開いた。(中略)漢語の「祁連」は、ラテン語のcaelum

2021-08-03 01:30:21
巫俊(ふしゅん) @fushunia

「と語源を同じくするトカラ語の語彙を翻訳したものにちがいないと、彼は確信するに至ったのである。(中略)一方、われわれは、漢籍史料によって、トカラ人が「天山」のことを「祁羅漫山」「初羅漫山」「折羅漫山」などと呼んでいたことを知っている。(中略)これらの語は、

2021-08-03 01:32:03
巫俊(ふしゅん) @fushunia

間違いなくトカラ語klyomから翻訳されたものであり、トカラ語ではklyomoと表記されるということが分かるであろう。トカラ語に訳された仏教の経典で、この語は、しばしばサンスクリットのarya(神聖な、高貴な)の翻訳語として使われている(引用終わり)」 ※トカラ語は月氏の末裔亀茲国の言語です

2021-08-03 01:35:25
巫俊(ふしゅん) @fushunia

aryaのaに‐(長い音)の記号あり。klyomは仏典のサンスクリット語aryaをトカラ語(唐代以前の新疆オアシス都市の言語で、印欧祖語から極めて古い段階で分岐した言語)に訳するときに使われた。 その注は、W.Krause und W.Thomas,Tocharishes Elementarbush,I,Hederburg,1960.

2022-05-16 22:05:25
河東竹緒 @rivereastbamboo

@fushunia @satohkun_ うーむ、赫連祁連の可能性が高いのかな、音が近そうですし。赫連=虚連題も魅力的なんですけどね。天氏とは不遜極まりない( *`ω´)

2021-08-03 07:19:29
ヘツポツ斎 @HEZPOZ

@rivereastbamboo @fushunia なんだかんだで宇宙大将軍レベルという……

2021-08-03 09:07:10
巫俊(ふしゅん) @fushunia

@rivereastbamboo @satohkun_ ウィクショナリーの「天」の項目に、 Chen (1998) proposes cognation with 祁連 (OC *g'ieg-lian) and 赫連 (OC *khak-lian), transcriptions of a Xiongnu word for "sky", which he also relates to 昊天 (OC *g'ôg-hlin). とありまして、昊天はちょっと違う気がしますが、祁連赫連

2021-08-04 02:53:13
巫俊(ふしゅん) @fushunia

@rivereastbamboo @satohkun_ たしかにどちらも「」との関わりで漢籍に用例がある外国語ですし、関連がある可能性はありそうだと思いました。

2021-08-04 02:55:02
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