- rouillewrite
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全員が、このバーで起こった最悪の事態を目の当たりにして呆然と立ち尽くす中で、後ろから入ってきたのはいつもの遺体回収係。 もう何も言うまい。
2022-05-19 21:04:46彼を止める気力もなく、連れていかれる2人の遺体を呆然と見つめていると、彼はバーから出る直前、こちらを振り返った。
2022-05-19 21:06:07「イーライ、アシュリー。レイラたちが疲れてるみたいだから、少し休もう。そうだな…。2階のイーライたちの部屋でいいか。俺は少し調べたいことがあるから、先に行っててくれ」
2022-05-19 21:11:07親友がお互いに顔を見合わせていると、ギルがそう声をかけてきた。 傍を見れば、明らかに疲弊の色を濃く出している3人の少女たち。 あぁ、と気がついたように彼女たちを気にかける中で、2人はようやくギルの言葉の違和感に気づいた。
2022-05-19 21:12:57ギルは首を横に振って、苦笑いを零す。 半ば呆れたようにイーライが「1人じゃ危ないって散々、」と言いかけた時、レイラがギルの服の裾を引っ張った。
2022-05-19 21:14:49随分と小さな声だったが、自己主張が苦手な彼女にしては珍しい申し出に、ギルは目を見開く。 顔上げて、彼の顔をハッキリと見つめるレイラからは、1人にさせない、という意志を感じられた。
2022-05-19 21:17:09「わかった、じゃあついてきてくれるか」 「2人だけで大丈夫か?ギルさん」 「あぁ、すぐに戻るよ」
2022-05-19 21:18:53イーライの問いかけに、ギルは深く頷いた。 4人がお互いに顔を見合わせて、何かあったらすぐに呼ぶようにと忠告を促して出ていく背中を見ながら、ギルはポケットに入れていたひとつの手帳を取り出す。
2022-05-19 21:20:05メノンから預かった手帳。 返す前に彼がいなくなってしまったので、ずっとギルが持ったままだった。
2022-05-19 21:22:18レイラと共に図書室に入り、灯りをつける。 相変わらずの資料の量に思わず目眩がした。それでも大書庫が地下にあるというのだから、この館は一体どうなっているのだろう。
2022-05-19 21:23:37