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rouillewrite
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イーライは言いかけた名前を、閉ざす。頭では分かっているのに、まだ心が理解出来ていないのだと思うと、アシュリーは余計に眉が下がった。 エリーゼだって、自分の記憶を戻すためだけに行われているこんな殺人劇を目の当たりにして、平気でいられるはずがない。
2022-05-22 22:06:51![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
アシュリーは目を見開いて、イーライに掴みかかった。 マリンが死んでしまって、どうも感情のタガが外れてしまったのか。 あれだけのことをエリーゼがして───でもやっぱり、まだ、彼は。
2022-05-22 22:10:23![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
少し離れて見ていた彼が駆け寄る音がして、驚いて横を振り向くと────イーライに向かって“それ”が、迫ってきているのが一瞬だけ見えた。
2022-05-22 22:11:59![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
頭から流れる血で、視界が歪んだ。 …グリムに殴られたのだと理解したら、妙に納得したような気分になる。
2022-05-22 22:13:08![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
弱っている彼なら、と仕留めようとしているのだろうか。 今の精神状態のエリーゼに何かを見せようとしているのか。
2022-05-22 22:14:07![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
今度は腹部に強い痛みを覚えた。 ギリギリでナイフを持った小さな手の主を突き飛ばし、ようやく収まった攻撃にほっと息を吐く。
2022-05-22 22:15:01![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
駆け寄ってきたイーライの顔が歪んで見える。 グラグラとする頭を抑えて、最後の力を振り絞ると彼は親友の頬を引っぱたいて、ガッと襟首を掴んだ。
2022-05-22 22:16:25![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
「ずっと重ねて、 あの子に背負わせる気ですか… 殴られても、まだ、分からないんですか!? あんたが忘れてしまったら、誰がエリィの姿を覚えてるんですか…!!」
2022-05-22 22:17:15![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
「───エリィは、何度殺されればいいんですか…!!」 pic.twitter.com/ET6rVuF9z8
2022-05-22 22:18:27![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
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エリーゼのことも、もちろんある。 エリィが忘れられてしまうことを危惧している事もある。 けれど、1番は。
2022-05-22 22:19:31