伊豆諸島の噴火と伊豆半島の三嶋信仰

自分用メモ
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HUNTER's LOG @hunterslog

一部伊豆半島の賀茂氏の中心だったと思われる式内:加毛神社鎮座想定域には摂津・伊予の三嶋の神の伝が残るが、それ以外の伊豆三嶋信仰圏における伊豆三嶋大明神は独自の神格であると見て良いと思う。

2012-06-17 22:15:11
HUNTER's LOG @hunterslog

さて、そしてこの伊豆三嶋大明神は多くの后神を持つのだが、特に伊豆諸島の各島にそれぞれ后を置いた、というところが重要だ。北から順に○伊豆大島の后:波布比咩命(羽分の大后) ○利島の:下上御方 ○新島・式根島の后:久爾都比咩(みとのくちの大后) ……

2012-06-17 22:20:48
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……○神津島の后:阿波命(長濱御前) ○三宅島の后:伊古奈比咩命(天地分宮)、他三后 ○御蔵島の后:不明(伊大氐和氣命の母神) ○八丈島の后:優波夷命(いなはえの后)……となる。

2012-06-17 22:21:10
HUNTER's LOG @hunterslog

またこの后神たちそれぞれの第一子は ○大島:阿治古命(太郎王子・おほい所) ○利島:阿豆佐和氣命 ○新島・式根島:多祁美加々命(大三王子) ○神津島:物忌奈命 ○三宅島:阿米都和気命 ○御蔵島:伊大氐和氣命 ○八丈島:許志伎命(古宝丸)……となる。(本編では表にします)

2012-06-17 22:21:55
HUNTER's LOG @hunterslog

で、ここから私見なのだが、あたしが思うにこのハーレム状態はやはり不自然だ。「三嶋」の名が到来した後、ここに多くの神が収斂していったのではないかと思う。何の神が収斂していったのかと言えば、それぞれの島の「父神」が、である。

2012-06-17 22:22:30
HUNTER's LOG @hunterslog

すなわち、伊豆諸島の各島、そこに住む人々は、それぞれの祖を「島の父神・母神」として祀っていたと思うのだ。このうち母神は下って先の三嶋大明神の后神となった。

2012-06-17 22:22:59
HUNTER's LOG @hunterslog

島々にそれぞれいた父神たちが三嶋大明神一柱に収斂し、その神格はそれぞれの后神の第一子の位置にスライドした。あたしは現状そう考えている。そして、このことをもっとも良く示しているのは他ならぬ三宅島の母子神関係である。

2012-06-17 22:23:36
HUNTER's LOG @hunterslog

以前も紹介したが、三宅島の后神:伊古奈比咩命は別名「天地分宮」といい、その第一子の名は「阿米都和気(あめつわけ)命」である。共に「天地を分けた神」の意だろう。

2012-06-17 22:24:02
HUNTER's LOG @hunterslog

もっと言えば、伊豆諸島の国焼きの造島神話は南洋に見る「世界ははじめ海しかなく、人が暮らせるように神が陸を浮上させた」という神話に連なると思われ、「天地分け」は本来「海地分け」、海と陸を分けた神の事だったのだろうとあたしは考えている。

2012-06-17 22:24:29
HUNTER's LOG @hunterslog

この神格が男女のペアだったとしたら、母子であるより夫婦神である方が自然だ。三宅島に古くから祀られた神は(神名はともかく)伊古奈比咩命(母神)と阿米都和気命(父神)の夫婦神であったと思う。

2012-06-17 22:25:38
HUNTER's LOG @hunterslog

今に伝わる話は下ってのものだろうね。でも、南豆にやたらめったら「イワ○○ヒメ」が祀られているのは独自神格と言うばかりではないかもしれない……とちょっと思う。RT @kawairako まぁあってもおかしくはないとは思いつつ。。 でもやっぱり大山積関連の後世の付会なんでしょうねぇ。

2012-06-17 22:28:03
HUNTER's LOG @hunterslog

同様の事は各島に言え、阿治古命や多祁美加々命ももとはその島の父神という神格だったのだろうと考えている。そして、このことは伊豆半島の側にこれらの神々が映しとして祀られた次第の中にもまま見える。

2012-06-17 22:35:46
HUNTER's LOG @hunterslog

妻良・子浦、手石、下田湾、河津、川奈、多賀のそれぞれには濃淡はあれど海より来る「夫婦神」が祀られた痕跡がある。それは三嶋大明神とその后神という話に多くはなるのだが、多分ここにはそれ以前の島々の夫婦神の来浜というイメージが混入している。

2012-06-17 22:36:06
HUNTER's LOG @hunterslog

伊豆の神々について語る際には、その背景にこのような「私見」があるのだということがまま言及されるだろう。そのそれぞれの「神社ノオト」から、この稿が参照されることになる。/この話・了

2012-06-17 22:39:18
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