ドスケベうさぎメスケモとすけべする小説 番外編その2 マザーラビノイド

ドスケベうさぎメスケモとすけべする小説 最後のお話
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ヨコシマくん @QUIZcat

メイドはへにゃりと地面に座り込んだ。 「これは没収です」 「はいぃ……」 マザーはピンクローターを懐にしまって会議へと向かった。 ーーーー

2022-09-26 23:49:27
ヨコシマくん @QUIZcat

「では、会議を始めます。地球の侵略状況は?」 「順調でございます、マザー!」 軍務担当、バージェス将軍が立ち上がり、声高らかに発言する。

2022-09-26 23:49:45
ヨコシマくん @QUIZcat

「わずか数年で、ラビノイドがたくさん生まれております! また、地球の軍事力の調査も完了しております。ディフレクターもレーザーキャノンも存在せず、原始的な鉄の塊や爆弾を飛ばす兵器しかありません。我がラビリア軍の足元にも及びませんな! 今すぐ軍事侵略したほうが早いのでは?」

2022-09-26 23:49:59
ヨコシマくん @QUIZcat

「相変わらず血の気が多いわね」 「自然豊かな星です。できれば、傷つけずに穏便に済ませて侵略した方が良いと思いますぞ」 窘められたバージェス将軍は、ふんっと鼻息を吐いて席に座った。腰抜け共め! と言わんばかりだ。 「ラビリアにおいての地球の評判は?」

2022-09-26 23:50:21
ヨコシマくん @QUIZcat

「そのう……非常に人気といいますか……一種のブームのようなものが……」 「……まあ、言いたいことは分かるわ」 惑星ラビリア本星において、現在地球文化が大流行しているのは、マザーの耳にも入っている。

2022-09-26 23:50:54
ヨコシマくん @QUIZcat

「うちの孫も、ヌプラチューン3? ……でしたかな? とやらにハマり込んでおりまして、早く地球と惑星間通信対戦できるようにしろ、とうるさくてですな……」 「お宅もですか。うちなんか地球のアニメを見るためにテレビにかじりついてしまって……」

2022-09-26 23:51:15
ヨコシマくん @QUIZcat

「うちのチビがヒーロー物の変身ベルトをねだってきて……」 口々に声が上がる。 「なんだなんだお前たち! 地球文化にかぶれよって! 情けない!」 バージェス将軍が鼻息荒く机を叩いた。 「その地球文化のアダルトグッズをメイドに仕込んで遊んでいたのはどこのどなたかしら?」

2022-09-26 23:51:37
ヨコシマくん @QUIZcat

マザーは懐からピンクローターを取り出した。 「何故それを!!」 「妾の目を誤魔化せると思った?」 バージェス将軍が狼狽える。最も、彼が私費で地球産のありとあらゆるアダルトグッズを買い込んでメイドとの性行為に使って楽しんでいるのはメイドの間で噂になっているので、今更の話だ。

2022-09-26 23:52:15
ヨコシマくん @QUIZcat

「実際に、地球に住んでいるラビノイド達からも、侵略反対の声が上がっております……」 「ラビリア本星も同様です……」 端的に言って、マザーは地球を舐めていた。 地球文化はラビリアの隅々まで浸透し、切っても切り離せない娯楽と化していた。

2022-09-26 23:52:34
ヨコシマくん @QUIZcat

かくいうマザーもBL文化にどハマリしているのだ。身に沁みて分かっている。 技術なら奪えばいい。 第九ラビリア、かつての惑星マオの翻訳機のように。 軍事力も奪えばいい。 戦争で打ち勝ち、手に入れた兵器達のように。

2022-09-26 23:52:52
ヨコシマくん @QUIZcat

文化は奪えない。 奪って真似したところで、劣化コピーにしかならない。 どんなに上質なBLを探しても、すぐにペニスをブチ込んで終わりのラビノイドにはここまで情緒的で感動的な物語は作れない。 ゲームに関しては、ここ30年で驚くべき発展を遂げている。

2022-09-26 23:53:12
ヨコシマくん @QUIZcat

コンスタントに生み出されるアニメやドラマ、映画達はラビノイドにいい刺激をもたらしてくれる。 それどころかラビノイドと言う新たな要素を手に入れてさらなる発展を遂げようとしている。表現規制の存在しないラビリアに呼べば、ラビノイド達が喜んで飛びつくアダルト作品が生まれる可能性すらある。

2022-09-26 23:53:29
ヨコシマくん @QUIZcat

変態的で多種多様なアダルトグッズなど、ラビノイドには逆立ちしたって思いつかない。ラビノイド達はセックスの新しい形に夢中だ。 もっと言うなら軍事的にも侵略する意味が薄い。他惑星を侵略するための中継基地にしようとも、そもそも地球は銀河辺境のど田舎なので近くに侵略すべき惑星もない。

2022-09-26 23:53:46
ヨコシマくん @QUIZcat

特別な資源も技術もないので奪うものがない。せいぜい田舎のリゾート地がいいとこだ。 さらに、とある貿易会社が中心となって行っている地球との貿易は大量の経済活動を生み出している。地球の文化は第二ラビリアから第九ラビリア各惑星においても大人気商品で輸出入で大量の金が動く。

2022-09-26 23:54:06
ヨコシマくん @QUIZcat

商会達は左団扇だ。地球人を滅ぼしたらそれもなくなるのだ。 さて、困った。地球を侵略するメリットがない。会議は沈黙した。 「……一つ決を取ろうじゃないの。地球を侵略すべきか否か」 「うむ……」 「地球を侵略し、地球人を滅ぼすべきだと思う者、挙手しなさい」

2022-09-26 23:54:38
ヨコシマくん @QUIZcat

誰も、手を挙げない。バージェス将軍だけが、手を上げかけて、周りの様子を見て、やめた。 「……しかし、人口増加は止められませんぞ! 本星で受け入れる人口も限度があります!」 「それに関しては私から提案が。よろしいですかな?」 「許す。申せ」

2022-09-26 23:54:58
ヨコシマくん @QUIZcat

「地球には、月に移住する計画というものがありまして、ラビノイドの技術を用いれば十年あれば衛生『月』に基地を作って移住が可能です。惑星火星にも同様のことが言えます」 「なるほど、溢れたら月にいけと言うことね」

2022-09-26 23:55:15
ヨコシマくん @QUIZcat

そういえば、地球には『月にうさぎが住んでいる』と言う神話があったな、とマザーは思い出した。まさにそのとおりになるのだ。

2022-09-26 23:55:32
ヨコシマくん @QUIZcat

「わかったわ。では、地球人を特別保護対象として慎重に人口を調節し、滅ぼさないようにすることにしましょう。地球文化は最重要文化財として徹底的に支援しなさい。地球侵略は中止です。オスラビノイドを送り込み、地球人と交配させて、地球人を増やしなさい」

2022-09-26 23:56:03
ヨコシマくん @QUIZcat

こうして、地球人が知らないうちに地球の平和は守られた。

2022-09-26 23:56:14