人類史における暴力・殺人の減少が、経済成長と比例せず、近代文学の登場と広がりに比例するという話は何回でもしておきたい
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nazology.net/archives/43660 人類史における暴力と殺人の減少が、経済成長と比例せず、近代文学の登場と広がりに比例するという話は何回でもしておきたい。今回の記事でおもしろいのは、ノンフィクションでは共感力が向上せず、物語でだけ向上するという不思議さ。
2021-07-20 19:19:38神話や英雄譚を脱した近代文学は、普通の人が出てきて内心の描写がされ「異民族・異教徒・異国人も、自分と同じ喜怒哀楽に内心を持つ、人間なんだな」と一種の生物的理解から、共感と想像力を拡大する効果があるらしい。それ以前は、共同体の外の存在は、人間型の非人間であるとしか思えなかった。
2021-07-21 02:14:39どこまでを仲間とする共感の輪が小さいと、差別心や敵対心、さらには暴力と殺人が起こる。ただ、通常人と喜怒哀楽や内心が大きく違う、快楽殺人犯や異常者などを法などの概念はともかく、共感の輪に入れてもらうことは、かなり難しいだろう。
2021-07-21 02:31:48別に何かの効能を求めて読書するわけではないのですが、「本を読むと何かいいことがありますか?」という問いには常に「本を読むと優しくなります」と答えてきました。科学的根拠があった……のか……? twitter.com/AsaiLabot2/sta…
2021-07-21 17:38:16英国の18世期の歴史関係を調べていたときにも、同様の分析を見ました。18世紀はまだ公開処刑など庶民の娯楽としてあった時代。そして大衆小説が生まれた時代。人は、事件新聞などでは得られなかった「同情」や「共感」を、物語を通じて知っていったというお話。 twitter.com/AsaiLabot2/sta…
2021-07-21 20:30:49共感力の乏しい人たち(炎上インフルエンサー、今の日本の政治家、経営者etc)は大体フィクション小説をバカにしてそうだもんなあ。日本的マッチョイズムの中ではフィクション小説や近代文学的な教養は「女々しい」みたいな言われ方もするし twitter.com/AsaiLabot2/sta…
2021-07-21 10:16:41ふと、ノンフィクションが共感力を育てないのは、書き手が誠実であればあるほど「人間が実際になにを思ったかは分からない。本人が内心を語っていても、それは内心を示すものではなく、こう語ったと留める」と徹底するからではないかと推測する。
2021-07-20 20:27:42人類の殺人と犯罪数の減少は、統計によると、ようやく産業革命によって上昇した生産効率とは比例せず、それに先立つ印刷技術の発明による近代文学の広がりと比例する。つまり本を読む人が増えると、共感能力が上昇して思考の視野が広がり、殺人と犯罪が減る、という説は何度でも言っておきたい。 pic.twitter.com/Uv1ZrqFsba
2020-05-21 04:47:54なお、近代文学以前の古代中世の神話や英雄譚はどうかというと、神々や王や英雄や聖者の物語は、人々の共感や思考の広がりにはあまり影響がなかった様子。農夫や商人や職人その他一般人、外国人に異性が登場し主人公となる近代文学以降の作品でしか、共感力や視野の広がり効果は起こらないらしい。
2020-05-21 05:09:21古代中世の大部分は、自分と、他人や他国民や異民族や異教徒が同じ人間とは思っていなかった。近代文学の普及で「あ、他人も他国陣も異民族も異教徒も喜怒哀楽は自分らと同じで、同じ人間なんだな」となっていったそうな。この考えが広まり、その後の人道主義や啓蒙主義が出てきた。
2020-05-21 05:20:36近代文学の読書は、一端自分を手放して立場や人種や性別すら違う主人公や登場人物の心情に同化するだけで、ただおもしろい。そこからでも共感や新しい視座を現実に持ち帰れる。一端自分(感情や信条)を手放すのが大事なんだけど、上手くできないという人のために評論という手助けもある。
2020-05-21 05:58:34物語やその評論を読んで「ああ、そういう作品の見方、現実へのつなげ方、現実の新しく良い解釈もあるのか」と考えが変わった経験がない人はほぼいないでしょう。変わらない人もたまにいますが、中世古代人の心のままでは近現代やそこからの作品を楽しめないので、わりともったいない。
2020-05-21 06:11:00補足2。古代中世の神話や英雄譚が人の心に影響を与えない理由も分析されていて、神や英雄は最初から最後まで、どんな苦難や悲劇に見舞われようと神や英雄のままで、心が変わらないからとされている。成長も変化もなく、また一般人の心に関係がなさすぎるらしい。現代でそういう創作物は少ない。
2020-05-21 21:15:52小説や物語を読む、または書くのが下手な人は、自分を手放せない人である。 まず本と主人公や登場人物に自分を預け、読み終わってから意見や感想が出てくるべきである。 自分を手放さないまま本を読む人は、結局、他人の心に関心がなく共感もなく、自分以外の何者かになることも、成長も成熟もない。
2021-02-27 11:52:58上手い以前の常識的な作者は、主人公の反対側に敵役を配置するが、どちらにも正義や論理を持たせる。下手をしたら敵役のほうが正しいのではないか、とすら設定する。答えは自分を手放し、主人公と敵役と両方になれた読者のなかで生まれる。
2021-02-27 11:59:53そして上手い作者は、弱者を配置する。物語上の哀れな犠牲者や強者を栄えさせるための弱者ではなく、小狡くて卑怯な、でもそうしないと生きられない、絶対に強くなれない弱者だ。 弱者は主人公や敵役の対立項などどうでもいい。それゆえ我々に近いし、痛みとともに彼らにならねば共感ができなくなる。
2021-02-27 12:06:48創作者にはその時期その時期にしか作れない作品があり、視聴者や読者はその時期その時期にしか刺さらない作品がある。「ああ、これは俺の僕の私のための物語だ」という作品と出会えたなら幸福である。 だけど永遠ではない。俺も僕も私も変わるのだ。だけど捨て去るわけではなく、出会いの記憶は残る。
2020-11-28 15:16:49作家。一般社団法人日本推理作家協会員&変格ミステリ作家クラブ会員。著書「されど罪人は竜と踊る」等。Discord上に公式ファンクラブがあります。★FF外は見えない設定です。支援:amazon.jp/hz/wishlist/ls…
gagagabunko.jp/release/index.… 十二月二十日発売「されど罪人は竜と踊る22 去りゆきし君との帝国」の書影が出ました。発売三ヶ月前に本文と書影ができていても、書影が出るのは発売月だと判明しました。よく考えなくても、それはそうですね。 pic.twitter.com/jauc0TyQh6
2022-12-01 11:33:21@AsaiLabot2 「されど罪人は竜と踊る」を読むメリット ✅化学、物理学、心理学、経済学、地政学などに興味が持てる ✅学生時代に読むと社会に出た時これ進研ゼミで見た!となる ✅物事を俯瞰的に見られるようになる ✅相互理解の難しさを理解できる ✅口が悪くなる ✅人間を嫌いになる ✅人間を許せるようになる
2022-12-19 04:14:21