遺物「実測」と三次元計測に関する議論からモノの見方のパラダイムシフトまで
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@fzk06736 @pmagshib そうですね。私は考古学における「実測図」というものが、人間の推論まで含めて作成される復元図面のようなものだということを知らなかったので、そういう質問になりました。その意味で今回、実測図のことを知れたことは良かったです。ありがとうございました。
2023-01-19 09:53:51@atsshachw @pmagshib ご理解いただきありがとうございます。なお、私はひとりの考古学研究者として自分なりの発言をしておりますが、私がすべての考古学研究者の代表ではありませんし、当然、私とは異なった認識の方もおられると思いますので、また別の方にも聞いていただけたら幸いです。
2023-01-19 10:04:20@fzk06736 @pmagshib ありがとうございます。なかなかまわりに考古学の方ってなかなかいませんね。 これは素朴な興味なのですが、「実測図」といいつつ「実測」でない部分を含む図面って、違和感ないのでしょうか? 「実測に基づく復元図」で実測図というニュアンス?
2023-01-19 10:08:57@atsshachw @pmagshib これはひとことで説明するのは難しいのですが、たとえば、ひとつの土器でも、完全な回転体ではなく、部分によって形が違います。製作者の手が滑ってそこだけカタチが変わってしまうこともありえます。そうした場合、「製作者の意図を最も反映している部分はどこか」と考えて、その部分を実測します。
2023-01-19 10:12:06哲学とは、科学が意に介さない―――というのも科学は存在と認識との関係を実測図とその投影図との関係と同じように考え、我々を取り巻いている存在、存在の位相とでも呼びうるものは忘却してしまうので―――現存在を思い起こさせる活動なのだ。『シーニュ』
2023-01-20 07:20:03とある上司ちゃん 4月くらい「三次元なんかやるともの見なくなるからダメ」 夏くらい「この遺構、大事そうだから三次元で記録しといて」 年明け「家の近所で記録したいものがあるから、三次元の取り方教えてくれない?」 上司が陥落してて笑う。やったぜ
2023-01-20 22:02:18遺物実測図見て頭抱えてるとこ 厳密に見たら手実測で辻褄なんか合うはずもないし、確認するのも面倒だから、早いとこ下図だけでも3Dモデルからの展開が当たり前な世の中にならないかなぁ…。辻褄の確認よりもっと他のことに集中力使うべきやろ…。
2023-01-21 11:32:26@nagasaiki そもそも、湾曲に合わせて割り付けた紋様とか調整に図としてどこまでの意味があるのかっていうね…切り合い関係はわかるけど図上で測っても大きさがわからない。
2023-01-21 11:46:13「公共の予算はこれからますます縮小し、ボランタリーに関わってきた地域社会も縮小する中で、今までと同じ方法での史跡の保護は限界に来ている」 日本遺跡学会大会「遺跡保護の多様なあり方を求めて」 iseki-g.cocolog-nifty.com/blog/2023/01/p… 2023年3月5日(日) 13~17時 オンライン #遺跡学会 #史跡
2023-01-21 17:54:01考古学での遺物実測図が3Dスキャンとは違うという話。「写真を撮ってもらうなら『自分の良さ』を最大限に汲み取った写真にしてほしいと思いますよね。遺物だって『自分の性質を的確に表した記録をとってくれ!』と思っているハズ。だから実測図はそれに応えるように描くべき」。説明になってるかな?
2023-01-22 13:14:12ちなみに現役担当者の皆さん向けの研修で質疑応答として上がってくるのは「紙ベースの報告書(=2D)に3Dデータを落とし込む追加の作業はどうにかならないのか」というあたりです。ご査収のほどよろしくお願いいたします🙇♂️ (ただのひとりごとです)
2023-01-22 15:23:29「3Dスキャン」って、ひとまとめにされる事が多いけれど、撮り手がどんな手法・機材・設定・技術で撮るかによって、得られるデータの質や内容はかなり異なるよな、と思っています。SfM−MVSだと特に。
2023-01-22 16:01:03自分が表現したい痕跡を記録するための工夫は、その都度欠かせないし、職人技的なところがあるので、ある意味「実測」と似た何かを感じるのは私だけでしょうか。
2023-01-22 16:03:21学史的にも、モースの『大森貝塚』以降すぐに実測図が定着したのではなく、俯瞰図から実測図・写真へと変化した訳ですし、その際、実測図と写真のどっちを主とするか議論もありました。実測図が主となったのは、コスト的な理由によるもの。
2023-01-22 16:12:55「実測図」には個々の実測者の解釈が反映されるので、客観的な報告には向かないのでは、と感じる事も多々あります。実測者の解釈が間違っていた場合でも、その情報が「事実」として共有されてしまうので。
2023-01-22 16:19:46いっぽう、三次元計測は、記録できるか/できないか、誤差が大きいか/小さいか、データの穴埋めをしたか/していないか、という違いはあっても、意図的に編集しなければ、「実測図」よりも実際に即した情報を共有できると考えています。
2023-01-22 16:24:03もちろん、観察者による解釈は非常に重要なので、従来の記録法である実測を否定する訳ではありませんが、こちらは「論考」に属する性格のものではないかな、と。
2023-01-22 16:28:25三次元計測データ→(比較的)客観的な情報 実測図→観察所見を明示した図 という訳で、どちらも有用な物なのですが、要するに「実測図」という名称が引っかかるのだと感じています。(終わり)
2023-01-22 17:11:04市町村で発掘調査の補助員もしてたが、実情では2Dから抜け出すのは無理なので、3Dとのギャップを埋める方法が求められてるってことだと思う。現状、手実測方法は市町村によってバラバラで、恐ろしくアナログで正確性に❔なところもあり、考え方も現場担当者によって大きく異なる。 twitter.com/fujimicho/stat…
2023-01-22 18:21:04その手実測方法を統一化できるのが3D計測なのではないか。 発掘調査員の意図をわかりやすく図化するのが、線図に起こす作業であり、3Dデータは後の世の人が見たときにも、違う解釈があれば違う線図を起こすことができる。そう思う。
2023-01-22 18:26:31現場での3D計測は、手実測で行うよりも時間短縮が可能で、現場の人間にとっては、それだけでも大きな意味があると思う。 現在ドローンなどを使った測量は高額だが、もし同じようなことをiPhone LiDARで行えたら、時間と費用のコスト削減ができて、「現場を持ち帰る」ことができるのでは。
2023-01-22 18:51:46@fzk06736 めちゃめちゃ同意です。3Dは正しい数値を出すかもしれないけど、正しい観察結果を示すとは限らない。もちろん、撮影側がその視点を加味した上でその状態がわかるような撮影ならいいかもですが、単にスキャンした方が簡単、正確というだけなら、実測する際の視点とはまた別物になる気がします。
2023-01-22 20:51:59@nagasaiki 自分の専門の遺物として見込み部の暗文をいくつも実測してきましたが、どこかで断面と帳尻あわせがでてきますね。3Dが暗文すべてを見切れるなら、見込み部は3Dもありかもです。 ただ、まだ実測派ですけど。
2023-01-22 20:54:24@shirowanko7 ありがとうございます。この、実測図と3Dスキャンの関係、何回かツイートしており、そのたびに両者は目的が違うんだと説いているのですが、どういうわけか、私を「手描実測絶対主義で最新技術を排除せんとする頑迷な守旧派」として攻撃してくる人が後を絶たないのです。同意していただき心強いです。
2023-01-22 21:26:12