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遺物「実測」と三次元計測に関する議論からモノの見方のパラダイムシフトまで
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south_alone
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石器の実測図では、やはり松沢亜生が提唱した、リングとフィッシャーを強調した手法が日本考古学の特色です。 これは打撃による衝撃波が、打点を頂点とした円錐形を呈するという物理学に基づき、石の割れ方を図として記録するという意図がはっきりしています。
2023-01-25 21:40:43![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
石器の実測図は石材が割れていくプロセスを表現したものといえます。そのため素材となる石材の形状をイメージし、そこから割られて石器の形になるまでのプロセスを脳内に描くことができる人が描いた石器の図面は情報量が多いのですが、石器の形だけを写しとった図面はほとんど情報量がありません。
2023-01-25 21:41:57![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
つまり私がいわんとしていることは、日本考古学で伝統的な手法と思われている実測図の手法は、それぞれの研究分野の目的に合わせて最適化されたものであり、遺物のありのままを記録したものではないということです。
2023-01-25 21:42:38![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
もし研究の視点が変化し、それに最適化された実測図が求められるようになったなら、実測図の手法もアップデートされるべきだと思います。
2023-01-25 21:42:55![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
@tomoishi1976 勿論そこを意識していますが、小林先生以外にも共有されていた考えかもということもあって断定は避けました(わからんw)。浅野清先生とか建築史研究が考古学の方法に与えた影響も含めて位置付けたいなと。
2023-01-25 21:45:12![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
@akaneda007 私も前職で建築の専門家の実測図の作図法に触れて、ああなるほど…と思いました。それはカンボジアの某遺跡のことなのですが、建築の人は復元を前提として描いているんだなぁ…と(*´∀`*;
2023-01-25 21:52:52![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
@fujimicho 確かに。これからの理想を語り,実行できるようにしましょう。若い人たちも大先輩や中先輩や小先輩や上司に遠慮することなく,これからの理想を自由に議論してください。(けっこう正気です)
2023-01-25 21:57:54![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
@fujimicho そしてこれは,考古学や文化財の研究や業務に直接関わる人だけでなく,いろんな分野や立場の興味をもつ人たちも議論していただければ。 関係者はけっこう発想が限られたり,うとかったりするので。
2023-01-25 22:06:41![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
ウチ(直接指導は受けてないけど)の先生は「(遺物の)実測図は設計図や」と言ってました。おんなじモン作るための指示書のようなもんだと。今にして思えば、実験考古学だと研究の一工程に位置付けられるな、と。 twitter.com/akaneda007/sta…
2023-01-25 22:11:03![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
1970年代から80年代、「集成の時代」の実測は土器製作者の欲しかったラインを考えて復元する、という考えがあったと思う。集成の多くが左右対称であるのは、そしてそれが時々混乱を起こしている。
2023-01-25 08:00:42![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
@fujimicho @satorunakazono これからが大事。実際に色んな取り組みが各地で進んでいるので、皆が現場で実践してトライしていけば、分野がバージョンアップしていくはず!
2023-01-25 22:12:42![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
三次元データと実測図については今更だけど、三次元データあったら従来より無理なく簡便に実測図作れるけど逆はムリ。三次元データ中心になっていくと思うけど今までの資料のデータ化がある程度進まないとかな。達成したら移行するんじゃね?っていうことで。その前にボクセルになってるかもですが。
2023-01-25 23:00:29![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
もっとも、あの時点(30年以上前)でも、実測図の描き方考え方はいろいろ複線的になっていたのですが、各流派の「お作法」として「何でもええから、そないして描きなさい」とだけ言われて育ってきた(とにかくよく観察しなさい、気づきなさいの言い換えだとも思ってますが)。
2023-01-25 23:19:27![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
初めての実測図は堀之内式土器だったか。その後関東地域の古代の土師器や須恵器、なじられながら何度も描き直し・・・結局、報告書の紙面に載せるという目的のために(仕事として)パターン化することを覚えた。今もその延長にあります。
2023-01-25 23:30:13![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
極端な場合「(とりあえず須恵器、口縁部というだけしかわからんが)こんなもんもありますよー皆さん」を示すためだけに作図することも。遺跡の報告書作る時って、「遺跡が遺物が忘れられたり気づかれないままになったりするかもしれない」危惧への(最後とは言わないぜ)挑戦だから。
2023-01-25 23:38:36![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
定期的に盛り上がる実測図の問題が毎回面白い。私は少し囓った程度だけれども、自分の調査効率が抜群に上がったので満足しているけれども、今後解像度が10倍100倍と上がっていき、表現力も増し、インターフェイスも改良されていったときに実測図を押す人達がどう語るのか興味津々。
2023-01-25 23:42:43![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
その時、実測図は、ものを観察するトレーニングや非常時の記録手段以上の利点が主張できるのか。10倍100倍に拡大して自在に観察し、計測できるときに肉眼での観察の優位性を説明できるのか。もちろん、実物を観察する意義は失われないとは思うけれども、観察所見の提示だけなら優位性の主張は難しい。
2023-01-25 23:50:05![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
1日に土器を、石器を何個実測できるのか、調査後に見返して再度観察できるのか、ひとりで資料を見に行って、観察、記録、している人間からすると3Dってのは夢のような記録手段。
2023-01-25 23:53:18![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
@S_muramoto ここのところの話でもよくするのですが、まず観察は作業とセットではないし、基本頭と目中心にするものだし、それをしたところでちゃんと対象に対して考えなかったらただの誤った認識の固定になるだけですね。また、人間の目というセンサーの特性や限界も最近話するところです。
2023-01-26 00:14:22![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
@akaneda007 同意です。10年前なら人間の目って優秀だし、何なら心の目で見えるしとか言っていたのかもしれませんが、老化で目が見えなくなってきたこともあり、収蔵施設が開いてる時間にどこまでできるかが重要になったこともあり、自然に移行しつつあります。
2023-01-26 00:28:59![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
@odawisdom ありがとうございます。他国の状況ですが、少なくともヨーロッパやアメリカの考古学では最初から実測図を重視しない傾向にあると思います(そもそも型式学を重視していないので、その資料としての実測図も重視していないのかと思います)。
2023-01-26 11:00:25![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
@odawisdom ありがとうございます。他国の状況ですが、少なくともヨーロッパやアメリカの考古学では最初から実測図を重視しない傾向にあると思います(そもそも型式学を重視していないので、その資料としての実測図も重視していないのかと思います)。
2023-01-26 11:00:25![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
実測図をめぐる議論は、「実測図」という「成果物」に関する意見と「実測する」という「行為過程」に関する意見に分かれているような気がする。つまり、「成果」だけを考慮するのか、「過程」を含めた「成果」を考慮するのかであり、その考慮範囲の広さが異なる。
2023-01-26 14:36:11![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
実測図をめぐる議論は、「実測図」という「成果物」に関する意見と「実測する」という「行為過程」に関する意見に分かれているような気がする。つまり、「成果」だけを考慮するのか、「過程」を含めた「成果」を考慮するのかであり、その考慮範囲の広さが異なる。
2023-01-26 14:36:11![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
ただリングとフィッシャー見えるのと見えないのがあるからよく「心の目で見るんだ」なんて言われた。それがキャッチ出来てマイクロコアでも拡大すればわかるならかなり研究は進むと思う。あんな細かいやつにかけるわけがない。観察すると見えたけど汚くなるから書くなって言われたなぁ。 twitter.com/tomoishi1976/s…
2023-01-26 18:17:20![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
遺構単体でスキャンするときは4点くらい周囲にポイントを落としておいて、ポイントも写し込んで、光波でxyzをとるなり、空測時に対標を置くなり、手実測でも図面にポイントの位置とレベルを落としておくと、位置合わせが容易だと思うんだ。
2023-01-26 18:44:06