戦間期の戦車と「対対戦車砲装備」としての機関銃?

戦間期の戦車には機関銃をやたらに沢山装備したものがありますが、それを対人目的だけの装備ではなく「対戦車砲への対抗手段」としても考えてみるとどうだろう? というおはなし
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えすだぶ@C101二日目東3ア50b @FHSWman

さらに大戦後半には砲員全員を優にカバーできる巨大サイズで5~6mm厚の防盾を大傾斜で2枚重ねといった風に「対戦車砲の重装甲化」は極まったことになります。まあこのクラスになると砲そのものが元々大きく重すぎるので、防盾による重量増加の問題は有耶無耶になってきたのかも知れません pic.twitter.com/2UEZyg3l4F

2023-02-18 20:31:21
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えすだぶ@C101二日目東3ア50b @FHSWman

このへんの重対戦車砲の防盾は小銃徹甲弾では最早0mでも抜けないでしょうし、そもそも主用交戦距離が伸びてきているので、戦車が車載機関銃の有効射程に入ること自体が難しくなります。こうして「対対戦車砲装備としての車載機関銃」といったことは次第に期待できなくなっていったのかも知れません

2023-02-18 20:35:59
えすだぶ@C101二日目東3ア50b @FHSWman

まあその一方で対戦車砲は大きく重くなり過ぎたことで衰退していき、特に西側ではより軽くて防盾を持たない無反動砲に、そして対戦車ミサイルに席を譲るわけですが。これらは基本的に無防備なので機関銃多数の射撃を集中射撃など必要なく、車載機関銃を増やす必要もない pic.twitter.com/cqi5MOXVkl

2023-02-18 20:42:43
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いっぽう東側では牽引対戦車砲は主力の座を降りつつも絶滅はせずに生き残ります。現用の125mm滑腔対戦車砲でもきっちり防盾が付いてますね。たいへん不覚ながら厚さは測ってこなかったのですが、少なくともペラペラのカバーとかではなく一定の厚みを持った装甲板です pic.twitter.com/0zeNcryrTl

2023-02-18 20:54:23
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えすだぶ@C101二日目東3ア50b @FHSWman

まあこのへんは対戦車砲というよりも実際には軽砲として使われることが多いとかで、かつての対戦車砲のように防盾が活きるようなギリギリの状況というのはあんまりなさそうですが。まあ防盾は自身の発砲爆風から砲員を守るとか、至近弾破片から守るということもあるので、無意味でもなかろうもんです

2023-02-18 21:01:21
えすだぶ@C101二日目東3ア50b @FHSWman

しかし機関銃を対対戦車砲装備として数えても、I号戦車F型とかAT3とかはやっぱり多少不可解ですわよね。野戦で対戦車砲を相手取るならまったくピッタリな装備でしょうが、しかし要塞攻撃兵器としてマジノ線やジークフリート線の要塞化された対戦車砲にぶつけるにはやっぱり噛み合わない感 pic.twitter.com/BX8c4h5jXX

2023-02-18 21:52:00
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えすだぶ@C101二日目東3ア50b @FHSWman

いやまあATシリーズで武装が機関銃のみなのはAT3辺りくらいのもので例外的ですし、多分実際そう決め手に欠く感があったからこそ後の計画では火炎放射器やら6ポンド自動砲やらと要塞そのものを攻撃できる装備を持たせようとしたのでしょうけども pic.twitter.com/Njswp2DZsT

2023-02-18 21:57:35
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えすだぶ@C101二日目東3ア50b @FHSWman

一方I号戦車F型は……別口で作ってたトーチカ駆逐車と組み合わせて使えばいい感じな気はしますが、実際そういう組み合わせでの要塞攻撃をやる意図はあったのかどうか? 開発時期は似たようなもんですが、はてさて pic.twitter.com/eJdP6Ey2Zo

2023-02-18 22:03:36
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対対戦車砲装備としての機関銃、として見るとIII号戦車初期の武装にも納得感がありますわね。こいつの3.7cm砲にはもともと榴弾は用意されていなかったので(40年2月に採用)、対戦車砲と戦うには機関銃を使うしかない。でも3挺の機関銃の集中射撃は半端な小口径榴弾よりむしろ効果的かも知れない pic.twitter.com/kyYw2Ohq5T

2023-02-18 22:22:14
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えすだぶ@C101二日目東3ア50b @FHSWman

米T1重戦車は50口径の連装とかいう車体機関銃にあるまじき重装備で一体なにがしたいんや……感がするかもですが、これも対対戦車砲のための装備として見ると納得しやすいもの。当時50口径は対戦車装備としては既に陳腐化してましたが、対戦車砲の防盾を抜くにはとても好都合な装備です pic.twitter.com/NeNvGotEkI

2023-02-18 23:17:29
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えすだぶ@C101二日目東3ア50b @FHSWman

米軍戦車の車体機関銃はたいてい照準器がなくて、視察装置越しに曳光弾を見ながらバラ撒くような撃ち方しかできないのが普通でした。しかし例外的にT1重戦車の車体50口径連装は照準器がついてるのです(3本の棒のうち真ん中のもの)。こいつはちゃんと当てていくつもりがある装備なんですね pic.twitter.com/ab1iY5rXF0

2023-02-18 23:21:10
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えすだぶ@C101二日目東3ア50b @FHSWman

代用対戦車砲としての活躍が知られる8.8cm高射砲には巨大な防盾がついてますが、これは前面が厚さ10mm、左右端が6mm厚とな!(防盾だけで重量474kg!) 小銃徹甲弾ではごく近距離でも抜けるかどうかですし、さらに有効射程の差を考えると、戦車がこいつと戦う場合は機関銃には頼れないわけですね pic.twitter.com/qe5SGaO498

2023-02-19 01:23:36
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えすだぶ@C101二日目東3ア50b @FHSWman

さらにドイツは対仏戦では要塞潰しのために平射専用に改造したBunkerflakってのも用意してました。これの防盾厚は不明らしいものの、元の10mm防盾よりもう少し厚いらしく。それはもう牽引火砲じゃなくて軽戦車の装甲厚なんよ…… pic.twitter.com/BmtIS4seFE

2023-02-19 01:31:25
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えすだぶ@C101二日目東3ア50b @FHSWman

Bunkerflakは牽引車の方の装甲厚は14.5mm装甲らしいので、砲側もそれに揃えるというのがあありそうなところ。この厚さは至近距離からの7.92mm小銃徹甲弾完全防御の設定にあたり、最初期のIII号、IV号戦車の設定と同じです。中戦車に片足つっこんでいる pic.twitter.com/DCnMxfFlhO

2023-02-19 01:41:00
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お兄軍曹 @onigunsou3

帝国日本陸軍機甲本部編纂の機関紙「機甲」に紹介された当時ドイツの「独軍戦車戦闘の参考」(対戦車砲に対する要領を抜粋) pic.twitter.com/QSqxqWdVM7 twitter.com/FHSWman/status…

2023-02-19 09:32:54
えすだぶ@C101二日目東3ア50b @FHSWman

戦間期の戦車には機関銃を沢山詰んだり、さらには機関銃のみを連想で装備していたりする戦車がしばしばありますが、これは対人馬のみならず、実は対戦車砲との闘いを考える上でも意味があったんじゃないかしらという気もしています pic.twitter.com/DAaZC8jeMv

2023-02-18 17:42:36
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えすだぶ@C101二日目東3ア50b @FHSWman

当時のドイツの考えとして250mでは機関銃で防盾を抜ける、というのがあるとな。実際7.92mm徹甲弾の貫通力はこんなもので(ただし空軍用強装弾の図なので陸より僅かに高め)。これでPak35/36クラスの防盾を十分に抜くなら250mあたりから、というのは確かにそれっぽい twitter.com/onigunsou3/sta… pic.twitter.com/bM4II18B2o

2023-02-19 13:15:06
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えすだぶ@C101二日目東3ア50b @FHSWman

こうしてみると戦車砲クラスに比べて装甲の傾斜の効果がより効いてきやすい感もあります。2ポンド対戦車砲の8mm防盾も、傾斜がごく浅いことを考えると最終的な防御力はpak35/36と似たようなものか、むしろ若干劣るか程度になるかも?

2023-02-19 13:19:03
えすだぶ@C101二日目東3ア50b @FHSWman

逆に野砲の3~5mm厚で傾斜の小さい防盾というのは、小銃徹甲弾相手だと600mよりもっと遠くても抜かれてしまうっぽいですね。やっぱり野砲は対戦車戦闘「も」出来る道具ではあるけれど、それ専用に作られている対戦車砲に比べると当然ながら不向きではある感

2023-02-19 13:31:31
えすだぶ@C101二日目東3ア50b @FHSWman

っと。600mという数字を繰り返し出してますが、これははあくまで大戦期ソ連戦車の教範で採用されている距離でしかないのでご留意を。これを境に何かが絶対的に変化するというものではなく、「まあその辺り以内なら弾薬消費と効果が割に合うんじゃないの」という一つの見方が存在したという話です

2023-02-19 13:38:23
えすだぶ@C101二日目東3ア50b @FHSWman

っと、でも改めて見てみると600m以内ってのはあくまで「対戦車砲」となってますわね。もっとざっくりした「砲列あるいは単独の砲」に対してなら、1000m以内でも砲の装填の合間に機関銃でも撃つべしとなっていますわね

2023-02-19 13:42:32
えすだぶ@C101二日目東3ア50b @FHSWman

理由は明記されてませんが、これを「対戦車砲以外の防盾は薄くて抜きやすいから」……というのはちょっと小さな話すぎる気はする。まあ当たるか抜けるかは別としても心理的優位を得やすくなるでしょうし、敵に自由に仕事させてやるこたあないので、とにかく全火力を向けてやれという事なのでしょう

2023-02-19 13:51:05
えすだぶ@C101二日目東3ア50b @FHSWman

長砲身76mmとか85mm砲とかなら弾道が平たくて機関銃と非常に近いので「装填の合間に同軸でも撃て」は問題なく出来るでしょう。いっぽう45mm砲の榴弾は超低初速で弾道が全然違うので、砲撃と銃撃の都度それぞれ別に照準する必要があることになってしまう。現実的には実行不可能なんじゃねえかしら……?

2023-02-19 14:05:06
えすだぶ@C101二日目東3ア50b @FHSWman

あるいは、だからこそ45mm砲戦車では同軸機関銃が純粋な同軸固定ではなくて、主砲の揺架の上にボールマウントで載せてあって必要に応じて機関銃だけ独立で振り向けられる構造なのかも……。と思ったけどその使い方をすると装填手の人手が食われて主砲がお留守になってしまう。イマイチ噛み合わないすね pic.twitter.com/Pb4D0M6P9l

2023-02-19 14:06:58
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えすだぶ@C101二日目東3ア50b @FHSWman

や、大戦期ソ連の教範でも時期によって多少マチマチかしら。「機関銃は600mから」って距離はよく出てくる(弾道によって決まる直接射撃距離なので固定した数字です)んですが、それで撃つべき目標に火砲・対戦車砲が含まれるかどうかはブレがある感じ twitter.com/FHSWman/status…

2023-02-19 16:43:53
えすだぶ@C101二日目東3ア50b @FHSWman

ただ一般的な使用武装選択基準では機関銃の目標に対戦車砲が含まれていないケースでも、それとは別に「近距離の対戦車砲に対しては自身の全火力を浴びせること」といったことが別に書かれていたりもする。全火力というのは当然機関銃も含むので、まあ状況によりけりという感じなのでしょうね

2023-02-19 17:01:26
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