戦間期の戦車と「対対戦車砲装備」としての機関銃?

戦間期の戦車には機関銃をやたらに沢山装備したものがありますが、それを対人目的だけの装備ではなく「対戦車砲への対抗手段」としても考えてみるとどうだろう? というおはなし
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えすだぶ@C101二日目東3ア50b @FHSWman

精度が良いけれどなかなか撃てない車体銃というのは、物理的にも心理的にも存在感が薄くなります。いっぽう米軍戦車の適当に撃ち始めやすい車体銃は発砲機会が多くなるので、(精度の悪さから物理的効果は小さいとしても)心理的効果は発揮されやすくなる筈。これは悪くない選択肢かもで

2023-02-23 18:17:45
えすだぶ@C101二日目東3ア50b @FHSWman

米軍戦車の車体機関銃に照準器がない、というのは彼らがそれを単に用意できなかったとかではなくて、照準器つきの車体銃も試したうえであえて照準器なしを選んでいるんですよね。車体銃は照準の正確さよりも射撃機会を重視すべし、と意図して選んでいる感がある pic.twitter.com/6WWdbKgqLc

2023-02-23 18:26:54
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えすだぶ@C101二日目東3ア50b @FHSWman

そんな心理的側面に割り切った感じの車体機関銃の装備というのは米軍特有のもの……だったのだけど、大戦後半にはソ連戦車も車体固定銃を採り入れるようになります。これは無線手/車体銃手を廃止したのが直接の理由でしょうけども、そこで銃自体の廃止ではなく固定銃として残すことにしたのは興味深い pic.twitter.com/nrycsxFrnZ

2023-02-23 18:36:13
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えすだぶ@C101二日目東3ア50b @FHSWman

ソ連は供与米軍戦車から車体固定機関銃というアイデアに触れたようなんですが、当初その配置の評価は低いものでした。でもこれはソ連戦車の車体銃のように狙って当てる為の武装として評価してのことなんですよね。恐らく後で評価が覆されて、そしてソ連戦車にまで採り入れる事になっている pic.twitter.com/5i0KWcDzGY

2023-02-23 18:43:12
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えすだぶ@C101二日目東3ア50b @FHSWman

対照的なのが英軍で、狙って当てられる車体機関銃をずっと志向していたようです。センチュリオン後継たるA45戦車では当初は車体ボールマウントを復活させる予定でしたし、その後も車体ペリスコープとリンクしたフェンダー上リモコン旋回銃という珍しい形態を考案するほどまで車体銃に凝っていました pic.twitter.com/1aTlCQ4jCy

2023-02-23 18:56:24
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えすだぶ@C101二日目東3ア50b @FHSWman

英軍は戦中戦車でも車体機関銃の照準器にはかなり凝っているというか、基本的には主砲用照準眼鏡とほぼ同型(少し低倍率のもの)を備えていました。とすると機関銃の心理的効果を重視していそうな米軍戦車とは対照的に、英軍戦車は物理的効果を重点していそうだよなあ、とも思えるのです pic.twitter.com/LosB4H9dgX

2023-02-23 19:10:59
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えすだぶ@C101二日目東3ア50b @FHSWman

でもまあ武器に実際的な殺傷効果を期待するというのはまあスタンダードな考えでしょうから、まあ英軍のそれは別に変ったものではありません。いっぽう米軍でも1930年代初頭までは照準器のない機関銃というのは試していないので、その辺りまでに何か心理的側面重視のアイデアが生えてきてそうです

2023-02-23 19:30:14
えすだぶ@C101二日目東3ア50b @FHSWman

とまあ、英軍では大戦終わり~終戦直後あたりでもまだ戦車の機関銃に対戦車砲潰しの役割を期待するところがあった様子で。対戦車砲の防盾装甲強化に対して、車載機関銃も大口径化によって対応しようという流れが(採用には至らなかったものの)存在していたと言えるのかしらねえ

2023-02-23 20:21:46
えすだぶ@C101二日目東3ア50b @FHSWman

とは言え先に見たようにM2中戦車のスポンソン機関銃はちゃんと当てていくつもりがある造りです。まあ物理的にどういう造りなのかだけを見て「これはこういう考えなのだろう」と類推しようとすること自体にたぶん無理があります。理論のほうを掘っていくべきなのでしょう

2023-02-23 19:38:48
えすだぶ@C101二日目東3ア50b @FHSWman

そういや(話がだいぶ逸れていましたが)対対戦車砲装備としての機関銃といえば、センチュリオンで少数が装備された20mmポルステン機関砲は実際にその用途の意図があったようです。ちょっとした装甲貫通力の徹甲弾と榴弾との連射できるので対戦車砲を潰すのには正にピッタリなのだと pic.twitter.com/7ZCqVrhj8K

2023-02-23 20:03:12
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えすだぶ@C101二日目東3ア50b @FHSWman

ただしポルステン20mm機関砲は元となったエリコンと同様にAPIブローバック作動方式。この方式の機関砲は反動が小さい利点がある一方で、基本的には弾薬の力をバネで抑え込むので、非常に強力なバネをコッキングする必要があります。艦載エリコンではわざわざ滑車等を使った機構が用意された程でした pic.twitter.com/0js70m2qjZ

2023-02-23 20:10:19
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えすだぶ@C101二日目東3ア50b @FHSWman

しかしセンチュリオンの車内に搭載されたポルステンには艦載版のようなコッキング補助のための工夫を仕込むのは難しい。そのためか操作力量は「大多数の人間の能力を超えている」と評される程になってしまいます。センチュリオンがポルステン搭載を諦めた理由の一つはこれではないかという説もあるとか

2023-02-23 20:12:38
えすだぶ@C101二日目東3ア50b @FHSWman

センチュリオンやその次期戦車の構想あたりではポルステン以外にも、他に50口径やら15mm BESA機関砲を積むことも検討されていたようです。こいつらは榴弾こそないないものの、やはり軽めの装甲貫通力を持っているので対戦車砲潰しには悪くないわけです

2023-02-23 20:17:14
えすだぶ@C101二日目東3ア50b @FHSWman

とまあ、英軍では大戦終わり~終戦直後あたりでもまだ戦車の機関銃に対戦車砲潰しの役割を期待するところがあった様子で。対戦車砲の防盾装甲強化に対して、車載機関銃も大口径化によって対応しようという流れが(採用には至らなかったものの)存在していたと言えるのかしらねえ

2023-02-23 20:21:46
えすだぶ@C101二日目東3ア50b @FHSWman

米ソにしてもT29の50口径2連装同軸とかIS-4の12.7mm同軸とか、似たような傾向はありますが。このへんは主砲の大口径化に伴う搭載弾数減少傾向に対して、主砲弾の節約のための「副砲」としての同軸への対軽装甲能力付与といった性質が強いですが、その軽装甲の相手の中には対戦車砲も含むのだろうなとか pic.twitter.com/Q2MR5yZOvy

2023-02-23 20:37:32
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