戦間期の戦車と「対対戦車砲装備」としての機関銃?

戦間期の戦車には機関銃をやたらに沢山装備したものがありますが、それを対人目的だけの装備ではなく「対戦車砲への対抗手段」としても考えてみるとどうだろう? というおはなし
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えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

ええ、これも「何かしらの『考え』を思いついた直後は全てをそれに当てはめて考えてしまう」ってやつだとは思いますが

2023-02-21 19:03:35
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

まあ一連のおはなしはあくまで「こういう考えでも説明できるかも?」というものであって、「実際こうだった」というものでは到底ありません。同時代の範囲内でさえ、個々の戦車のデザインにはそれぞれの理由がありましょうし、それを共通した一つの説明で片付けようというのは無理があるものです

2023-02-21 19:07:50
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

戦間期の戦車にとって野砲や対戦車砲に耐える重装甲は宿願でした。でもそんな重装甲の戦車はなかなか実現できず、現実的には「遠距離でなら耐える」くらいのものが精々。ならば「遠いうちは装甲で耐え、近付いたら機関銃で先に殺す」というのは? なかなか悪くない考えにも思えるのです

2023-02-21 19:16:43
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

少なくともT-28については当初の要求仕様とか同時期のソ連の戦車研究からして、実際それに近い事が考えられていそうだなあ、とは見受けられるのです。いっぽうで戦間期の全ての戦車が前方機関銃火力の強化を目指してたという訳でも当然ないし、やはり当てはまらないもののほうが多分多いでしょう

2023-02-21 19:19:42
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

ところで「塹壕の成長」って興味深いものがありますわね。歩兵が配置について大凡1時間で1枚目の状態になり、2枚目は4時間、8~10時間、1日の状態。そして2日後とそれ以降の成長。実際やる側は命がけとは言え、俯瞰して見る分にはアリの巣作り観察のようなところがある pic.twitter.com/OfsO8o7VfJ

2023-02-21 19:56:17
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えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

そういや1939年にはDTM-4なるDT車載機関銃の4連装版なんてものが試作されてましたわね。弾倉容量が減って、恐らく瞬発火力が上がる代わりに持続発射能力はひどく悪くなって一体何がしたいんじゃというよくわからん代物でしたが、これも普通の対人よりも対火砲重点であれば説明が付くかも? pic.twitter.com/XYPVBpXb0U

2023-02-21 21:21:11
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えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

多連装の機関銃でも専任の装填手がいない場合、装填時間も増すので単位時間あたりの弾数は結局変わらない気がしてしまう(1挺の装填時間が仮に5秒なら、5xN秒になるだけ)。でも実際には装填時間がN倍になっても(同時射撃なら)射撃に要する時間は据え置きなので、時間あたりの射弾は少し増える

2023-02-21 21:30:34
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

「狙って撃つ」という作業には意外に時間がかかるというか、撃てるタイミングは案外限られるというか。戦車が揺れ動く行進間射撃では特にそうでしょう。連装機関銃はその限られた射撃機会に多数の弾を吐き出せるので、例え装填時間が倍になるとしても単装よりちょっと有利になりそうなのです

2023-02-21 21:36:33
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

実際、I号戦車なんかは開発段階ではMG34の連装なんて武装案もあったりしました。I号戦車の武装はMG13の弾倉容量の少なさを補うための連装配置というイメージがもしかするとあるかもですが、どうもそういうわけではなく、射撃時間あたりの弾数を増すことが意図されているように思えるのです

2023-02-21 21:42:52
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

でもやっぱり対人用途ではそこまで発射速度を重点する必要性は薄い。強力な携行対戦車装備など無い時代、戦車がそこまで切迫して歩兵を打ち倒す必要はそうそう無かろうもんです。普通に歩兵を打ち倒すなら1挺でも十分ですし、機関銃とは意外に高価なものですから、そうそう数を増したいものではない

2023-02-21 21:48:16
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

1挺でも十分な筈の高価な機関銃をわざわざ沢山積む、しかも死角を補う配置ではなく連装で積んでしまうというのは、よほど切迫した理由で時間あたりの弾量を増やしたい事情があると思えるわけです。そして戦車がそこまでやる必要がある重大な脅威といえば? 対戦車砲しかあるまいのではなかろうかと

2023-02-21 21:52:53
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

ああ、航空機は考えなくてよいです。航空機は確かに戦車に対する重大な脅威になってくる存在でしたが、当時の考えでは航空機の対戦車攻撃が実際どこまでの脅威になるかは不透明でした。そもそもあの手の銃塔はだいたい平射しか出来ない造りで、対空用途は考えられていません

2023-02-21 21:55:32
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

とかなんとか分かったような事を言いましたが、あくまで憶測です。「実際○○戦車はこういう意図のもとに機関銃を連装配置にした」という話を私は見つけられていないので、本当のところなんもわからんのです

2023-02-21 22:00:22
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

ひょっとすると、「ただ歩兵を撃つ分には機関銃は1挺で十分」という前提が実は怪しかったりするかも知れません。そうなるとこのおはなしは全部寝言ということになります

2023-02-21 22:02:33
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

ShKASの車載機関銃化計画でも「発射速度増大で火力強化!」からの「いや速すぎ弾薬消費が多すぎる」とか、ちょっと一貫性が無いんですよねえ。実際何をしたという話はあっても、そもそも何がしたくてそうしたのかがよくわからない

2023-02-21 22:26:42
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

戦車が攻撃する時は迂回して即背面攻撃をかけるのが望ましい……実際できたら勿論そのほうが良いのですが、常にできるとは限らんのですね(相手は当然そうされないように陣地を作ろうとするので)。まず正面に穴を開けねば話にならない事もあり、だからこそ突破戦車なんてものが欲されたわけなのです pic.twitter.com/wXREglJ1DO

2023-02-22 13:56:08
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えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

ことに第一次世界大戦の長く連なった塹壕戦の記憶も新しい戦間期においては、「迂回」というのはそうそう軽率に言えるものではありますまい。次の戦争もある程度似たような物になるだろうという予測の中では、正面から突破するための戦車は当然想定する必要があるのです

2023-02-22 14:03:31
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

快速戦車! 爆撃機! 空挺部隊! となんだか「新しい兵器による新しい戦術」が華やかに見える1930年代のソ連でも、その一方でなんだか古臭く見える突破戦車の類は決して疎かにされていないのは、多分そういうわけなのでしょう

2023-02-22 14:18:31
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

ふと、M2中戦車のスポンソン機関銃には照準孔が付いてますわね。実際中身も望遠鏡照準器が付いてて、ちゃんと狙って当てていくつもりの武装である様子。照準器なしで曳光弾を見ながら撃つスタイルになる戦中アメリカ戦車の車体銃とはちょっと毛色が違うのであるなあ pic.twitter.com/vwaF4bdmES

2023-02-22 19:27:22
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お兄軍曹 @onigunsou3

戦車の運用方法の変化ですね。 菱型戦車の機関銃は塹壕超越時の歩兵を掃討のため側面火力重視であり塹壕のジグザグによる撃ち漏らしは多数戦車の投入する。戦期間戦車は機動を生かした測背への迂回急襲を基本とし、敵砲兵陣列や兵站段列への攻撃による衝撃力の発揮するため正面火力重視 twitter.com/FHSWman/status…

2023-02-23 09:24:26
えすだぶ@C101二日目東3ア50b @FHSWman

戦間期の始まりと終わり、あるいは大戦の終わりと始まりの「機関銃を沢山積んだ戦車」。こう見ると単に武装配置が洗練されたという以上に、側面火力を重視しているか正面火力を重視しているかという違いがあるような気もします。前者は真正面には機関銃2挺しか向きませんが、後者は5挺+37mm砲が向く pic.twitter.com/ERJhXE38tn

2023-02-21 16:59:43
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

「ただ歩兵を撃つ分には機関銃は1挺で十分」とは言えたものでもない(と考えられていた)のかしらねえ。築城で身を守っていない後方の段列やらは物理的には脆弱そうなイメージがありますけども、それでもなお機関銃の数を増したがるというのは。あるいは実際の殺傷力だけでなく心理的側面かしらん

2023-02-23 17:46:05
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

砲兵射撃での火力集中は実際の破壊力に加えて心理的な効果、混乱とか士気の喪失とかいった事が期待できるとかいいますが。機関銃の火力集中でも、(より小規模で狭い形ではあろうけども)似たような効果があったりしそうです

2023-02-23 17:48:21
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

ことに大戦期米軍戦車で好まれた車体前方固定の機関銃は、まともな照準手段がないので、実際の殺傷力として期待できるものではありません。ほぼほぼ心理的装備でしかないけれど、つまりそういう効果をあえて求めているところがありそうなんですよね pic.twitter.com/yXDBUq8zqW

2023-02-23 17:57:49
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えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

また米軍戦車の車体前方旋回銃は照準器が使えなくて視察装置から曳光弾を見ながら撃つしかないという件。これは一見欠点のようですが、いっぽうで視察装置の広い視野で目標を見つけて撃てるので、「撃ち始めることが簡単」というメリットもあるんですよね pic.twitter.com/1r8S56o9Sl

2023-02-23 18:06:57
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えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

というのも他国戦車のちゃんと照準器がついてる車体旋回銃は、狙える状況ではある程度正確な照準が可能な一方で、照準孔からの視野が狭すぎて「そもそも敵が見えなくて撃てない」ということが少なくなかったんですよね。その点、米軍戦車の車体銃は撃ち始めることはしやすい pic.twitter.com/UouYHNcViT

2023-02-23 18:13:27
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