1999年発売された伝説の眼鏡っ娘エロゲー『終末の過ごした方』発売から24年目にして、その3部構成の一端が明かされる。

大槻涼樹｜ω･) ｵｵﾂｷｽｽﾞｷ @suzuki_o

本日4月9日は『終末の過ごし方』（1999）発売日。 脳内サブタイトルは「15センチの終末」。 三部構成の超初期構想があり、その第二話を切り取りで制作した形。 pic.twitter.com/qphzdY1sWh

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三部構想は第一話「40メートルの終末」（地下シェルターが舞台。時期不明）、第二話「15センチの終末」（ゲーム化された部分。終末一週間前）、「400,000メートルの終末」（国際宇宙ステーションが舞台）で構成されていたのですが……。やべぇ古文書が出てきた。第三部の試し書きだこれ。 pic.twitter.com/SnKSOvR5ql

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多分未発表……かなあ。恥だけれどいい機会だし、供養に掻き捨ててしまおうか。 なにぶん、太古のテキストなので、なんか色々現在の情勢とは異なる部分があります。ご愛敬ということでお願いします……！

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――夢想する。

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電波障害で乱れ気味のモニター。 壇上で紙片を読み上げる内閣総理大臣。先刻まで緊張感とは無縁とも思えた報道陣も、今はしわぶきひとつ無く。

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首相「――以上、内閣安全保障・危機管理室判断、国家公安委員会勧告、また緊急時『危機対応マニュアル』規定、憲法第八十七条規定に基づき、本日八月拾壱日午前零時を以って――」 一瞬の――躊躇。

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首相「――国家非常事態宣言、並びに国家緊急権を発令致します。それに伴い現行法の一部凍結、全省庁及び陸海空自衛隊、全国各警察の指揮権の掌握を行ない『治安出動』を――」

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ざわめき出す報道陣。 するとそれらの声に呼応するように小火器で武装した隊員が入場してくる。今度は恐慌からか騒然とする報道陣。 首相「――行ないます」 飛び交う罵声。揺れるモニタ。暗転。

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――夢想する。 放射状の軌跡を描く流星たち。ミリ単位の星屑が、一瞬燃えて輝く夜。 人類が死滅した暗い、真の闇を取り戻した地球を舞台に広がる星々のシャワー。

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国家非常事態宣言、並びに都市部戒厳令発布より四十八時間経過。 七週間後、人類滅亡。

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アナウンサー「――世界百四十カ国以上において一斉に国家非常事態宣言が発令されてから四十八時間余りが経過しました。

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日本国内では大きな動きとして臨時国会の無期延長、また首相による全省庁、陸海空全自衛隊、全国警察の指揮権の掌握が行われたほか、一部都道府県または都市で独自の戒厳令が発布されました。

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ですが、すでに全国各地で食料確保や資材の確保を発端とする暴動が確認されており、今後この混乱は益々拡大するとみられています。 国民の皆様はできるだけ安全な場所へと避難し、暴動には参加しないようにしてください。繰り返します。暴動には参加しないようにしてください。

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この非常事態にあたり、現内閣総理大臣発令による自衛隊の『治安出動』も同時に宣言されました。 これは自衛隊法78条と81条の適用によるもので、戦後国内史上初の公式な自衛隊による治安維持活動となります。

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これに対し主に中国、韓国、北朝鮮のアジア各国が『日本の再軍閥化への布石』との激しい非難の声をあげていますが、国内の問題対処に追われる現内閣は──

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また各国でも国連の『終末宣言』に呼応するように大規模な暴動が起きている他、ウズベキスタン、アフガニスタン、レバノン、エクアドル、キルギス共和国、エチオピア等で内戦が激化しているという情報が入っていますが、確認されていません。 また――」

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高度４０００００メートル、地球周回軌道 国際宇宙ステーション（ISS） 日本国提供、宇宙実験用モジュール『タイリン』号船内

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円筒状の、決して広くはないモジュール内。そこで、３人の男女が協議している。 コマンダー（リーダー／指揮官）の秋河、パイロット（操船技術者）の吉井。ＰＳ（ペイロード・スペシャリスト／搭乗科学技術者）の蒼空（そら）。 ガツ。吉井の拳が壁のコンソールに落ちる。

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吉井「――回収不可能！？　……そんな……まさか」 秋河「まさかもクソもあるか。地上があの状態じゃぁな。管制が生きてても、作業員がいなきゃ現場は動かせない。物資の供給ももう期待はできない。もちろん、自力で帰る事もできない」 吉井「で、こっちに残ってる物資（タマ）は？」

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秋河「ＥＤＯ（軌道上長期滞在キット）は相当数の予備がある。循環装置も問題ない。酸素、水、電気の心配はなしだ。ただし、食料は節食して３ヶ月ってところか」 吉井「３ヶ月、か」 蒼空「逆に辛い……ですね」 場に沈黙が降りる。

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秋河「ああ。俺たちが……人類最後の生き残りになるのかもしれん」

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４００，０００メートルの終末

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当時とにかく『D+VINE[LUV]』の制作が難航（難航というかスタッフ数にくらべ作品規模がでかいので作っても作っても時間が足りなかった）したので資金捻出のため三、四ヶ月（実際はもっとかかったが）でなにか作れないか、という浦さんの相談を受け超速で提出した企画。