2011年11月18日

平川先生に、リスクコミュニケーションについて聞いてみました。

放射能とタバコのリスク比較を許容するか(早川先生によるまとめです) http://togetter.com/li/214881 放射線を正しく恐れる 唐木英明(日本学術会議副会長) http://www.scj.go.jp/ja/event/houkoku/pdf/110701-houkoku1.pdf 小爆発二件 寺田寅彦 続きを読む
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早川由紀夫 @HayakawaYukio

唐木英明さんのこの文章(7月1日らしい)の正しいリンク http://t.co/VyOWVAe8

2011-11-17 14:11:27

文章の最後に、寺田寅彦さんの言葉が引用されていたので、元の文章を読んでみました。

寺田寅彦 小爆発二件

はみんぐばーど @kei_sadalsuud

「なになんでもないですよ、大丈夫ですよ」と学生がさも請け合ったように言ったのに対して、駅員は急におごそかな表情をして、静かに首を左右にふりながら「いや、そうでないです、そうでないです。――いやどうもありがとう」寺田寅彦 小爆発二件 - http://t.co/FjbIIbpy

2011-11-17 18:18:39

今週の防災格言<68> 寺田寅彦氏

はみんぐばーど @kei_sadalsuud

「大したことはない。大丈夫」とただ言う学生に対し、駅員が「いや、そうではない」と首を静かに横に振ったことを見聞きした寺田寅彦(てらだ とらひこ)の感想。防災の格言・名言・諺や豆知識 - http://t.co/5MTHgeEc

2011-11-17 18:19:41

寺田寅彦さんは、噴火しても平気で登っていってしまった人達について批判的に書いているようです・・・。そこで、平川先生に、唐木先生の文章と寺田寅彦さんの「小爆発二件」について聞いてみました。

Hideyuki Hirakawa @hirakawah

@kei_sadalsuud 唐木さんのはこれかな?>「放射線を正しく恐れる(PDF)」 http://t.co/oWy57Xk1

2011-11-18 00:29:45
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

@kei_sadalsuud 唐木さんの誤りは、僕としては2つあると思っています。一つは低線量被曝問題に、不確実なことや不明なことは存在せず、専門家間で一致した確実性の高い「正解」があり、自分たちがそれを知っていて、人々に提供できるかのようにしていることです。

2011-11-18 00:39:37
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

@kei_sadalsuud しかし、まだまだ低線量被曝問題には不確かなこと、不明なことがたくさんあります。もう一つの唐木さんの問題点は、リスクをどう判断するかは科学的なリスク理解だけでもっぱら決められるという素朴な想定に立っていることです。

2011-11-18 00:50:54
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

@kei_sadalsuud しかし人間がリスクについて、それをどの程度警戒するか、受忍するのかしないのかを判断するときには、科学的に捉えられる「ある特定の悪影響(ガン死など)の発生確率」としてのリスクだけでなく、さまざまな心理的・社会的・倫理的な要素を総合的に判断します。

2011-11-18 00:53:27
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

@kei_sadalsuud たとえば、本人にもメリットがあり、受忍するかどうか自分で選べる医療被曝のリスクと、メリットもないし選べもしない原発事故による被曝リスクを比べると、たとえ科学的なリスクは後者が小さくても、総合判断で後者の方が受容れ難いと判断する人は少なくありません。

2011-11-18 01:22:32
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

@kaokou11 @kei_sadalsuud ついでにいうと、「メリットあり選択可能なリスク」と「メリットなし強制的リスク」を、そういう違いを無視して「発生確率」という面だけで比較すること自体が問題だと思う人も多いですよね。これもあららさんがずっと議論してることの一つですが。

2011-11-18 01:28:24
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

@kei_sadalsuud つまり人間は、科学的なリスクの大きさだけでなく、利益の有無や、リスクと利益の社会の中での分配の公平性、自己決定の権利が確保されているかどうかなど、倫理的・政治的な「正義」という基準でも、リスクの受否を判断するわけです。

2011-11-18 01:01:16
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

@kei_sadalsuud ちなみに以上のポイントは、昨日から早川先生とあららさんが議論しているリスク比較の問題であり、この前の日曜の回の、うちのNHK白熱教室のテーマでもありました。

2011-11-18 01:03:20
はみんぐばーど @kei_sadalsuud

@hirakawah 確率とハザードの掛け算 だけで考えていいのか? でしょうか?

2011-11-18 01:05:11
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

そう、それです。RT @kei_sadalsuud: @hirakawah 確率とハザードの掛け算 だけで考えていいのか? でしょうか?

2011-11-18 01:06:52
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

@kei_sadalsuud まとめると、唐木さんの誤りは、不確実性という点でも、リスク判断は倫理的・政治的な事柄についての価値判断を含む総合的なものであるという点でも、極めて「トランスサイエンス」的なリスク問題を、科学だけで解けるかのように扱ってしまっていることです。

2011-11-18 01:05:14
no1hasgone @no1hasgone

この問題は、ある程度(現代日本の)自然科学・学界に暗黙に共有された認識構造でもある、といっては言い過ぎでしょうか。“@hirakawah: まとめると、唐木さんの誤りは、不確実性という点でも、リスク判断は…” @kei_sadalsuud

2011-11-18 01:14:56
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

少なくとも唐木さんだけの問題ではないですね。311以降、多くの場面で露呈した問題だと思います。RT @no1hasgone: この問題は、ある程度(現代日本の)自然科学・学界に暗黙に共有された認識構造でもある、といっては言い過ぎでしょうか。

2011-11-18 01:18:49

寺田寅彦さんの文章に関して

Hideyuki Hirakawa @hirakawah

@kei_sadalsuud で、寺田寅彦の「小爆発二件」ですが、僕としてはこれの主題は、「正当に怖がりましょう」ではなく、そうすることの難しさそのものだと思っています。つまり、あることをどの程度怖がるかは、人によって、立場によって異なるものであり、そう一概には決められないと。

2011-11-18 01:08:58
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

@kei_sadalsuud たとえば寺田は、自分自身の噴火についての見方も、大したものではないという印象だったが、それは「火口から七キロメートルを隔てた安全地帯から見たから」だということを書いてますよね。噴火の程度をどう捉えられるかは今後の研究が必要だとかも書いてます。

2011-11-18 01:12:23
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

@kei_sadalsuud つまり、寺田にとっては、噴火の怖さの程度というのは、少なくても彼の時代の学問の水準では未知のことが多いトランスサイエンス的問題だったということができると思うんですね。だから「正当に怖がるのは難しい」と。

2011-11-18 01:15:49
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

@kei_sadalsuud またここで「正当に」とは「客観的根拠をもって」ということだと思われます。つまり「噴火の怖さを確実性の高い客観的根拠でもって決めるのは難しい」が一番の主題だろうと思うのです。そんなわけで、keiくんの読み通り、唐木さんのは「誤読」だと僕も思います。

2011-11-18 01:17:45
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コメント

早川由紀夫 @HayakawaYukio 2011年11月18日
まとめ、ありがとうございます。朝食すんだらやらなくちゃだわ、と思っていたところでした。
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早川由紀夫 @HayakawaYukio 2011年11月18日
「確率とハザードの掛け算 だけで考えていいのか?」 だけではいけないが、それは必要不可欠。どんなに精度が悪くても、数値を出さないといけない。(これは物理学者がもっともへたくそなところ)
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早川由紀夫 @HayakawaYukio 2011年11月18日
鷲田清一さんの『科学』11月号論文の平川解説、たいへん興味深く読みました。全部は理解できないけど、とても重要なことを話していることはわかります。大阪大学は、学長・教授・准教授、どの階層もこの分野ですごいな。
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studying @kotoetomomioto 2011年11月18日
「リスク管理者の責任のもと、科学者、利害関係者、一般市民と協議して決めるという段取り」←文書で書くと知的で綺麗な感じですが、図に描くと絶望しそうですし、もしも動画にすると怒号や脅しのオンパレードなのかな?と、この8ヶ月感じ続けています。
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あひるっくす第4形態(ただいま進化準備中) @yotayotaahiru 2011年11月18日
「リスク管理者」って現在の日本という枠だと、政府になるんでしょうか?
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夏子 @aozorashirakumo 2011年11月18日
RT @HayakawaYukio: @hirakawah @kei_sadalsuud リスク管理の前段階として、それとは独立したリスク評価が科学者間で自由に議論される必要があると考えます。それが、住民や行政官に漏れてもかまわないと考えます。閉鎖空間でやるのではなく、素通しが良い。
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kentarotakahashi @kentarotakahash 2011年11月18日
はやぶさが持ち帰った物質に宇宙からのウィルスが含まれていて、というようなリスクはどう数値出したらいいんだろう? QT @HayakawaYukio「確率とハザードの掛け算 だけで考えていいのか?」 だけではいけないが、それは必要不可欠。どんなに精度が悪くても、数値を出さないといけない。(これは物理学者がもっともへたくそなところ)
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クリエネ(入国検疫緩和が第6波を起こす) @morecleanenergy 2011年11月18日
平川先生の「トランスサイエンス的なリスク問題」という考え方は、島薗進先生の訴えていることと全く同じですね。参照→「なぜ放射能安全論/慎重論に分かれるのか? 宗教学者・島薗進の考察」http://togetter.com/li/189330
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御用聞き @GoyoGakusha 2011年11月18日
内橋克人氏が11月4日NHK特報首都圏で言った「科学をして科学に戻らしめよ」を思い起こすtogetter
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早川由紀夫 @HayakawaYukio 2011年11月18日
@kentarotakahash 持ち帰った粒の重さ、そのなかにウイルスが含まれている確率、地球の表面積、私が毎日吸引する空気の量。これくらいパラメータをぶち込めば計算できます。これで私が死ぬ確率は10の-100乗くらいじゃないかな。ざっとみて。
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まるちゃん@大湊警備府 @malchan1224 2011年11月18日
>はやぶさが持ち帰った物質に宇宙からのウィルスが 確立計算以前に砂の一粒一粒を精査してますわ。 確率的には恐ろしく低いとはいえ、小惑星から有機物を持ち帰れたらノーベル賞もん、世紀の大発見ですよ。 ちなみにまだ作業は密閉空間の中だけでやってたはず。
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kato takeaki @katot1970 2011年11月18日
「これくらいパラメータをぶち込めば計算できます。」ウィルスであれば、その後増殖する事も考えないと。現時点では、malchan1224さんの指摘の通り、密閉されてますが。
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kato takeaki @katot1970 2011年11月18日
また、「生物」が地球以外にいるとして、地球上の生物と同じ様な構造のDNAを持っているのか等ありますので、「ウィルス」が居たとしても地球上の生物に感染できるかどうかは不明ですが。
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kato takeaki @katot1970 2011年11月18日
「「リスク管理者」って現在の日本という枠だと、政府になるんでしょうか?」どの様な管理を想定していますか?個人だってリスク管理可能であり、そういった人達の為に放射線の知識を提供しているわけですが。それらの知見を見てリスクが高いと思った人は、国外に引っ越してもいいし、今住んでいる所に住み続ける選択をしてもいいわけです。そのリスク管理をする為に必要な正しい知見を提供する事が科学者が今行っている事です。
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はみんぐばーど @kei_sadalsuud 2011年11月20日
個人レベルでのリスク比較は自主的に皆さんやっていると思います。ただ、避難に関しては権利が保障されてはじめて、避難するリスクと留まるリスクの比較ができるという人が殆どだと思います。 9月の朝日新聞の記事には「中学生以下の子供がいる家庭では51%」が、放射性物質への不安から「できれば移り住みたい」と答えています。この「できれば」を解決できるのは政府しかありませんよね。http://www.asahi.com/national/update/0909/TKY201109090610.html
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