三国志こばなし集 2023年6月号

三国志こばなし集 @omikanboy3594

関「私がかつて塩を求めて訪れた集落ばかりではないか…」 周「ええ!?」 関「これは益州物産の者の仕事ではない」 ホ「つまり？」 関「我が社の何者かの狼藉だ」 周「…嘘でしょ」 関「偶然の一致とは思えぬ」 周「…」 関「これらの集落の情報は、我が社でしか知りようがない」

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ホ「…さっさとテンショクしなよ、カンウさん」 関「全くだ」 周「俺らの会社の連中が、俺らのパスポート盗ませて、関羽殿をお尋ね者にして、牢屋にぶち込もうとしたんですか!?」 関「そうだ」 周「…俺も転職しよう」 ホ「フタリをツカまえるのは、オレがソシしたけど」 シ「なおも狼藉する理由は…」

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関「私を誘き出そうとしている、というのは？」 周「！」 関「私を捕らえられず消えた情報は、入っているはずだ」 ホ「そうね」 関「すると何としても私を誘き出したいはずだ」 シ「虎穴に入られるおつもりですか？」 関「ああ。もしかしたら知った者かもしれんからな」 周「ええ…」

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ホ「ツギにニセモノデそうなバショワかる？」 関「それが分かるのだ」 シ「どこですか？」 関「私が初めてホーと会った場所に、まだ出ていない」 ホ「ロマンチックね」 関「動員できるのは三名だけだが」 周「俺も!?」 関「この卓にいるとはそういうことだぞ、周倉」 周「…」 ホ「ビビってんのか？」

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周「武者震いです！」 シ「頼もしい」 関「それでは行ってくる」 シ「はい」 周「いってきます！」 ホ「イくぜ、ヤロウども」 関「まずはホーに斥候を頼む」 周「俺も連れて行ってください！」 関「…それは考えたのだが、お前の顔が割れていないかな」 周「割れてなかったら役に立ちます！」

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関「割れていたら？」 周「絶対に捕まりません！」 関「ほう？」 周「関羽殿がいない間に、俺はみんなから走りを習ってたんですから！」 ホ「こいつ、イナズマってヨばれてた！」 関「ならば頼もうか、周倉」 周「はい！」 ホ「シゴいてやるからカクゴしろ」 周「お願いします！」 関「…」

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ホ「ここだよ」 関「私が出るのは最後になるが」 ホ「タイショウはそれでOK」 関「武器は何かないか？」 周「武器!?」 ホ「いいカンじのボウでいい？」 関「…今は仕方ないか」 周「それが関羽殿の武器に…」 関「！！」 周「」 関「なるだろう？」 周「…はい」

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ホ「コい、シュウソウ。チズヅクりをオシえてやる」 周「お願いします！」 ホ「オレたちはスパイ。OK？」 周「OK」 ホ「オレがリーダー。おマエはシタっぱ」 周「はい」 ホ「メイレイイハン、トモダチでもアウト、OK？」 周「…OK」 ホ「チズツクるのもホントウはアウト」 周「スパイですもんね」

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ホ(オレのこのコエキこえるか？) 周(…はい) ホ(このコエで、イチドしかハナさない、OK？) 周(OK) ホ(オレのイうタテモノとテのアイズのスウジをメモしろ) 周(OK) ホ(ハジメたら、シャベったりシツモンは、メイレイイハン。イマキくことあるか？) 周(…ないです) ホ(おマエはメモとるだけでいい)

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周(OK) ホ(テのアイズは…) ホ(サカバ) 周(サカバ) ホ(51) 周(51) ホ(カフェ) 周(カフェ) ホ(31) 周(31) ホ(たんま) 周(？) ホ(オレらつけられてるかも) 周(!?) ホ(ハヤアルキ) 周(OK) ホ() 周(速すぎる！) ホ(カエレ、シュウソウ) 周(ホーは？) ホ(オレはヘイキ、オマエはムリ) 周(でも)

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ホ(メイレイ) 周(ごめんなさい！) ホ(OK) 周「…関羽殿」 関「周倉」 周「俺らつけられて、ホーが一人で残ってます！」 関「そうか…」 周「地図のメモはあるんですけど、ホーが心配で…」 関「平気さ」 周「でも！」 ホ「シュウソウ！」 周「!?」 関「さすがだな」 ホ「ノロマにツカまるワケねえよ」

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周「…あんた何者なんですか、ホー」 関「聞かせてやってくれ」 ホ「オレ、コウザンのオトコ。めっちゃアシハヤい」 周「でもそれだけじゃないですよね？」 ホ「まだナイショ」 周「…」 関「地図は作れるな」 ホ「シュウソウ、メモくれ」 周「これで地図を作れるんですか？」 ホ「ミてろよ」

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周「すげぇ…」 ホ「オレのホハバ、ゼッタイイッショ」 関「訓練か？」 ホ「まあね」 周「走るんじゃなくて、速歩きであんな速いなんて…」 ホ「おめえもイナズマだろ？」 周「そうだけど…」 関「お前たちをつけた者がいるのだな？」 ホ「オレがマイた」 周「やっぱり俺の顔がバレてたのかな…」

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関「分からぬが、勝負を急いだ方が良いかもしれん」 周「なぜです？」 関「ホーがあしらえる程度の者しかいない内に、偽物を退治して撤退したいのだ」 ホ「オレもトーシューヘーとヤルの、まだイヤ」 周「…」 関「虚をついてみるか」 周「それは？」 関「私が堂々と村を歩く」 周「ええっ！」

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関「後ろはお前たちに任せるからな」 ホ「…カンウさんらしいね」 周「お巡りに捕まりません？」 関「既に癒着しているのだろう？」 ホ「ニセモノよりサキにホンモノがデても、クソポリスにはワからんよ！」 周「なるほど！」 関「それを踏まえた上でのお前たちの任務は…」

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関「いくぞ」 周(凄え肝っ玉だなぁ) ホ(ツかずハナれずやで、シュウソウ) 周(合点承知！) 関「おう、美味そうな香りが」 民「髭すごいね！」 関「私の自慢さ」 民「撫でていい？」 関「おう」 ？「!?」 周(ホー) ホ(…) 周(目ん玉剥いてる奴がいる) ホ(そいつマーク) 周(OK)

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関「美味いな！おかみさん！」 民「髭の人もいい人ね！」 周(…こうやって仲良くなるんだ) ホ(よそミすな) 周(ごめん) ？「！」 ホ(アイツつける) 周(俺は) ホ(カンウさんのゴエイ) 周(OK) ホ(ちょっくら) 関「この辺に宿はないかな？」 民「ウチ泊まる？」 民「ウチもいいよ！」 関「ありがたい」

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？「髭の男がもういる！」 ？「なんだと!?」 ？「この写真の男！もういる！」 ？「…俺も確認する！連れて行け！」 ホ(マルギこえだよ、バ〜カ) 周(…さっきの怪しい奴だ) ？「あいつ！」 ？「げえっ！」 関「？」 ？「…」 周(絶対アイツらだ…) 関「カフェで打ち合わせがあるから、また後でな」

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民「いつでもおいで！」 関「おう」 周「二人でカフェなんて…」 関「あえて堂々とするのがこの策の要だ、周倉」 周「はい！」 関「確信したぞ」 周「ホーは？」 関「単独の任務に移行した」 周「…確信したというのは？」 関「私のよく知っている顔を見つけたのだ」 周「誰です？」 関「郝普という」

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周「はい」 関「…昔、共に働いた男なのだ」 周「ええ！」 関「そこまで落ちぶれてしまったとは、思わなかったが…」 周「そいつに憎まれてるんですか？」 関「…奴の不正を見過ごせなくてな」 周「そりゃそうです！」 関「摘発した結果、懲戒免職になったきりだと思っていたが、こんな事になるとは」

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周「不正を摘発されて恨むなんて！」 関「とにかく、郝普を捕らえて狼藉を断つ」 周「もちろんです！」 郝普「あの野郎、なぜもうここに…」 男「…」 郝「さっさと髭つけて暴れてこい！」 男「ええ!?」 郝「行け！絶対あの髭野郎のせいにするんだぞ！」 男「でも…」 郝「うるせえ！さっさと行け！」

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郝「俺と目が合ったかもしれん、合ってないかもしれん…」 ？「どっちなんだい！」 郝「!?」 ？「…」 郝「…」 ホ「どっちでもいい〜！」 郝「はあ!?」 ホ「！」 郝「」 ホ「…ゲスやろう」 関「…なあ、周倉」 周「なんです？」 関「郝普の不正は確かではあったのだがな」 周「絶対ダメですって！」

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関「それがそうとも限らん場合があるのだ」 周「ええっ！」 関「初めての地で地元の者に道案内をしてもらい、礼金を払うのは？」 周「それはいいでしょう」 関「初めての地の有力者を紹介してくれた地元の者に、礼金を払うのは？」 周「…あれ？」 関「その有力者に商いを許してもらうための礼金は？」

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周「…」 関「有力者に商いの継続を保証してもらう礼金、管轄する役人への礼金、地元の者たちに安全に届けてもらうための礼金…」 周「…混乱してきました」 関「これらの礼金は、果たして全てが全て不正と言い切れるだろうか」 周「…」 関「郝普がその線引きを誤ったのは、許されることではない…」

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周「はい」 関「しかし、それまで郝普が担っていた交渉や段取りがあったことで、我が社の商いは続いていたという面もあったからな」 周「…考えてみます」 関「ああ」 民「火事だ！！」 民「子供が！」 関「なに！」 偽「俺は髭の関羽雲長！」 周「出やがった！」 関「私の名を騙り放火したのか…」