茂木健一郎(@kenichiromogi）さんの連続ツイート第3157回「指原莉乃さんがずっと自分らしくいて「寄せず」に成功しているのは良いこと」

茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート３１５７回をお送りします。文章は即興で書いています。本日は感想です。

茂木健一郎 @kenichiromogi

このところアイドルカルチャーについていろいろ書いたり話したりしているけれども、AKB45の指原莉乃さんのことも時々思い出している。あれはいつだったか、TBSの番組のスタジオで、指原さんを泣かせてしまったのだった。その頃、指原さんは「ネガティヴマインド」と言われていた。

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それで、ぼくは、番組で、ネガティヴな人ほど、ポジティヴに考えられる、というようなことをお話していたら、指原さんが泣いた。そういうこともあって、私は指原推しとなった。AKB４８のじゃんけん大会などに呼ばれた時も、指原さんのことを応援していた。

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その後、指原さんはどんどん人気が出ていって、AKB４８のセンターになった。振り返ると、最初から、アイドル文化の一つの限界である、何かに寄せていくということがあまりなかったのかと思う。指原さんは指原さんらしくいて、アイドルとはこういうものでなければならないという縛りから自由だった。

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一番アイドルらしくない指原莉乃さんが、いちばん活躍しているというのは、表現における個性を考える上で大切なことだと思う。ジャニーズやBTSが踊りや歌の完璧を目指して厳しいレッスンをしていると聞くと、そういうことをしなくてもいいんじゃないかとぼくは思う。その人らしさがむしろ見たい。

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何かに寄せていってしまうということの原理的な根深さは、自分でも反省するところがある。小学校の時、あべ静江さんの「みずいろの手紙」が好きだった。ずっと後で、あべ静江さんがあの楽曲を歌うのが嫌だった、でも歌っているうちに好きになったという話をされているのを読んで、衝撃を受けた。

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カレン・カーペンターは最初はドラムスを叩いていて、同時に歌うスタイルだったが、１００万人に一人の声が発見されて、ドラムを叩かないでフロントに立って歌うスタイルになった。その楽曲は神の領域だが、本人にとっては必ずしも一番やりたい表現だったのではないかもしれないと思う。

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パフォーマンスにおいて自分がやりたいことと、その人が市場でどう受けるか、どのようなイメージが流通するかということはずれている。それはすべてのことについて言えるだろうけど、特にアイドル文化においては甚だしい。指原莉乃さんがずっと自分らしくいて「寄せず」に成功しているのは良いことだ

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以上、連続ツイート３１５７回、「指原莉乃さんがずっと自分らしくいて「寄せず」に成功しているのは良いこと」をテーマに７つのツイートをお届けしました。