三国志こばなし集2023年7月号(上)三国時代編

三国志こばなし集 @omikanboy3594

楊任「あの錦馬超殿と共に戦えるとは」 馬「お前も良い仕立てだな、楊任！」 楊「何を隠そう私も綿楊任と呼ばれておりましてな！」 岱(だせえ…) 楊「我らで反米勢力に思い知らせてやりましょう！」 超「さすが自由の国、漢中！」 龐「米国ならば、麦を食べるのでは？」 超「何を言っている、令明？」

三国志こばなし集 @omikanboy3594

超「ところで楊任」 楊「はい」 超「あの巨大な女体像はなんなのだ？」 楊「師君様の母君の像です」 超「見事な大きさだ」 楊「劉焉が民を総動員して作らせた代物です」 超「それはすごい！」 楊「五斗米道の未来を照らす灯火を掲げております」 超「ならば我らの未来も明るいな！」 龐「…」 岱「…」

三国志こばなし集 @omikanboy3594

馬超…戦の前や機嫌の良い時はやたらハイテンションだが、一度負けがこむと別人のようにしょぼくれる。 龐悳…どこの国をモチーフにしているのだ… 馬岱…いつか厄介な大国になりそうだな。 楊任…張魯配下の将軍。人呼んで綿楊任。綿の生産が盛んらしい…

三国志こばなし集 @omikanboy3594

曹操「やめてくれ、卞！」 卞氏「いいえ。もう許しません」 夏侯惇「奥方や女官の皆からの不平不満が累積されすぎている」 卞「夏侯惇殿は奥の者たちの相談窓口ですよ」 夏「十二刻年中無休で対応しているからな」 曹「そこまで暇なのか、元譲」 卞「あなたを腐刑に処します」 曹「それしかないのか」

三国志こばなし集 @omikanboy3594

卞「お黙りなさい」 夏「日頃お前からの横暴に耐えかねた女官の皆の父兄がお前が腐刑に処させるのを見にきているぞ」 卞「これが本当の」 曹「腐刑参観とでも言いたいつもりか！」 卞「無礼な！」 夏「不敬だぞ、孟徳！」 曹「不敬参観か！」 卞「小賢しい殿方ですこと！」 夏「阿瞞の頃から変わらん」

三国志こばなし集 @omikanboy3594

卞「どう思われます、女官の父兄の皆さん」 男「私たちの娘にあの様な立ち振舞いをされるとは！」 女「偉そうに！」 曹「貴様らこの国の丞相が偉くないとでも言いたいのか！」 男「えらいこっちゃ！えらいこっちゃ！」 女「よいよいよいよい！」 曹「…こいつらを不敬の罪に問えぬか？」 夏「うむ…」

三国志こばなし集 @omikanboy3594

曹操…腐刑参観での不敬は黙認するだと！ 卞氏…そうでもないとあなたの後宮での横暴を防げませんので。 夏侯惇…なんなんだあの夫婦。 男…女官の親父。異様に剽軽だが娘は誰なのだろう… 女…女官の母。あと二十年若ければあんたを手玉に取ってやったわよと曹操に宣う太々しさ。

三国志こばなし集 @omikanboy3594

董卓「調べてきたか、李儒」 李儒「ええ。あの男、そう長くは生きていられますまい」 董「なぜだ？」 李「策士がおりませぬゆえ」 董「孫堅らしいのう」 李「道理で戦働きの噂に事欠かぬ訳ですが」 董「大将が一兵卒の手柄を誇っているようなものだからな」 李「しかし兵の士気は盛り上がるのでは？」

三国志こばなし集 @omikanboy3594

董「一つの戦で兵の士気を大将自ら上げる利と、大将が死んだ時の大損を分かっておらぬだけよ」 李「なるほど」 董「武の配下には見どころがあったが、知の配下に事欠くというのだな…」 李「はい」 董「ならば孫堅に戦で負けることは想定内とするか」 李「ほう？」 董「孫堅よりも長生きすれば勝ちだ」

三国志こばなし集 @omikanboy3594

李「しかし我が軍の武官には大きな不安がありましてな」 董「分かっている。悩ましい限りよ」 李「しかし董卓殿の出番は目と鼻の先かもしれませぬぞ？」 董「それは私が一番分かっている」 李「何進如きがあなたの相手にはなりますまいが…」 董「しかし奴の配下は侮れぬ。動向を注視せよ」 李「御意」

三国志こばなし集 @omikanboy3594

董卓…并州で虎視眈々と成り上がる機会を窺っている。 李儒…調略で中々に使える男がいましてな。賈詡というのですが。

三国志こばなし集 @omikanboy3594

劉備「嫌な参謀どもだよな、憲和」 簡雍「側から見てても仲悪すぎじゃねえか？」 劉「…袁紹の所もそろそろ見切り時かもしれねえ」 簡「大将がそう思うんならさっさと手を打っちまおうぜ」 劉「いいのか？」 簡「大将の負けの直感にゃ、上は俺たちから下は兵隊までみんな信じてっからよ！」 劉「おい」

三国志こばなし集 @omikanboy3594

糜竺「袁紹の次の居候先とな？」 劉「子仲！」 孫乾「とはいえ劉備殿は、袁紹殿と袁譚殿から随分と重用されていませんか？」 劉「そりゃ今だけだ」 孫「今だけ？」 劉「曹操と戦う時にゃ俺たちほど便利な味方は滅多にいねえだろ？」 糜「ですな」 劉「だがその先をちょいと考えてみな」 孫「なるほど」

三国志こばなし集 @omikanboy3594

劉「言ってみろ」 孫「袁紹軍が勝てば厄介者。万が一曹操に負けた時には目も当てられないことになります」 劉「ご名答だ、公祐」 糜「では次の行く先は」 劉「劉表しかねえだろ」 孫「承知！」 劉「表向きにゃ援軍もよこさねえ劉表のケツ叩きに行くとでも言えばいいかな？」 糜「それでいきましょう」

三国志こばなし集 @omikanboy3594

劉備…あいつら袁紹が死んだら碌なことにならねえよな。 簡雍…力を合わせるつもりがさらさらねえもんな。 糜竺…劉表の元へ孫乾と共に使者へ向かった。弓馬に関してはお任せあれ。 孫乾…元々学者肌の男だったが劉備と馬が合い付き従ってたら、いつの間にか馬にも普通に乗れるようになっていた。

三国志こばなし集 @omikanboy3594

袁紹…劉備の軍の運用に全幅の信頼を置いており、曹操の後方撹乱の手腕も大いに認めている。 袁譚…劉備に推挙されて任官した大恩があるため、劉備が袁紹軍に転がり込んできた時は大歓迎してくれた。

三国志こばなし集 @omikanboy3594

楽進「お前だけ抜け駆けするなよ、張遼」 張遼「貴殿の方が真っ先にしそうだと思うのだがな」 于禁「どちらにせよ、軍規に反した時点でお主たちを処罰するぞ」 楽「頭が堅すぎるぞ、于禁！」 張「軍規に反するつもりはないが、将が独断で機を判断することはあり得るだろう」 于「それは断じてならぬ」

三国志こばなし集 @omikanboy3594

曹操「于禁と楽進と張遼がまるで協調しないだと？」 荀彧「三人とも我が強すぎますからな」 曹「だからこそ一軍の将たり得るのだが」 荀「協調はしてもらわぬと困ります」 曹「誰が適任かな？」 荀「趙儼を参軍に任命し、調整役として機能させましょうか」 曹「わんぱくで我儘な童の面倒を見るようだ」

三国志こばなし集 @omikanboy3594

趙儼「お三方の参軍として赴任しました、趙儼。字を伯然です」 楽「参軍？」 趙「貴殿らの縁の下で働く所存です」 于「役割は？」 趙「お三方の意見の取りまとめや調整、都との連携を担当します」 張「それは助かる」 楽「顔を突き合わせると、どうも反発してしまってな」 于「上手く連携させてくれ」

三国志こばなし集 @omikanboy3594

曹操…上手く連携し始めたぞ、荀彧。 荀彧…彼ら三人だって、連携の重要性は分かっていますから。 趙儼…参軍として三人の調整役としてフル稼働して巧みに連携させることに成功。 于禁…堅実な手堅さが頼りになる。 楽進…突破力が魅力。 張遼…異次元の爆発力が持ち味。

三国志こばなし集 @omikanboy3594

曹操「漢中は化物の国だ！もういかん！」 夏侯惇「どうした孟徳、お前らしくない」 曹「片目の化物！」 夏「こら！」 曹「…なんだ、元譲ではないか」 夏「何をそこまでヘタレている」 曹「仕方ないだろう！兵糧補給もままならぬのだから！」 夏「地形を甘く見ていたのはその通りだが」 曹「撤退だ！」

三国志こばなし集 @omikanboy3594

許褚「丞相。それは」 曹「太っちょの化物！」 許「…」 曹「なんだ、虎痴ではないか」 夏「まずはお前が落ち着け」 曹「高祚を撤退させてこい！」 夏「本気で撤退するのか、孟徳」 曹「やむなしだ！」 劉曄「丞相。兵糧補給に関わるご報告が」 曹「王族の化物！」 劉「あ？」 許「！」 曹「劉曄か…」

三国志こばなし集 @omikanboy3594

劉「撤退ですと？」 曹「そうだ！」 劉「ここまで来て無駄足を踏むわけには参りませぬ！」 曹「嫌だ！怖い！」 劉「丞相」 曹「」 夏(さすがの殺気だ) 許(本気で身構えますね) 劉「高祚の布陣する山頂に、私の投石器を配置しております」 曹「なに？」 劉「夜襲を提案します」 曹「…それは面白いな」

三国志こばなし集 @omikanboy3594

曹操…夜襲が成功して鼻高々に進軍したが、ガチ凹みした醜態はなかった事にはならなかった。 夏侯惇…投石と弓矢の雨からの夜襲は効果的だったな。 許褚…劉曄ほどの殺気を放つ男は馬超くらいしか知らない。 劉曄…陽平関を堕とす端緒を開く大手柄もどうでもよく、更にその先を狙っている。

三国志こばなし集 @omikanboy3594

高祚…山頂に布陣して矢の雨と劉曄作の投石器をフル活用。作りが簡単なので、使いやすく効果的だった。