HPVワクチンのあれやこれや

Amamino Kurousagi @Amamino_Kurousa

誰がHPVワクチンを接種すべきか。 ①なぜ、思春期前後に接種が推奨されるのか ②26歳までなら条件なしに推奨とは？ ③それ以上45歳までどのような人が接種すべきか？ ④細胞診やHPV検査で陽性のひとは？ #HPVワクチン #子宮頸がん

Amamino Kurousagi @Amamino_Kurousa

まず、ワクチン側の事情 ・感染予防ワクチンである ・既感染のものには効かない ・がんの原因となるHPVは複数あってそれぞれに効果がある ・アホみたいに高価。意味がある人に絞って推奨すべき

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HPV側の事情① ・あまりにありふれたウイルスで性的デビュー後かなり早い時期にハイリスクHPVどれかに曝露されてしまう ・持続感染する ・潜伏感染する(検査で拾えないことがある) ・基本、感染の多くは免疫システムによってコントロールされ病原性はない ・でも、時々再活性化することがある

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HPV側の事情② ・初感染が持続感染化して、その一部ががんへと進行する ・自然治癒後（検査陰性化後)は、の再陽性化は再感染よりも再活性化だと考えられている ・全身感染症ではなく局所感染症。自家播種もある ・HPVは型ごとに病原性は違う ・HPVの感染リスクの最大のものは新しい性的パートナー

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① なぜ、思春期前後に接種が推奨されるのか HPV関連がんは初めて感染したものがそのまま持続感染して、数年数十年かけてがんへと進行する。 思春期以後性的デビューする可能性が上昇し、性的デビュー後には時間に応じてHPVの感染リスクは上昇するから。 ワクチンは感染してしまったものには効かない

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②26歳までなら条件なしに推奨とは？ 大体これくらいの年齢までなら、性的デビュー後でも『ワクチンの効く全てのHPVに感染していないだろう』『新しいパートナーを持つ可能性も多いだろう』ということで、ワクチン接種の費用対効果が十分見込めるから。すすめる意味があり、公的補助をしている国も

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③それ以上45歳までどのような人が接種すべきか。 まず、このグループにはCDCもただ推奨はしていない。今後HPV関連癌になるとしても、既に感染しているものによって起こることが多いと考えられているため。もう感染してしまっていることが多いため。 ワクチン高いし（続く） pic.twitter.com/wqZo2RB1MK

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Amamino Kurousagi @Amamino_Kurousa

そのため、ワクチンを接種するベネフィットが高いひとに勧めている。CDCの表現は性行為を通じて(新しい型の)HPVに曝露される可能性が高い場合。噛み砕いていうと、『新しい性的パートナー』を持つ場合。 固定パートナー間では既にHPVは共有している。 twitter.com/Amamino_Kurous…

Amamino Kurousagi @Amamino_Kurousa

表現は置いておいて、HPV感染者（検査陽性者）の性的活動について、まとめておいてもいいかと。 前提として ・コンドームの使用などHPVの伝染を防ぐ手段は100％ではないこと。 ・HPV感染自体の治療法はないこと。 ・感染病変が見つからないことも多々あること。 ・多くの感染はなにも起こらない twitter.com/HPVvaccine9/st…

2021-04-25 00:50:38

Amamino Kurousagi @Amamino_Kurousa

④細胞診やHPV検査で陽性のひとは？ HPVワクチンの接種に関して検査自体必要とされていません。陽性でも接種してよし。 ワクチンは、既に感染しているものには効かないけど将来の新規感染には効果があるわけで、将来の新規感染を防ぐことに関しては、現時点での検査結果は影響を与えないため。続く pic.twitter.com/VuRbCOGYxh

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加えると、現時点での感染が自然治癒・陰性化したとしてもその型に関しては効果がない。既に免疫が成立している・潜伏感染をしているかもしれないから。あくまでも、今からの新規感染に対して効果がある。ベネフィットがある人、新しいHPVに感染する可能性が高い人が接種(③と同じ）。続く

Amamino Kurousagi @Amamino_Kurousa

検査陰性化を待つより、早めに接種したほうが将来に対する備えとしては合理的。その間に感染したらもったいない。コストは自分で払うわけだし、マイナスはない。無駄になる可能性は承知の上 (注意)既に感染しているものからがん化する可能性が十分あるので定期検診を欠かさない。

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ひとつ例外があって 高度異形成後の再発に関して。これは免疫成立前の自己播種予防の一例 twitter.com/Amamino_Kurous…

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HPVワクチン接種が、中・高度異形成に対する円錐切除術後の再発を防ぐことに関して。支持するデータはちらほら出てきている。 PMID: 33271963, 32456136, 30197061, 23623831, 31991753, 31648368 これに対する説明としては... #HPVワクチン #子宮頸がん

2021-04-30 21:11:50

Amamino Kurousagi @Amamino_Kurousa

まとめ 誰でも、新しい性的パートナーを持つ前にHPVワクチンを接種しよう。究極的には性的デビュー前(最初の性的パートナーを持つ前)に。これが世界全体のながれです。 そして必ず定期検診を受診すること。 子宮頸がんを含めてHPV関連癌は将来撲滅できます。

Amamino Kurousagi @Amamino_Kurousa

不倫の場合は？てあると思いますが。 もちろん、不倫を介して新しいHPVに感染する可能性はあるのは否定できないのですが、長期で固定パートナーだったのに新しくHPVに陽性になった場合でも、再活性化の場合が多くて、「不倫か！」と考えるのは間違いです。 twitter.com/Amamino_Kurous…

Amamino Kurousagi @Amamino_Kurousa

HPV検査の(再)陽性化に関して、通算のパートナー数は影響を与えるが、最近の性的活動性は影響を与えないということ。セックスしていなくても同程度陽性化する。 つまり、再感染・新規感染ではなく潜伏感染の再検出であると考えたほうが正しい。 HPVは持続感染するウイルスなんだってば。HSVと同じ。 pic.twitter.com/RpiT3EmZZP

2021-05-25 18:20:02

Amamino Kurousagi @Amamino_Kurousa

まあ、マイナスはないのでコーヒー一杯程度の値段であれば誰にでも勧めます。 ただ、みんながみんな、10万円出さない・出せずに将来の子宮頸がんのリスクを受けるしかないというわけではない、ということ。 もしそうであるのなら、公的補助で希望者全員が接種できるようにするべき。

Amamino Kurousagi @Amamino_Kurousa

日本ではワクチン行政の失態もあって、本来ならばHPVワクチンを無料で接種できたはずなのに接種できていない人たちがいます。彼女らがいま26歳になろうとしていて、無条件に自信をもって効果があるギリギリの年代に入ってきています。 積極的勧奨の再開とキャッチアップの公費化が必要です。

Amamino Kurousagi @Amamino_Kurousa

2価・4価を接種した人に対して9価の追加接種に関しても基本26歳以降と同様の考え方です。ワクチン自体の効果はあるが、感染リスクや既に感染していることを考えると、全員への推奨はしていません。 端的には費用対効果の問題です。

Amamino Kurousagi @Amamino_Kurousa

男性のHPVワクチン接種に関して twitter.com/Amamino_Kurous…

Amamino Kurousagi @Amamino_Kurousa

誰がHPVワクチンを接種すべきか② 男性の接種に関して ①ワクチンは第一に接種した人を守る ②HPV感染症の負担の男女差 ③集団免疫と費用対効果の話 ④ワクチン不足と優先順位 ⑤HPVワクチンがアホみたいに高い件 誰がHPVワクチンを接種すべきか①→ twitter.com/Amamino_Kurous… RT >素晴らしい視点 twitter.com/takedakent/sta…

2021-07-01 19:07:16

Amamino Kurousagi @Amamino_Kurousa

誰がHPVワクチンを接種すべきか② 男性の接種に関して ①ワクチンは第一に接種した人を守る ②HPV感染症の負担の男女差 ③集団免疫と費用対効果の話 ④ワクチン不足と優先順位 ⑤HPVワクチンがアホみたいに高い件 誰がHPVワクチンを接種すべきか①→ twitter.com/Amamino_Kurous… RT >素晴らしい視点 twitter.com/takedakent/sta…

タケダケントみなみケント南澤径きょん @takedakent

コロナウィルスに対するワクチンは、最優先になっているのは理解します。 しかしhpvワクチン接種を率先して受けようという男性は、医療者も含め見かけないのですが、私の観測エリアの問題でしょうか？

2021-07-01 11:27:39

Amamino Kurousagi @Amamino_Kurousa

前提 HPVは男女問わず感染するし、男女問わずHPV感染症を起こす。男性女性問わず、主に濃密な接触・特に性的な接触で感染している。 HPVワクチンは(もちろん)男女問わず接種した人がその型のHPVに感染することを防ぎ、男女問わず感染症の負担を減らすことができる。 集団免疫効果も確認されている。

Amamino Kurousagi @Amamino_Kurousa

①第一にワクチンは接種者を守る ワクチンの効果の一丁目一番地は接種したその人をその感染症から守ること。集団免疫(接種していない人まで守る)のは第二の意味。軽重はあるだろうが。