お玉さんの読書マラソン企画「本格力を高めよう サンシャイン」(5部)
「東西ミステリーベスト100」(2012年度版)東西戦 ◎第111位から第120位くらい 大藪春彦『野獣死すべし』(1958年)vs ジョン・ル・カレ『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』(1974年) pic.twitter.com/Idmj8Ea8qb
2023-10-22 01:13:32今まで未読の『野獣死すべし』にニコニコしつつ、馴染深い『野獣死すべし』にホクホクする秋。 お玉さん、伊達邦彦、大好き〜( ◠‿◠ ) ……嘘。『日銀ダイヤ作戦』あたりで読むのがモーレツにイヤになって、『マンハッタン核作戦』は20年くらい積読だったよ。『野獣は甦る』、……そんなの知らない
2023-10-22 01:15:04というわけで、何十年ぶりかの大藪春彦『野獣死すべし』だ。あくまで『野獣死すべし』だ。「復讐篇」じゃないよ、「渡米篇」じゃないよ(「復讐篇」は悪くないけど、「渡米篇」はホント酷い!) そして、読み返して驚いた。めっちゃシャープ! 文学味が強い強い! 大藪戦士は何処? 大藪節は何処だ?
2023-10-22 01:15:05伊達邦彦、ポークステーキとビール2本で満腹になっているわ Σ(゚д゚lll) 要約すると、暗黒太陽の季節! エネルギッシュさとニヒリズムが二律背反状態で同居してる若者が、無軌道で無道徳に悪事を繰り返す話だ。異常なテンポ。究極の個人主義を否定できるかい? 奇妙な要領の良さに、私惹かれちゃう
2023-10-22 01:15:06このおまけでハズレが5本あると言いました。 私にはビビっと来なかった、ストロングポイントよりウィークポイントが強く見えた『密閉教室』『女彫刻家』『燃える男』『殺人交叉点』 けどね、最後の一本はね、私がミステリ読みとしてクソ雑魚ということを再認識させられた、そんなハズレなのです。
2023-10-22 01:15:47「めっちゃ面白く読めたんだけど、面白さが言語化できない。たぶん、半分以上も物語構造も理解できてない。三回くらい読み返してるのに全貌も掴めてない。圧倒的じゃん。はい完敗!」 『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』 ……えーと、声に出して読むと、……すっごく語感が良いよね♫
2023-10-22 01:15:48スパイものなので人間関係や状況がめっちゃ複雑なのです。目の前で繰り広げられていることが何処まで信頼してよいものなのでしょうか? 一人の人物に真実らしきものや業らしきものは収束していくかのように見えるんだけど、その人物が存在しているのかすら、この単書で確約出来ないのです。 面白いよ
2023-10-22 01:15:49はい。『野獣死すべし』と『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』でした。 これどちらかと言うと文学の文脈で語るべきでしょ? これもっとミステリちからを高め読み解くちからを身につけなきゃ評価できないでしょ? な2本です。 試合不成立。ノーコンテストです
2023-10-22 01:16:34今晩はこの一本だけです。 次回のおまけの最終回、第101位から第110くらいはセレクトした作品が大当たりのド傑作(どうして100位内に入ってないねん)でしたので、ちょっとだけ感想長めになるかもなのですよ、と予告。 ではでは〜
2023-10-22 01:17:31とんかつ程じゃないけど、ソーセージも好きなんだよね私。ソーセージ好き? もしかして、俺、大藪春彦ヒーロー? ゾーリンゲンナイフで塊から切り出さなきゃ。
2023-10-22 01:24:53今は近い未来の感想のために『悪魔の手毬唄』を読み返しるわ。 よく言われてる「『夜歩く』の鬼首村問題」と「手毬唄殺人の見立てに意味はあるのか? 問題」に関して、当然、自分なりの仮説はある。後者に対して触れてみたいなぁと思う次第で、今いろいろと確認中。タイヘンダ。
2023-10-22 12:37:01もし、気力がつきたら、 「つのだ版の「手毬唄」、実写化したら案外(めっちゃ)イけるんじゃね? 考察」 になるかもしれません。
2023-10-22 12:37:02横溝正史がなろう系作家だったら、恩田幾三は恩田ハーレムを築いていたことだろう? オールハッピー。手毬唄連続殺人、見事に回避♫
2023-10-24 14:34:57「東西ミステリーベスト100」(2012年度版)東西戦 ◎第101位から第110位くらい 高橋克彦『写楽殺人事件』(1983年)vs ピーター・ラヴゼイ『偽のデュー警部』(1982年) pic.twitter.com/fyrSQ7oOjn
2023-10-25 01:43:37私はミステリ感想とやらをそこそこの数あげている。語彙の少なさ、表現能力の乏しさ四苦八苦の日々だが、それでも、意識的に使を避けている便利ワードが幾つかある。 その一つが「天才」だ。 「天才」は自分が天才認定してる作家にのみ与えられるべき啓示だと思っているため、おいそれとは使えない。
2023-10-25 01:43:54天才作家とは何なのか? は言語化による定義が難しい。物語の編み方に凡百の作家とは異なるセンスがある作家? んーっ、感覚的。 すごいトリックとか、すごい主張とかそういのを超越したところにある凄味、といったとこ? まあいい。私が個人的に認定してる天才作家、その筆頭にいるのが高橋克彦だ。
2023-10-25 01:43:54『写楽殺人事件』 歴史解明ミステリが構造的に抱えてしまう諸問題の全てを逆手に取ることで利用しきった空前絶後の作品である。現代の殺人事件がパッと見(実際?)、派手さにかけた薄味ではあるが、歴史解明部分とのリンクがきちんと目に入れられるようになると、その造作に腰抜かすこと必至だろう
2023-10-25 01:44:40そして、以後の高橋克彦ミステリ作品を鑑みるに、『写楽殺人事件』での革新的で天才的アプローチはこれきり。作品毎での歴史的な謎に対し、都度都度、方法論の異なる唯一性の高い料理法を打ち出してくるわけだから堪らない。たぶん「写楽」のアプローチ、それほど苦悩せず天然自然でやっているよね
2023-10-25 01:44:40今回読み返して気づいた点で言うと、その後の作品で大満開で花開く、天才・高橋克彦の大浪漫が、このデビュー作品の段階では気配すらなかったということね。 ちょっと硬い。 隙なく書こうとしているところが、逆に隙になっているんだよね。 『北斎殺人事件』と比べると、「写楽」はまだ習作の域じゃね
2023-10-25 01:44:40そうなの。『写楽殺人事件』って乱歩賞史上、また、歴史解明ミステリ史上、屈指の大傑作なんだけど、天才・高橋克彦作品史上でいうと、結構下のほうだったりするのよね。【浮世絵三部作】は、 広重 > 北斎 > 写楽 だから、そのことは夢ゆめ忘れてはならぬのだ。
2023-10-25 01:44:41ちなみに結構なネタバレなんだけど、『写楽殺人事件』を起点にした【浮世絵三部作】は、三作品での序破急構造になっており、一つのお話としてカチッと見て取ることが出来る。 正直、単体毎では苦しいがひとまとめで考えると、クイーンの【悲劇四部作】を遥かに凌駕する出来栄えだったりするんだよなぁ
2023-10-25 01:44:41才気が先走った創作スタイルなので、失敗するときは大失敗するのも高橋克彦の魅力だ。 いつか、読者マラソンをやりたい作家の一人でもあるよ(中途半端に抱えたままのノルマ、消化しなくちゃなので……、ホンマにいつかのお話だ)
2023-10-25 01:48:08