創作の基礎としての「換骨奪胎」のコツとは~榊一郎氏、葛西伸哉氏らが語る

「パクり」とは全く別の、創作の基礎としての換骨奪胎、構造やテーマを流用した上での創作とは?
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榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

私は大学で創作方法の基礎として『換骨奪胎』方式を教えているけれど、これを『それってパクリですよね』と言う人はまあ、外野には一定数いて居なくならない(さすがに生徒で言ってきた人は未だいない)。 実際に基本構造だけ、あるいはテーマだけの状態にまで分解して、組み付ける部品を別物にして

2023-09-07 11:34:59
榊一郎@来年度のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

基本ラノベ作家なのですが。最近はゲームとかアニメとか漫画の脚本その他の仕事の方が多かったりも。まあ物語系文筆業の何でも屋とでも。あ、巻き込みリプには基本的に返事いたしませぬので、どうかひとつ(何?

榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

馴染ませてやれば、『え? それ、あれが元ネタなの?』ってくらいに別物に仕上がるのを、生徒さんらの目の前でやって見せるから、大抵は「ああ、なるほど」と納得してくれるけれど。

2023-09-07 11:36:07
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

ちなみに同じく『三題噺』方式で生徒さんらからお題を募って組み立てるやつもやってるが、これで出来上がったプロットを仕事で使う場合には、『まあ、君等もお題出しに加わったから、これが仕事になってお金が発生したら、言ってきなさい、飯くらいはおごるよ』とは言ってますがw

2023-09-07 11:38:10
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

ちなみに、ここでポイントは『お題出し』に加わったという点で、この時点では『アイデア』ですらない。 単なる思い付きの単語を物語のパーツとしてアイデアに昇華する作業は私がやってるので、仮に『アイデア』に権利なるものが発生したとしても、私が仕事で使う分には特に問題が無い。

2023-09-07 11:50:15
葛西伸哉 ラノベ作家 @kasai_sinya

私も講師時代、これを『ダイハード』でやってた。 A・適度な規模の閉鎖環境が武装勢力に占拠されて B・「たまたま居合わせた、対抗能力を持つ主人公が」それを解決する。 これのAとBの具体案を学生から出させて、投票で選んで即興で話をでっち上げるのだけど → twitter.com/ichiro_sakaki/…

2023-09-08 10:52:29
葛西伸哉 ラノベ作家 @kasai_sinya

ラノベ作家。『封印魔竜が最強の仲間たちと~』(HJ文庫)ほか発売中! amazon著者ページはこちら。 amazon.co.jp/-/e/B004LP13GK

葛西伸哉 ラノベ作家 @kasai_sinya

→ 実はBにはふたつのブレイクポイントがあって 1:対抗能力は「武力」に限らない。 ここに気付かないと、主人公が傭兵だとか格闘家だとかになって元ネタの刑事とあまり差がなくなってしまう。 この対抗能力が「自宅だから地の利がある」なのが『ホーム・アローン』。

2023-09-08 10:52:30
葛西伸哉 ラノベ作家 @kasai_sinya

2:対抗能力は「非現実」でも構わない。 知力や技術に限定されない。例えば「実は魔法使い」とかでも面白くなる。 これで「主人公はサンタ」にした例が『ブラッディ・ナイト』なんてのがある。 →

2023-09-08 10:52:30
葛西伸哉 ラノベ作家 @kasai_sinya

これで「その舞台ならでは」「その主人公ならでは」の面白さを頑張って追求すると『ダイハード』『エアフォース・ワン』『沈黙の戦艦』『ホワイトハウス・ダウン』などと構造は一緒でも「面白さの種類」は別モノがちゃんと出力される。

2023-09-08 10:54:41
葛西伸哉 ラノベ作家 @kasai_sinya

hobbyjapan.co.jp/books/book/b12… 担当さんとの打ち合わせの際の説明。 「ルルーシュとスザクの能力を併せ持つ主人公が、バビル二世のみっつのしもべを率いて大暴れする話です」

2023-09-08 10:59:38
DK @game_sennin

RT>私も講師時代、これ(換骨奪胎)を『ダイハード』でやってた 葛西先生も実践されていたようで、他にも大塚英志さんが著書『物語の体操』で「パクリとよばれないようにパクる方法」として紹介してたりする。 ストーリー構成の練習としては割と定番の方法で、慣れたら完全オリジナルを作るって流れ pic.twitter.com/Xsp6hj2jHp twitter.com/kasai_sinya/st…

2023-09-08 11:09:42
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ラグナ録 @ragunaroku210

@ichiro_sakaki 本題とは関係ない話になってしまうかもしれませんが、パクリとパクリなんだけどそうと気づかせない作品の明らかな相違点ってどういったところだと思いますか?

2023-09-08 04:01:34
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

@ragunaroku210 パクリなんだけどそうと気づかせない作品ってもののイメージが湧きません。私が言う『換骨奪胎』もつまりはパクリだとおっしゃりたいという事ですか?

2023-09-08 11:03:08
ラグナ録 @ragunaroku210

@ichiro_sakaki いいえ、決してそういう意味ではありません。 「パクリなんだけどそうと気づかせない」という表現が悪かったです、私が言いたかったのは「似た要素があるけど受け入れられる作品」と「そうでない作品」という意味でお聞きしたかっただけです。 先生のアイデアをパクリなどというつもりは全くありません

2023-09-08 11:16:47
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

@ragunaroku210 了解しました。誤解申し訳ない。 私の考えをご説明すると、ちと長めになりますがよろしいか?

2023-09-08 11:18:23
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

@ragunaroku210 まず、パクリ、というものについて、『非難する』人達の認識として、恐らくは『何かを作り上げるにあたって、相応の努力をせずに他人の成果をかすめとる卑劣な行為』なのではないかと考える訳ですが、

2023-09-08 11:21:14
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

@ragunaroku210 この理屈でいくと『相応の努力』を払っていれば、卑劣ではないと認識されるのではないかと。 特に創作においては『考え』を売る部分が結構なウェイトを占めるので、『無思考でまんま真似た』場合は、『考え無しに』『他人の成果を横取りしている』と認識されるし、逆に、

2023-09-08 11:23:23
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

@ragunaroku210 徹底して細かく分析し自分なりに再構築する作業は、恐らく『パクられ』元になった作品の製作者ですら、意識的か無意識的かはさておき、行っている筈なので、

2023-09-08 11:24:26
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

@ragunaroku210 つまりは、自分の読書体験、鑑賞体験から、どれだけ『自分で』思考を積み上げていったかが見えていれば、基本構造を流用しても、あるいはテーマを流用しても、『パクリ』と非難される事はないのだと思っています。

2023-09-08 11:26:06
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

@ragunaroku210 同時に、人間はどうしても表面的な構成要素に眼が行きがちなので、例えば、その時流行っている作品の、目立つ構成要素が重複すれば、ノータイムでパクリだ! と思ってしまう可能性がある。

2023-09-08 11:27:12
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

@ragunaroku210 エヴァンゲリオンが流行っていた頃の『キリスト教ネタ』や『まどかマギカ』が流行っていた頃の魔法少女ネタがその典型で、構造やキャラ配置が大きく違っていてもこれをパクリだと非難する人達は居て、

2023-09-08 11:28:21
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

@ragunaroku210 彼等の行為と認識の是非はさておき、そういう世間的な傾向があるというのなら、上手く換骨奪胎、流用を行いたいなら、元になった作品の目立つ構成要素について、はっきりと別と分かる何かにする、というのが望ましいと考えます。

2023-09-08 11:29:45
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

@ragunaroku210 私の作品でいえば『カタナなでしこ』は高校生の少女達が日本刀の装具を造る話ですが、この企画を考えた当初、頭にあったのは『けいおん!』です。 要するに女子高生達が集まってきて何かを成し遂げる、という構造をそのまま流用するにあたって『バンド活動』ではなく『カタナの装具造り』にしたと。

2023-09-08 11:31:27
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