お玉さんの読書マラソン企画「本格力を高めよう サンシャイン」(6部)

お玉と毒でんぱ @ottama709

また、（あくまで仮説だが）こうべ→おにこうべ、と音の響きからセンセイは置き換え地名を作っている。 おにこうべむら これに漢字を当てるとするなら確かに「鬼首村」だが、「鬼頭村」の方がより地名としてはしっくり来る。

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「オレ、『夜歩く』では「鬼頭村」を使っていたよな？」 ラクをして書き上げた（清書した）事件ファイルなので、センセイは曖昧になっている。 「「鬼首村」という実際の地名があるのだから、昔のオレが使うわけないよな」 センセイがそう思い込むのも無理のない話だ。

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【鬼首村問題】16 あっ、 センシティブな問題を含んでいるため『夜歩く』だけではなく『八つ墓村』や『悪魔が来りて笛を吹く』などの諸作品で地名や人名のボヤかしや名称変更をセンセイは行ったと言いましたが、『悪魔の手毬唄』ではそれらの処理は行われていません。 そちらは後述します。

お玉と毒でんぱ @ottama709

「センセイの熱心な読者からの指摘は無かったのか？」 「編集校正でひっかからなかったのか？」 「そもそも、使用した村の名前が曖昧だったのなら、『夜歩く』読み返せばいいんじゃないの？」 あたりと繋がってくるんですよね、ここは。でも先に→

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【鬼首村問題】17 先に、センセイは『夜歩く』にて「鬼頭村」ではなく「鬼首村」という名称を、何故、使ってしまったのか？ を推理です。 元々別の県（私の推察では兵庫県）の事件を岡山県に置き換えたのは、それまでに発表されていた事件ファイルのうち、二作品が岡山県の事件だったからでしょう

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にわかに受け入れ難い異常犯罪事件は岡山県にこそ相応しい。 そんな偏見もあるだろうし、元々は推理作家の原稿だった作品からの異質感の抜き出し、同じカテゴライズに収めることによる統一感の造成、という意図もセンセイにはあったのだろう？ 金田一耕助という名探偵と岡山県は運命的な相性だからね

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ここで考えてみる、センセイは金田一耕助からの事件解決法を待つ、待ちだけの人であっただろうか？ と。 答えは否だろう。 現在進行形で異常大事件が起こり続ける岡山。きっと未来もそうなるだろうし、過去もそうだったに違いない。 未来予想は無理だけど、過去を探ること、それは出来るよね

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【鬼首村問題】18 またまた仮定の仮説であるが、センセイは岡山県で起きた事件を色々漁っている。 某三十二人殺しも金田一耕助より先んじて知識として押さえていたはずだし、探偵小説作家として昭和七年の青池原治郎殺しなんて食指そそられる怪事件のはずだ。 頭が焼かれ潰された死体！

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でもって、頭が焼かれ顔が分からない死体の殺人事件は、鬼首村（おにこべむら）という奇怪な名前の村で発生している。 センセイは探偵小説家なので、この件について考えを巡らせていても不思議じゃない。 頭が焼かれた死体が、鬼首村！ そして、『夜歩く』には、首が斬られた死体が発生する。

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『夜歩く』は兵庫県神戸市の事件と推察した。 ボヤかしのため置き換え時、金田一耕助のホームのため兵庫は岡山に変えられた。 そして、神戸から「おにこうべ」へと。その「おにこうべ」にどの漢字を当てるか……、の段階において、実在の場所、実際の事件に引っ張られてしまう。

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【鬼首村問題】19 岡山県に鬼首村という名の村がある。 その村では過去殺人事件があり、また村内で派閥があり、色々ややこしいことになっている。 そんな実在の村名は、通常モードのセンセイなら使用しないであろう。 でも、『夜歩く』事件で首の斬られた死体が出て来てしまった。

お玉と毒でんぱ @ottama709

推理作家の原稿の書き換え時、鬼頭村という架空地名はセンセイの頭の中にあったはずだ。『夜歩く』にはいかがわしく猟奇的側面もある。こんな事件が発生したことを認定されたら、困る人たちだって少なからずいるだろう。 でも、鬼首村＝頭の焼かれた死体、という情報もセンセイの頭の中にはある。

お玉と毒でんぱ @ottama709

だから『夜歩く』の固有名詞置き換えをローラー的に行っていたとき、センセイは村の名前に「鬼首村」を無意識に採択してしまった。 この後何も起きなければ良かったんだけど……、 金田一耕助は『夜歩く』の十年後、昭和七年の事件をも掘り返すこととなる鬼首村の事件に関与することになるんよね

お玉と毒でんぱ @ottama709

と、今晩はここまで。 推理のアウトプットが下手なので、まとめると ⚪︎『悪魔の手毬唄』で「鬼首村」という名前が出て来るのに、『夜歩く』の言及をしないのは、『夜歩く』が別の推理作家が書いた原稿をちょこっと修正した内容物だったので、『夜歩く』で「鬼首村」名称を使用してたのを忘れてた

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⚪︎本来の『夜歩く』事件は別の県の別の場所で発生している。 ⚪︎『夜歩く』にて「鬼首村」名称を使用したのは、探偵作家のセンセイが昭和七年の鬼首村事件を知っており、そちらに引っ張られたから

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⚪︎金田一耕助は『夜歩く』の元原稿を読んでいるので、センセイがちょこっと書き換えた『夜歩く』は読んでない。磯川警部は元々『夜歩く』事件に絡んでない。そのため、この二人はセンセイ版の『夜歩く』で「鬼首村」名称が使用されていることを知らない となりますね。

お玉と毒でんぱ @ottama709

でもって、明日は【鬼首村問題】の続きで、 連投ポストの中でコソッと言った、 探偵作家のセンセイは地名とか人名を基本ボカすのに、『悪魔の手毬唄』では実際の「鬼首村」という地名をボカさず書いた について語っていきます。 妄想全開、メタレベル満載の『悪魔の手毬唄』考察。おつきあいをば

お玉と毒でんぱ @ottama709

あら、さて

お玉と毒でんぱ @ottama709

さて、昨日の続き、『悪魔の手毬唄』考察となります。 昨日と同様、手毬唄見立て殺人事件を考察するための前段階、そのお話となりますぜよ。 かわいがってつかあさい。

お玉と毒でんぱ @ottama709

【鬼首村問題】20 『悪魔の手毬唄』事件ファイルにおいて、センセイは「鬼首村」の名前をそのまま使用している。 『八つ墓村』や『悪魔が来りて笛を吹く』ではセンシティブな内容に対しボカしを入れている。でも『悪魔の手毬唄』ではセンシティブな部分を直にそのまま読者に伝えようとしているのだ。

お玉と毒でんぱ @ottama709

【鬼首村問題】21 『悪魔の手毬唄』が過去の事件と違うのは、先の事件は大探偵時代中に解決したケースだったのに対し、鬼首村手毬唄見立て殺人は昭和三十年。 探偵小説から推理小説、戦後動乱期から経済発展期、等々、様々な日本的価値観の置き換えられた、そんな時期の事件であるおいうことだ。

お玉と毒でんぱ @ottama709

大探偵時代の庶民は、生活において未来への不安を覚える人々であった。その不安を少しでも払拭させるため怪事件の真相を小説に求めた。 だが、日本が経済的に豊かになりつつある。 同時にミステリ小説に求められていることも変容していく。より刺激的に、よりスケールが大きく、よりスキャンダルに……

お玉と毒でんぱ @ottama709

僕たち令和の人間は『悪魔の手毬唄』を、かっての日本にてエース級の活躍をした名探偵、金田一耕助が登場する本格ミステリの一遍として捉えている。 でも、当時、リアルタイムでこれを読んでいた人たちに連載を追っていた人たちにとっての『悪魔の手毬唄』ってどうだったのだろうか？

お玉と毒でんぱ @ottama709

【鬼首村問題】22 先程、『悪魔の手毬唄』は地名も人物名もボヤかすことなく、そのまま書かれたと述べた。鬼首村見立て連続殺人の経緯は、まんま『悪魔の手毬唄』の中に記載されている。 だって、みんな気になって追ってたよね、 あの人気歌手・大空ゆかりが故郷の地で殺人事件に巻き込まれたんだよ

お玉と毒でんぱ @ottama709

大空ゆかりの凱旋帰郷の最中、彼女の友人が立て続けに殺されたんだよ。しかも、その死体には奇怪で意味不明な加工がなされていたんだ。 しかも、事件の発生から解決のスピードまでが短期間過ぎて岡山県警からの情報が交錯しまくったカタチだろう。新聞に出された記事は簡素な事実のみに違いない