ひきこもり支援のケースの進め方・考え方

@rain_00さんによる,ひきこもり支援のケースの進め方について。 ●関連 ひきこもり支援と発達障害の特性 http://togetter.com/li/229353 続きを読む
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@rain_00

はい!ではご要望にお応えして、ひきこもり支援研修のまとめpart3も連続ツイートしたいと思います!今回は支援者視点。支援方針をどうするのかという所。ケース展開で意識したい所をまとめています。

2011-12-20 20:42:04
@rain_00

◆家族支援:ひきこもり支援において、最初に出会うのは家族(家族=Cl. 本人=IPという概念)なので、まずは情報収集をする。この時大事なのは、家族>本人、の順で情報収集する。理由としては家族がダメダメだとそこから本人の情報を集めてもアテにならないから。

2011-12-20 20:42:26
@rain_00

1:自我機能を知る:家族の語りの整合性・客観性、自他の境界。これが怪しいと、話を聴いていても、誰の話なのか確認しないと判らない(本人が思った?家族が思った?と訊き直さないと話がよく判らない、そして時系列もぐちゃぐちゃなので、10年以上前のことが昨日のことのように語られたりする)

2011-12-20 20:42:50
@rain_00

2:問題解決能力:家族の力量、支援者の力量の兼ね合いを勘案する。このタッグで何とかできるか、ということを考えた時、「ダメだなこりゃ」と思ったら、家族側の問題の時は別のキーパーソンになり得る誰かを探し連れてくる。支援者側の問題は数を増やしてみたりする。

2011-12-20 20:43:09
@rain_00

家族の問題解決能力は、想像力、共感性、実行力、一貫性、柔軟性の5つ。1、2:想像力、共感性→「××したら本人はどう思うか」と考えられるか 3:実行力→こちらの指示したことを実行できるか 4:一貫性→一度決めたことを続けられるか 5:柔軟性→状況の変化に対し方策を変えられるか

2011-12-20 20:44:07
@rain_00

◆本人の情報収集 1:本人の言っていること、示す反応 2:発達歴、成育歴、生活歴 3:問題発言までのストーリー

2011-12-20 20:44:34
@rain_00

ここで重要なのは、家族の話から本人の姿が像を結ぶかどうか(ここでの家族の言う診断名は参考程度、家族は「××(病名)」と言うかもしれないが、そこは主ではない)。

2011-12-20 20:45:01
@rain_00

家族の主観が入ると、像がぶれてしまうので、なるべく「普段言っていること」「示す反応」を抽出してもらう。「こんな時に、こんな反応した」という形で情報収集をすると比較的正確に情報収集可能。

2011-12-20 20:45:07
@rain_00

◆家族相談の目的と方針 1:家族相談は本人に会えるまでのプロセスと捉え、本人の受診、来談、訪問、往診を受け入れるまでの手順や手段を話し合う(受診・相談勧奨)

2011-12-20 20:45:32
@rain_00

◆家族相談の目的と方針 2:家族に働きかけ、家族システムや家族同士のコミュニケーションパターンの変化を通して、本人への問題や行動に変化を生じさせる(システミックアプローチ)

2011-12-20 20:45:48
@rain_00

◆家族相談の目的と方針 3:本人の心理や精神医学的問題について理解を深め、適切な親役割を果たせるように働きかける(心理教育的アプローチ)

2011-12-20 20:46:07
@rain_00

◆家族相談の目的と方針 4:親自身の不安や葛藤について話し合う(洞察的アプローチ)

2011-12-20 20:46:24
@rain_00

・システミックアプローチの視点は大切。とりわけ母⇔息子で、密着すると状況が悪化する(息子がどんどん退行し一体化する)。ここで父や第三者の介入を意識すると、退行が止まることがある。

2011-12-20 20:46:37
@rain_00

・4の洞察的アプローチをダラダラしていても本人が一向に動かないこともあるので、一回は本人に相談に行ってみるようにと勧めさせる(関係が悪くない場合)。案外、それで本人が相談に来る場合もあるので、状況は見極めて動くことが大事。

2011-12-20 20:47:03
@rain_00

◆介入困難事例の条件 1:顕著なひきこもり 2:こだわりの強さ 3:思い通りにならないことへの耐性の低さ 4:易怒性、衝動性が高い 5:共感性の乏しさ 6:母子家庭または父親の心理的不在 7:母子密着 8:家族の問題解決能力が著しく低い 9:家族の不決断と一貫性・継続性の欠如

2011-12-20 20:47:47
@rain_00

00年代のひきこもり犯罪なんかは、結構、支援機関につながっているケースが多く、なのに悲惨な結末になったということがあるんだって。事件の当日が24条の移送をする日だったとか、外泊中だとか色々。結構こういうのは表に出ませんよ、ということですね。そういうのあると思う。

2011-12-20 20:48:16
@rain_00

◆危機介入のコツ1:家族の来談動機や明確な意向を求めない→「お母さんはどうしたいですか?」などと訊かないことが大事(決められる力が無い人に訊くと混乱を招くだけ) 2:家族が新たに出来る「ほんの少しのこと」を探る 3:家族とは別のキーパーソンを探す(家族に力が無い場合)

2011-12-20 20:48:45
@rain_00

◆危機介入のコツ 4:法的介入について検討する→この業界だとどうしても精神保健福祉法(24条→措置入院)などを思い浮かべがちであるが、他法についても検討。少年法、児童福祉法、刑法などが使えることがある。武器収集などしていたら虞犯で家裁送致にし、審判の後、治療命令を使う方法も。

2011-12-20 20:49:32
@rain_00

◆危機介入のコツ 5:生活の変化、介入に対する本人の反応を探る

2011-12-20 20:49:53
@rain_00

◆危機介入のコツ 6:『わかっている』病院や医師の確保→地域で体制を整えても、受け入れ先が無かったり、ひきこもりに見識のない医師にあたってしまうと状況が悪化するため、普段の支援活動をしながら、頼りになる病院や医師を探しておく。

2011-12-20 20:50:12
@rain_00

頼りになる医師は平時につまらないことを頼んだりせず、切り札として大切に付き合う(超重要)。紹介に失敗したらそれは紹介した側の責任であることを意識する。

2011-12-20 20:50:25
@rain_00

◆危機介入のコツ 7:受診援助、マンパワーの確保 8:一度失敗しても諦めない、何度でもトライする 9:しかし、条件が整わない時は無理をしない(無理に訪問したら刺されたりすることもある)

2011-12-20 20:51:01
@rain_00

◆危機介入のコツ 10:入院後、病院/本人との意思疎通を欠かさない 11:退院後の生活設計を急ぐ→病院は回転が早いので入院したらすぐ動かないと何も準備が追いつかないまま退院になってしまう。

2011-12-20 20:51:19
@rain_00

◆訪問のリスク:意識していないと、大変な事故が起こる(訪問支援をしている人は結構、危険そうなケースには勘が働くらしい) 

2011-12-20 20:52:01
@rain_00

これは自分も訪問仕事するけど、ひきこもりに限らず危ないケースはなんとなくわかる。多分、開けたら包丁を突きつけられたり、植木鉢投げられたり(これはもう24条ケース)が日常的にある。そういう時は事前の情報収集が超重要。

2011-12-20 20:52:29