ひきこもり支援と発達障害の特性

@rain_00さんによる,ひきこもり支援における見立ての話,そして,発達障害の特性を考慮した支援を考える。 ●関連 日本の不登校概念の歴史的変遷について~decostatwさんによる http://togetter.com/li/225414
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@rain_00

◆ひきこもり問題の背景:背景を考える時には、生物的要因/心理的要因/社会的要因の三点から捉えてバランスよく見立てることが大事。1点集中ではダメ。行政の相談支援機関においては生物的要因を落とすことが多いのでより注意が必要とのこと。特に軽度の知的障害が一番見落とされている。

2011-12-18 16:24:21
@rain_00

例1…不登校ケース:IQ70(生物的要因)、家族・学校がそのことに気付かずに出来ない子として接しタスクを課す(社会的要因)→本人は自信を無くし辛くなって不登校になる(心理的要因)

2011-12-18 16:24:31
@rain_00

例2…成人のひきこもりケース:IQ70(生物的要因)、一般就労では雇用機会が無い(昔はIQ70位でも大丈夫な職場があったが、現在は殆どない)(社会的要因)→就活しても上手くいかないので自信を無くし燃え尽きてひきこもりになる(心理的要因)

2011-12-18 16:24:50
@rain_00

生物的要因→医師、心理的要因→心理、社会的要因→福祉、と分担すると良い。相談支援機関の精神科医は数が少なく、どうしても生物的要因について考える視点が欠ける。だからと言ってよくわからないのに病院にリファーするのは論外。

2011-12-18 16:25:14
@rain_00

◆アセスメントの視点:1、緊急性の判断と危機介入 2、精神科医療(まずは薬物療法)の必要性 3、発達特性を踏まえた支援の必要性

2011-12-18 16:26:20
@rain_00

◆アセスメントの視点:4、社会参加のレベルと支援のゴール 5、福祉サービスの必要性 6、孤立/回避のメカニズム(防衛機制):どのようなものを避けているか 7、環境要因の評価(家族機能) 8、支援方法と支援経過の評価

2011-12-18 16:26:42
@rain_00

1を外すと、事件(子殺し、親殺し、無差別)につながる 2~3を外すと、病院にリファーできない 4~5を外すと、社会資源の選定を間違う(福祉的就労の人を一般就労に乗せたりとか) 6は、そのケースと関わる上でのヒントとなる。ケースが行き詰まった時に必要

2011-12-18 16:27:21
@rain_00

見立ては超重要。実際の診断がついていようが、関わった支援者がまず自分で見立てる。

2011-12-18 16:27:54
@rain_00

まずはどこかがしっかり継続的な支援をする。リファーのことだけ考えて取り組むとダメ。何故なら年単位で時間が掛かるから。しかもケースの歩みはゆっくりなので、支援者は「これで大丈夫???」と不安になる。そのために、8のようにチームでケースを検討できる機能が必要。

2011-12-18 16:28:09
@rain_00

part1は以上。で、part2へ。発達障害の特性の話などなど。

2011-12-18 16:32:06
切り取り線 @kiri_tori

✄------------ PM 4:00 ------------✄

2011-12-18 16:00:13
@rain_00

◆発達障害の人が困ること:1、抽象的な訊き方。文脈に拠るもの。 例1:「調子はどう?(何がどうなのかわからない)」、例2:「今日学校は?」→「この時間は平日の昼間で学校のある時間だけど、今日面接に来たということは学校は休んできたの?」と訊くとわかる。

2011-12-18 16:32:33
@rain_00

例3:「お父さんも定年だしあなたも色々考えないとね」→「お父さんは定年で収入が無くなります。父母は年金をもらえるので生活できますが、子供の面倒まではみることができない。あなたは収入を得ないといけない。その方法には働く、障害年金などがあります。あなたは今すぐ働けそうか?」と訊く。

2011-12-18 16:33:50
@rain_00

◆発達障害の人が困ること:2、道がわからない。列に並べない、方向がわからない。動きを読むことが苦手。例1:あるCl.は大学まで自転車通学しているが、道が全然判らないので、「山に向かって1時間ほどまっすぐ走ると大学に辿り着く」という。曇りの日は山が見えないので判らなくなる。

2011-12-18 16:36:17
@rain_00

◆導入から初回面接までに配慮すること…面接とは新しいことであるため、新しいことが苦手な発達障害の人にはかなり工夫が必要。Cl.の方から「これは嫌」などの表出は初期は得られないのでかなり観察をしたり配慮する。

2011-12-18 16:36:44
@rain_00

1、面接開始の手続きや構造の工夫:日時→昼夜逆転している場合がある。本人なりの日課(決まりごと)があるかもしれないので、それに重なるとキャンセルされることがある。

2011-12-18 16:37:46
@rain_00

1、面接開始の手続きや構造の工夫:交通手段→地図だけでは難しいことの方が多い。リファーの場合は、前の支援機関の職員が同行して(何回も)道を教えたりする必要がある。

2011-12-18 16:38:09
@rain_00

1、面接開始の手続きや構造の工夫:感覚過敏(音、色、におい)→相談機関の中がうるさい、色合いがキツイ(本人にとって)、壁紙の臭いなど。これは本人は表出しないまま、もういやだと来なくなることが多いため、よく確認する必要がある。

2011-12-18 16:38:35
@rain_00

1、面接開始の手続きや構造の工夫:キャンセル、再予約の仕方…キャンセルの仕方がわからない→無断欠席、再予約の仕方が解らない→いったん休んでしまったらそのまま途切れる 

2011-12-18 16:39:54
@rain_00

キャンセルや再予約の仕方(電話の手順、電話したら××の部署につないでもらって△△と言って手続して貰う、など)を紙に書くなりして渡しておく方が良い

2011-12-18 16:40:01
@rain_00

2、具体的、簡潔な言葉づかい。断定的な方が良い場合もある。どの程度の抽象性が理解できるかは何回か試してみて判断する。 

2011-12-18 16:40:19
@rain_00

3、Cl.が話しやすい話題、様式(ゲームをするなど)を探る。視覚的ツールを使うとやりやすいこともある。図や座標軸で説明する。

2011-12-18 16:40:30
@rain_00

4、通常のセラピー枠のように中立性にこだわり過ぎない。(「あなたの気持ちはどうですか」「あなたはどうしたいですか」系の基本的質問が軒並みダメなので)。playfulな雰囲気が必要だが、冗談や社交辞令は通じないので控えた方が良い(冗談を言って笑うと、被害的に受け止められたりする)

2011-12-18 16:40:49
@rain_00

◆発達障害とSSTの活用…発達障害の人がSSTを活用できる条件は、1:言語表現がわかること 2:他人の体験を追体験できる能力があること(似たような問題があるとわかること) 3:・他人に助けを求める発想があること(SSTは他人に助けを求めたいけど求められない人のためのもの) 

2011-12-18 16:41:58
@rain_00

これを無視してグループに突っ込むと成果が出ない。SST信仰の支援者が陥るパターンはこのアセスメント不足。

2011-12-18 16:42:03