三国志こばなし集2024年3月号(上)現パロ編

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孫権「母上が食堂で働いている!?」 孫策「飯も呉景叔父貴引き摺り出して作ってもらってんだぜ？」 孫尚香「道理であんな美味しくなったわけね…」 権「私たちの年に一度の楽しみだったご馳走が…」 策「学食の昼飯で食い放題ってな…」 尚「学生価格で…」 権「叔父上の店へお礼に行ってきます、兄上」

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張昭「理事長がわしを食事に伴うなど、どういう風の吹き回しですかな？」 権「くれぐれも日頃の言動を慎めよ、校長」 張「どの口が？」 諸葛瑾「そんなにご高名な料理人の方なんですか？」 権「あの店を仕切ってるんだぞ？」 張「!?」 諸「…いつも目に止まるだけで入る勇気も出なかったお店だ」

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呉景「やあ仲謀くん！」 権「此度は我が校の学食で大変なお世話に…」 呉「いいっていいって！」 権「…本当のところは？」 呉「…姉貴に逆らえるわけねえだろ？」 権「ですよな！」 呉「まあやるからにはとことんやらせてくれよ！」 張「生徒たちにこの有り難みを布告せねばなるまい」 諸「全くです」

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孫権…これが夜の店の相場だぞ、二人とも。 張昭…目玉が飛び出るほどだったが、納得の味と店の佇まいに打たれてしまった。 諸葛瑾…我ら教職員まで学生価格でいただいて良いのでしょうか？ 呉景…孫呉高校近隣一番の高級料理店料理長が、姉の無茶振りでお昼の高校食堂に引き抜かれ日々大盤振る舞い。

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孫策…食堂内で母が目を光らせていると思うと、彼ですら落ち着いて食えなくなってしまう。 孫尚香…体育の教育実習生として生徒から親しまれている。卒業後は体育教師として赴任する予定。

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孫悟空「波〜っ！！」 敵「うわあ！！」 曹操「ふむ…」 郭嘉「懐かしいですね」 荀彧「同級生が練習してました」 曹「エネルギー弾とやらは何でできていると思う？」 郭「エネルギー、気ですね」 曹「あれは熱エネルギーなのか？」 荀「敵が骨も残らず消え失せているので、恐らく…」 曹「少し待て」

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郭「…」 荀「…」 曹「では、ぶつけた相手が骨も残らず消え失せるほどの熱エネルギーを貯められる孫悟空の掌は何でできているのだ？」 荀「…確かに」 郭「私は人間の気を熱エネルギーに変換して掌に蓄える機構が気になりました」 曹「全くだ！」 荀「新世代のエネルギーとして有効活用するべきです」

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曹「どこから議論を始めようか」 荀「まずは気を定義しません？」 郭「そもそも気は存在すると思いますか？」 曹「私は元譲の殺気を感じる事が多々ある」 荀「例え目に見えなくとも、気が存在しないとは考え難いです」 郭「では気を発する事はできますか？」 曹「ぬうん！」 ブッ！ 荀「馬鹿野郎！」

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曹操「溜めすぎた」 荀彧「この臭気！」 郭嘉「夏侯惇殿の飯を食ってこの臭気とは…」 荀「いかに腹の中が腐っているかの証だ！」 曹「そこまで言うな！」 郭「臭気の気も同じ気ですね」 荀「つまり気とは、気体として定義するのが良いのかな…」 曹「今の私の尻からの気が、液体か固体だったなら？」

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荀「絶縁します」 郭「私も」 曹「言いすぎだろう！さっきから！」 荀「例えが最悪なんですよ！」 郭「でも待ってください…」 曹「おう」 郭「孫悟空のエネルギー弾は気体なんですか？」 荀「む！」 曹「我らが発する気に色はつくのかな」 郭「少なくとも屁に色が付かなくて本当に良かったですよね」

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荀「ですがエネルギー弾が液体、ひいては固体とは到底思えない」 曹「攻撃手段が抜本的に変わってくるぞ」 郭「つまり孫悟空は発した気を掌で気体から液体に凝縮してるんですか？」 荀「そして熱エネルギーに変換し、相手にぶつけるのか…」 曹「空気や天然ガスの液化技術は人類に多大な貢献をしたな」

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曹操「気体と液体の中間地点にしているのかな…」 荀彧「ちょっと待ってください！」 郭嘉「どうしました？」 荀「凝縮とは本来気体の熱を奪い液体にすることを意味しませんか？」 曹「そうだった！」 郭「ならば、気体をさらに気化させるような何かが掌で起きている事になる！」 荀「それが正体だ！」

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曹「見事な着眼点だ文若！」 郭「気体をさらに熱したり手を加えたりする事で生じた何かがエネルギー弾なんですね！」 荀「物質に第四形態があったとは…」 曹「エネルギー弾の形状とは、気体をさらに激したり熱したりした物質の第四形態である事を、我らの共通認識として話を進めようか」 荀「はい！」

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郭「水は百度で沸点に達して気体になりますけど」 曹「その気体をさらに激しく熱する事でエネルギー弾としているのだな」 荀「火傷じゃすみませんよね」 郭「本来なら敵にぶつける以前に、自分が気化してしまうじゃないですか」 曹「ならば孫悟空の掌だけではなく、全身構造まで論点を広げなければな」

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荀彧「いや、それほど苛烈なエネルギー放出ならば、孫悟空から発せられる熱で周囲が焦土になりませんか？」 曹操「…確かに」 郭嘉「それを掌で漏れないよう封じ込めているのでは？」 曹「好意的に解釈するなればそうなるが」 荀「うっかり漏らしでもしたら？」 郭「覆水盆に返らずどころじゃないな」

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曹「貯める段階の漏れに目を瞑ったとしてもだな」 荀「その通り。敵とはいえ放出しちゃってるじゃないですか」 郭「大爆発してますもんね」 曹「例えばダイナマイトと比較するなら？」 郭「ダイナマイト1Kgでおよそ1800カロリーのエネルギーを放出すると」 荀「つまり、水1kgを1800度上げる熱です」

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曹「鉄すら溶かすんじゃないか？」 郭「工業用の溶鉱炉くらいの熱だと」 荀「火山岩ですら700度から1200度の範囲で溶け切ってしまうんですって…」 曹「とんでもないな」 郭「だから彼らの戦う場所は廃墟を選択しているのかもしれませんよね」 荀「一理ある」 曹「過去何度も戦いがあったのだろうな」

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曹操「ちょうど元譲の鍋つかみが二つある」 荀彧「両手に装着して熱々のお皿でも持ってみては？」 曹「それは本来の用途ではないか」 郭嘉「ならば用途外の鍋つかみの使い方を模索しましょう」 荀「バーナーで炙った鉄球を握りしめるとか」 曹「発想がエグすぎるぞ文若」 郭「エネルギー弾に類する…」

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荀「気体をさらに熱した結果の第四形態ですよな」 郭「空気以外の気体はここには…」 曹「むっ…！」 荀「絶縁されたいんですか？」 郭「赤ちゃんがうんちする時の顔を判別できるようになったのならまだしも…」 荀「我らは部屋に引き上げようか、奉孝」 郭「さよなら」 曹「待ってくれ！二人とも！」

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曹「そして誰もいなくなった…」 ぶっ！ 曹「とりあえず気体を捕まえなけ」ば！」 (屁) 曹「…この袋を熱したらどうなるのだろう」 曹「待てよ…」 (屁) 曹「ここはあえて屁を蒸留させたらどうなるだろうか…」 曹「…我ながら死にたくなるほどくだらないアイデアだが」 曹「やるしかあるまい！」

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曹操…結果の行方は誰も知らない。 荀彧…休日の午前をこんな議論に費やしてしまったなんて… 郭嘉…神龍に願いを叶えてもらう夢を見て、ギャルのパンティーをお願いした。

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魏延「あの劉琰が出所して店を出しただと？」 楊儀「どこにそんな金があったのだ？」 費禕「ぜひお二人も行ってみてください！」 魏「よもやもう行ったのか、費禕？」 費「はい」 楊「…獄から出て変わったのか、あいつは？」 費「一度でいいですから！」 魏「…引っ掛かるが」 費「凄いんですって！」

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楊「それで来てみたが…」 魏「我らは何を見せられているのだ？」 劉琰「魯霊光殿賦！」 女たち「♪〜！！」 魏「どこぞの独裁者が女に奉仕させるかのような音楽ではないか…」 楊「何もかもが悪趣味にすぎる…」 魏「さっさと帰るぞ」 劉「ヨウギエンのお二人ではございませんか！」 楊「ちっ！」

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魏「久しぶりの娑婆でこの道楽ぶりか？」 劉「元より私は話芸よりも歌舞音曲のプロデュースの方に向いていましたのでしてね？」 楊「なんだこの下品なまでの煌びやかさは」 劉「失敬な。我が魯霊光殿の美しさが分からぬとは」 魏「メッキだろどうせ」 楊「金箔でも剥がしてやれ」 劉「おやめなさい！」

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魏延…二度と行くものか。 楊儀…近隣の店の者たちもさぞ迷惑しているだろうな。 費禕…どこから情報を仕入れたのか、劉琰の新しい店を知り早速行ってみた。この酷さと悪趣味っぷりが癖になるらしい。