「龍の“逆鱗”というのは、『韓非子』以外の文献での言及はないのだろうか」ことの発端は友人のふとした指摘。逆鱗から始まった話もついには龍の起源に迫る話へと発展。辰年の今だからこそ知っておきたい龍にまつわる話。
後漢になると王符の「九似」で龍の身体的な特徴が表現された。これは「角は鹿、頭は駱駝、腹は蜃(蛟)、眼は兎、耳は牛、項は蛇、鱗は鯉、爪は鷹、手は虎」に似ているというものである。そして後に宋代の羅願曾の「三停」と合わさって「三停九似説」となり、中国の龍のイメージ像ができあがったとされている。
龍が神聖視された時期について
中国で龍が神聖視されるようになったのは秦漢時代とされます。『韓非子』における逆鱗の記述は、文献としてはかなり古いものということになりますが(龍を従順な騎獣とする概念もあまり見ませんね)、残念ながら自分の調査範囲では同書を参照したもの以外に古い時代の文献記録が見つかりませんでした。
2024-03-26 19:35:35@satoshin257 この場合の「知見が古い」は、どこを指しておられますでしょうか? 何分専門というわけではございませんので、知見が古いところはあるかと思います。差し支えなければ、関連書や論文などをご教示いただけますと嬉しいです。(このリプに、反論や皮肉などの意図はございません)
2024-03-27 08:24:02@Molice 「知見が古い」というのは考古学による発掘の成果がまったく反映されていない点を指しています。これについてはこの本→ amzn.asia/d/3aFtDAi が多少ですが触れています。また龍の専著ではありませんが、これ→ amzn.asia/d/fPAvXhe1 も1つ2つ太古の龍に関する図版が掲載されています。
2024-03-27 08:34:12@satoshin257 ご教示ありがとうございます。『龍の世界』は、読んでみようと思っていた本でしたので、この機会に早速購入してみます。なお、2冊目の方のリンクが開けないようでしたので、お手数ですが再送していただけますとありがたいです。
2024-03-27 08:37:37@satoshin257 周正律氏の論文などは抑えていたのですが、考古学的知見については抑えきれていないとの自覚がありました。秦漢時代より遡ることも存じ上げておりましたが、一般化したのは統一王朝後との認識でした。そこも含め、改めて勉強してみます。(専門の方のご指摘は、自分的には大変ありがたいです)
2024-03-27 08:40:59@Molice @satoshin257 陳舜臣氏の「平和的な連合によって各種部族の守護聖獣が合体したものが龍」説はどうなのだろう(これが正しいなら神話すら曖昧模糊な古代にこそ、龍が生まれた?) m-dojo.hatenadiary.com/entry/20150324… pic.twitter.com/Z7r1rUeVXI
2024-03-27 10:49:02飯島武次(2007). 「夏王朝二里頭文化の刻画紋・刻紋・貼付紋土器」
http://repo.komazawa-u.ac.jp/opac/repository/all/29152/
新石器時代については「碧玉龍」や「龍形玉飾」のことを指しての発言だと思われる。新石器時代~夏・殷(商)・周の古代中国社会の段階ですでに龍への崇拝は始まっていた。
碧玉C形龙—“中华第一龙”。这件新石器时代红山文化的玉龙,由墨绿色的岫岩玉雕琢而成,周身光洁,头部长吻修目,鬣鬃飞扬,躯体卷曲若钩。这是我国龙形象的原始形态,也是我国早期龙形态文物中的翘楚。 pic.twitter.com/vquUXMFQ8L
2024-01-30 09:17:49