「史実では坂本龍馬は大したことしてない」という説を見かけるが、最新の歴史学を調べてみたら全然活躍してるし「司馬史観」の歪みも言語化できた話

歴史小説の功罪ってあるよね
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nonbiriking🪧六四天安門🪧 @nonbirikingcpa

@keizokuramoto 龍馬が木戸孝允や西郷隆盛と薩長同盟に関して協議していたことそのものを嘘だという記事もありますが、私が所有している「坂本龍馬関係文書」に収録されている木戸孝允覚書には三者の会合の様子が詳細に記されておりほぼ司馬遼太郎の「竜馬がゆく」での描写そのものの場面です。 x.com/nonbirikingcpa…

2024-05-03 13:02:55
nonbiriking🪧六四天安門🪧 @nonbirikingcpa

「丹念に一次資料を追うと」とありますがどんな一次資料にあたるとそうなるのでしょうか?司馬遼太郎が竜馬がゆくを執筆した頃から存在する「木戸孝允覚書」には、龍馬が中岡慎太郎と共に薩長同盟を提案してきたこと、薩摩との会談の様子などが丹念に記されています。どうぞご覧下さい。 pic.twitter.com/LCCuquWGKI x.com/gerogeroR/stat…

2024-04-07 21:52:20
倉本圭造@新刊発売中です! @keizokuramoto

noteの方で書いてますが、町田先生の研究によるとそもそも薩長同盟の条文が固まったと薩摩藩側の日記などで確定している日付にはまだ龍馬は京都に到着していなかったと判明しているそうです。その後明治時代に後付けで色々なエピソードが追加された事情についてもnote本文をお読みいただければと思います。

2024-05-03 13:19:26
nonbiriking🪧六四天安門🪧 @nonbirikingcpa

@keizokuramoto 町田先生の研究というともしかしてこれでしょうか?読んでみようと思いながらまだ買っていませんでした。ありがとうございます、今度読んでみます。ただその話は↑で触れた高橋先生の論文の内容とも木戸の覚書の内容とも異なるなあとは思いました 薩長同盟論: 幕末史の再構築 amzn.asia/d/3Ikip2E

2024-05-03 13:27:17
倉本圭造@新刊発売中です! @keizokuramoto

僕が読んだのは以下の記事で紹介した本ですが、内容はその本とも重なってると書いてました。なぜ史実と違う内容が流布してるかも以下記事で書きましたが、明治時代の龍馬ブームの時に、老人になった元勲たちが若い頃の思い出話するうちに全然違う話になっちゃったというのはあるあるかなと思います。僕も30、40年前のこと正確に話せと言われても無理がありますしね。 note.com/keizokuramoto/…

2024-05-03 13:41:41
nonbiriking🪧六四天安門🪧 @nonbirikingcpa

@keizokuramoto note拝見しました。そしてnoteにあった町田先生の著書も購入して該当箇所に目を通しました。結論から言うと承服し難い内容ですね😅特にこのスクショの箇所。ここで触れてる「元勲がフカシた内容」って私が挙げた木戸孝允覚書のことですよね?当事者の一人の証言ですよ? pic.twitter.com/TNyGtlN4ny

2024-05-03 18:14:09
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倉本圭造@新刊発売中です! @keizokuramoto

僕は今40代後半なんですが、二十代前半の頃の思い出話しろ、って言われて正確に再現できる自信は皆無ですね。当時の日記とかが残ってて一個一個突き合わせたら色々勘違いがある方が普通だと思います。それで、最新研究でそのタイミングで龍馬が京都にいなかった事が証明された以上、史実はかなり違った印象のシーンだった事は確実だと思います。

2024-05-03 18:19:32
倉本圭造@新刊発売中です! @keizokuramoto

@nonbirikingcpa このツリーの最初のポスト見逃してました。二個目に返信した以下のポストのような事情があって、あなたが貼ってくれたのは2005年ごろの記事なので、その後色々研究が進んだと言う事のようですね。 x.com/keizokuramoto/…

2024-05-03 13:24:27
nonbiriking🪧六四天安門🪧 @nonbirikingcpa

@keizokuramoto ありがとうございます。ただそこまでいくと、木戸の覚書が他の資料と不整合というより覚書の記載がほぼ全否定されてしまっているように思えて、そんなことがあるのかな?と個人的には思います。まあ一度町田先生の本を読んでみます。

2024-05-03 13:30:00
問題児 @mondaiji0306

@keizokuramoto 個人的に龍馬や信長の評価は時代感に影響される気がします。 昭和のイケイケ時期は学歴や育ちより実力主義だけど、平成不況〜令和の品行方正主義にはこういう型破りな人は敬遠されがちになる… 元の人気が高い分揺れ戻しも大きいのでしょうかね?

2024-05-03 13:32:44
倉本圭造@新刊発売中です! @keizokuramoto

@mondaiji0306 確かに時代の影響が大きいタイプの人ではありそうですが。型破りとかめちゃ気さくな存在って部分は今でも十分人気の元になり得るように思いますね。ただ、今の評判の悪さはひとえに『尊敬する人は坂本龍馬』って公言してる人たちの行いの問題なように思っています(笑)

2024-05-03 13:45:06
電磁エンド🇨🇴 @Enddenji

@keizokuramoto 勝海舟に気に入られたというだけで、ある程度の力は持てたのだと思う。 勝海舟が責任逃れのために色々と龍馬がやった事にしたんだと思うよ。

2024-05-04 06:18:52
倉本圭造@新刊発売中です! @keizokuramoto

@Enddenji 勝海舟もそうですし、町田先生の研究では薩摩藩全体を自分の「後ろ盾」のように使ってどんどん話を進めていった様子が見られるみたいですね。それを「誰がやったことなのか」というのは難しい問題で、利害一致してみんなで良いように動かしていったという感じなのかなと思います。

2024-05-04 08:10:38
のりのん @hnR5uTVhIPxqs2v

@keizokuramoto 私が今まで見た龍馬評のなかで一番説得力のあるものだと思いました。個人的には坂本龍馬はドラゴンボールに出てくる「ミスターサタン」みたいなものかと考えてますが。

2024-05-03 14:10:10
倉本圭造@新刊発売中です! @keizokuramoto

@hnR5uTVhIPxqs2v どうですかね?「実際にセルを倒すようなことをやったけど倒幕は薩長の手柄になった」という意味では逆な側面も?あ、でも無数の龍馬的な活躍をした人はいたけど、その中で代表として「薩長藩閥以外の自由人からの英雄代表」として祭り上げられたという意味ではミスターサタン感あるかもですね!

2024-05-04 08:18:26
モコ @ReYlzyhCivozY1U

@keizokuramoto 北辰一刀流小千葉の塾頭 ってだけですごい

2024-05-03 21:19:51
倉本圭造@新刊発売中です! @keizokuramoto

@ReYlzyhCivozY1U 難しいのはまたその「塾頭」説も否定する研究者も出始めていてわけがわからなくなってるんですよね。まあこれは確定した説というわけでもなさそうで、そう言ってる人もいるってレベルですが、歴史はなかなか難しいですねえ。

2024-05-04 08:32:52
ブルーのマスク @katsu_0515blue

@keizokuramoto しかし異端児だったのかもしれない 袴に靴かブーツらしきもの履いてるし…

2024-05-03 20:55:19
倉本圭造@新刊発売中です! @keizokuramoto

@katsu_0515blue 確かに気づきませんでしたがブーツですね!なんか、着こなしとかもなんとなく何でも自己流のこだわりが強い感じが、写真からも伝わってきますね。なんとなく着物の胸あたりがビシッと合わさってない感じでハダケてるのもイメージどおりだなと思いました(笑)

2024-05-04 08:34:28
ノブ @Nobu0229

@keizokuramoto スカッとするポストありがとうございます😭 坂本龍馬好きなのに最近そう言う話題聞くようになってモヤモヤしていました🥹 なんなら「「革命家」みたいな人を歴史から消すため」の陰謀か⁉︎くらいに考えていました笑 ツリーの記事未読ですが読ませていただきます🙇

2024-05-04 07:56:05
倉本圭造@新刊発売中です! @keizokuramoto

@Nobu0229 僕も、あまりにバカにする風潮には反感感じてたので、今回調べてみてホッとしたというか、「いや俺やっぱ坂本龍馬好きっていう人間でいいや」と思えて良かったです。記事の方も楽しんでいただければと思います!

2024-05-04 08:14:24
たつのこ太郎 Tatsunoko Taro @tt2590153taro

@keizokuramoto とても勉強になりました。 私の理解でも龍馬は生粋のビジネスパーソンという印象です。組織で仕事したことない司馬の限界ですかね。まあでも売れすぎただけであって司馬が悪いとも思いません。昨今で言うと池上彰さんもそんな感じで評価を落としてる気がします。池上さんに罪はないと思うのですが。

2024-05-03 13:31:44
倉本圭造@新刊発売中です! @keizokuramoto

@tt2590153taro 僕もそう思いますね。人それぞれ役割があるというか、話の流れで司馬遼太郎ディスってるようになってますが彼がすごい作家だということは全く揺らがないと思います。

2024-05-03 13:46:05
はぐりん @hugring_nowhere

やばい面白すぎる。長文ポストの正しい使い方初めて見た x.com/keizokuramoto/…

2024-05-04 06:02:44
倉本圭造@新刊発売中です! @keizokuramoto

史実では「坂本龍馬は大したことしてない」「実は織田信長は常識人」という話をSNSで時々見かけますが、最新の歴史学では実際はどういう説になっているのか気になって調べてみたので聞いてください。結論から言うといわゆる「司馬遼太郎史観」が「課長・島耕作」的世界観に立脚していたからこその歪みがこのギャップに繋がっているのだと私は感じました。 ・ 1●龍馬伝説はなぜ生まれたのか? 坂本龍馬が史実以上に脚色される流れは実は明治時代から始まっていて、当時薩長藩閥政府への反感が高まる中、倒幕に功績があった「薩長土肥」の「土」佐=高知県をはじめとして自由民権運動が盛り上がっていて、「薩長だけでなく土佐にも倒幕の英雄がいたのだ」というストーリーが必要とされていた流れがあります。 その他、日露戦争の時に皇后の夢枕に坂本龍馬が立ったという話が流布されるなど、歴史を通じて 「今のお上」に日本人が不満を持った時にめいめい勝手に「完璧な思い入れ」を託せる位置にある便利な存在 …としてどんどん「幻想」を吸い上げて膨らんできた事情があるわけですね。 直接坂本龍馬を知っていた人々がまだ生きていた明治時代の「龍馬ブーム」で色んな人が色んな脚色をしたエピソードを追加したわけですが、そしてそれらを全部史実のように扱って、作家司馬遼太郎が昭和の高度経済成長期に完成させたのが「伝説の中の龍馬」という事になります。 ・ 2●史実の龍馬は全然たいしたことしてないカスみたいなヤツ・・・というのは真実か? SNSでは、 「薩長同盟も大政奉還も実は全然関わってない、ぜんぜんたいしたことしてないカスなんだよ。素浪人のリョーマごときにそんなことできるわけないだろ?」 …みたいな嘲笑的なトーンでバズってるポストをたまに見ますが、実際のところはどうなのでしょうか? しかし今回調べてみて私が感じたのは、 >> いやいや、案外すごい活躍してるやん。というか「伝説の龍馬」より「ちゃんと仕事デキる感」あるんちゃう? << …というぐらいの印象でした。 神田外語大教授の町田明広氏の研究をベースに見ていくと、史実の龍馬は ・優秀なBtoBの営業マン …みたいな活躍の仕方をした人だったと思われます。 薩長同盟にしても、薩摩藩側と長州藩側に、本来「協力しあえたらいいよね」という理解自体はもともと存在しているわけですよね。それがなければそもそも成立しえない。 でも第一次長州征伐の頃の恨みとかあって、お互い不信感が渦巻いていて、「提携できたらいいよね」という話だけでは全然話がまとまらない。 その状況の中で龍馬はまず薩摩藩の西郷や小松帯刀とちゃんと意思を共有した上で、長州藩側に潜り込んで話を通していく営業マン的な役割を果たしているんですね。 「長州藩側の窓口になりえる人」が長州藩内部の情勢変化によって移り変わっていく中で、新しいツテを見つけて色んな経路で話を通してキーマンを動かし、長州藩と薩摩藩の間を結びつけていく実働役になってるんですが、このあたりかなり「BtoBの優秀な営業マン」っていう感じが現代人目線では最も適切だと思います。 今SNSで「薩長同盟に龍馬は関わってない」と言われているのは、まさにその「条約」が結ばれる会議とか、条文の細かい検討とかの会議に坂本龍馬は参加してないっていうだけなんですね。 「下地ができて実交渉に入ったんだから、もう後は”役職者”の出番だよね」という感じ。 一方で、木戸孝允に龍馬が「条文に朱字で裏書き」を求められているのも史実なので、全然関係なかったらそんなものが残ってるはずがないですよね。 また、詳しくはリプ欄に吊るしておくこの要約ポストの元になっているウェブ記事を読んでいただきたいのですが、町田氏の研究によると大政奉還に関しても、それなりに全く無関係ではない可能性が高いそうです。 え?案外すごい活躍してる人やん? ・ 3●「司馬遼太郎史観」が歪んでるのはどういう部分なのか? 昨今の「坂本龍馬は大したことしてない」という機運の盛り上がりは、そもそも「龍馬的なものがうさんくさい」という風潮が高まっている事が背景にあるように思います。 ただ、個人的に今回調べて思ったのは、「うさんくさい」のは「司馬史観による竜馬」の方なのでは?ということでした。 この「司馬史観」自体が現代社会とズレていて、結果として「司馬史観の竜馬がうさんくさい」→「坂本龍馬(特に坂本龍馬が好きだと言うヤツ)はうさんくさい」という印象に繋がってしまっているのではないかと。 司馬遼太郎がもてはやされた時期の「かっこよさ・優秀さ」と、現代の「かっこよさ・優秀さ」に隔たりがあって、司馬遼太郎世界のかっこよさは漫画でいうと「課長島耕作」とか「サラリーマン金太郎」みたいな世界観だったと言えるんじゃないかと。 これは大作家司馬遼太郎の能力の問題というより当時の社会の受け手のキャパの問題と言えそうで、むしろ、現代社会における組織の動き方を実態として知っている人ほど、史実の龍馬を知れば、 「全然うさんくさくなくて、ちゃんと組織の間を取り持って実際の盟約に結びつける優秀なネゴシエイターじゃん」 …的ないわゆる「仕事デキル感」が湧いてきて、「うさんくさい印象」が払拭されるところがあるのではないかと思いました。 ・ 4●「司馬史観」が現代に合わない部分はどういうところか? 全体的に、司馬史観の現代に合わない部分は、以下のA〜Dのようにまとめられるかと思います。 A・組織が嫌いすぎる(小松帯刀のような優秀な組織人の貢献を無視しがち) B・組織の仕組みを理解した上で利害関係を調節し物事を動かした史実の龍馬の「優秀なBtoB営業マン」的な要素が評価できない C・結果として「鈍重で物わかりが悪いアホな組織人ども」を、「何者にもとらわれない自由人同志の気概の共鳴」だけで一喝してぶち破り、巨大な山が動く・・・という展開になってしまう。 D・「色んな人のアイデアが折り重なって一つの流れになり、物事が実現する」という理解が薄く、ハグレモノの個人が脳内でひねりだした「ぼくのかんがえたさいきょうのアイデア」が、「規格外の度量を持つ例外的に素晴らしい上司に取り立てられて無双する」話になってしまう むしろこういう↑「司馬史観」の「島耕作テイスト」が剥げ落ちた方が、現代人は坂本龍馬の強みを偽りなく理解できる環境になってきているようにすら思いましたね。 ・ 4●信長の例も簡単に紹介 詳しくはリプ欄に吊るしたウェブ記事版で詳述しますが、似たような話として、「織田信長は実は常識人」というSNSでたまに見る話が「どういう事」を意味しているのか?という話も考えてみます。 「長篠の戦いの鉄砲三段打ちはなかった」「楽市楽座は信長の発案ではない」など、色々と「定説」は覆されていくわけですが… ただ、普通に社会経験のある現代人からすれば、詳しく知れば知るほど >>> 「いやいや、こっちの信長の方がよほど”本質的な革新性”がある感じやん?室町幕府とか天皇に無意味にタテついて攻撃的であれば”革命的”と思われてた時代がお子ちゃま世界観やったんやろ」 <<< …という気持ちになるのではないかと私は感じました。 これも「伝説の龍馬」のイメージが変遷してきたのと同じように、 >>> 「島耕作レベルの社会観」の限界が更新されてきて、より「本当の革新者」としての信長の実相が見えてきた <<< …という話なのではないかと。 ・ さいごに●ぜひウェブ記事本文をお読みいただければと! リプ欄に吊るしたウェブ記事版では、坂本龍馬の場合、織田信長の場合ともに、もう少し詳細に新しい研究で明らかになった実相を解説したうえで、 「現代日本社会で彼らの評価が変わってきた”理由”とは何なのか?」 …というテーマを深堀りしています。 そうすると、 大河ドラマ「龍馬伝」が大人気だった2010年頃と今の日本の間に、私達日本社会は大きな「成熟」を積み上げてくる事ができており、そしてその「成熟」があってこそのこれからの実社会において「本当の改革」を実行していく事も可能になるのだ …という話にまで繋がります。 ゴールデンウィークのお暇な時に、ぜひお時間いただいてお読みいただければと思います。 歴史の話をしているようで、日本社会の「今」と「これから」に重要な示唆となる話になっています。決して損はさせません!

2024-05-03 09:34:44
麦茶とむぎちゃ @BohtkQtGe3Z0eWR

読みやすくて面白かった! 司馬遼太郎ファンの父親が私たちにも読ませたくてトイレに「坂の上の雲」や「龍馬がゆく」「飛ぶが如く」を置いてあったけど、私と母は司馬遼太郎が好きではなく、それは裏方の支えにスポットを浴びせない「主人公主義」が鬱陶しかったからなんだと改めて気付かされた。 x.com/keizokuramoto/…

2024-05-04 08:24:46
dora @RobeltDora

貧乏郷士の冷飯喰らいが長じて脱藩し、とのイメージが強かったのだが、実際高知に足を伸ばして龍馬の実家を訪って見るとイメージが覆った。 郷士と言っても郷士格を買った商家の出であり、上士どころか山内家に金を貸すだけの経済規模があった。普段威張る上士が頭を下げて金を借りに来る様を少年龍馬 x.com/keizokuramoto/…

2024-05-03 13:01:27