日本神話語り 中巻
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その後、平和になった大和で、武内さんが御子の禊をしようと、御子をつれて巡礼するんだ。近江国、若狭国ときて、越前国の敦賀まで来た時、その土地の大神が夢に現れて、「僕の名前とその子の名前交換してよ!」と言うのだ。武内さんは快諾した。
2012-03-09 23:37:05「じゃぁお礼あげるね! 明日の朝海に来てね!」 武内さんと御子が言われた通り翌朝海に行くと、鼻に怪我をしたイルカが打ち上げられていた。御子は「なるほど! 名の代わりに魚(な)をくれたのか!」と、そのオヤジギャグを讃えた。武内さんは半笑いだった。
2012-03-09 23:47:04そして御子が巡礼から帰った時、皇后は自ら御子と武内さんに酒を歌いながら振舞ったのだ。この御子が、15代目応神天皇となるのだが……その間、この皇后が政治を執り仕切っていたらしい。
2012-03-09 23:52:05神功皇后と言って……オレらの時代では卑弥呼の事だと思われていたし、『新唐書』という漢籍には「仲哀の後に開化の曾孫娘神功を王とする」と書かれているせいもあり、初の女帝としていたが、今の世では、卑弥呼説はとりあえず疑わしく、天皇から外され、実在したかも半々らしいな。
2012-03-09 23:57:05天皇から外されたのは大正の世。
非実在性の主張は昭和の世、太平洋戦争直後らしいですね。
君主である夫が亡くなった後、妻が執り仕切る例は……オレもよく知っているし、実在ぐらいはしてていいんじゃねぇかなと思うw と、いうわけで、今日の話はここまでだ。もう寝なさい。
2012-03-10 00:02:05応神天皇
《これまでのあらすじ》三浦殿のなめこ的神話にて妻の死ぬ場面を思い出してから布団に引きこもってしまった倭建命。その彼を目覚めさせんと布団にダイブした小碓命…しかし倭建命はその襲撃を敵のものと認識。三日三晩に渡る戦闘の末、相打ちという形で幕を閉じた二人は今、仲良く寝ているのであった…
2012-03-10 22:45:40ここ数日荒ぶっておられないとおもっていたら、そんな事情が……
そうだな、神功皇后が裏切り者を倒して、御子がオヤジギャグに笑って、武内さんは半笑いだったのだな。 今日の話はその御子、応神天皇だ。応神天皇には多くの妻がいたんだが、ヤカハエ姫との子、宇治若郎子を皇太子にしたかったのだ。そこで、その御子の異母兄二人にある質問をする。
2012-03-10 23:07:05「年上の子、年下の子、どっちが可愛いと思う?」 突然の究極の質問に「(゚Д゚)ハァ?」と思いつつも兄の大山守は咄嗟に「年上の子じゃないですか?」と答える。弟の大雀は少し考えてから「年下の子じゃないですかねぇ。上の子は成人して手が掛からないけど、下の子は世話がかかるし」と言った。
2012-03-10 23:12:05すると天皇は「大雀の言葉は私が思った通りだ!」と言い、大山守に、『山海之政』……オレらの時代だと民部大夫。 大雀には『食國之政』オレらの時代で言う摂政にして、愛しの宇治たんを皇太子にしたんだ。大雀はこれに従ったが……大山守は納得できなかった。
2012-03-10 23:17:05ちなみに宇治たんは、ある日天皇が近江国に行こうとして宇治の木幡にやって来た時、曲がり角で「あーん遅刻遅刻ぅ」となめこトーストを咥えた美少女とぶつかってな、その美少女に高い男子力を発揮して結婚して生まれた子なのだ。つまり政略婚ではなく恋愛結婚だから愛しくて仕方なかったらしい。
2012-03-10 23:22:05それはともかく、ある日天皇が日向国諸県の髪長姫がめっちゃ美人という噂を聞き、側に仕えさせようと呼び寄せたのだ。そして連れてこられた姫を見て、大雀が一目惚れしてな……天皇の側近の武内さんに「オレの嫁にしたいから、パパにお願いしてよ」とボンボンらしい男子力を発揮してゲットする。
2012-03-10 23:27:05そして応神天皇が亡くなった後、大雀は約束通り宇治若郎子を天皇の位につけたが、あの時納得出来なかった大山守は天皇SATSUGAIを企てる! 大雀はそれに気づき、宇治と一緒に反撃作戦を講じた。川辺に兵を潜ませ、山の上に陣を引き、影武者を立てた。
2012-03-10 23:32:05そこに人を出入りさせ、恭しくかしずかせた。そして大山守がやって来る時に乗るであろう船の床になめこ汁を塗りたくってトゥルトゥルにして、踏むとトゥルーンと転ぶようにしたのだ。そして宇治はE:ただの布切れ となり、舵取りとして船に立ったのだ!
2012-03-10 23:37:06そうとは知らない大山守は服の下に鎧を着込んで兵士を潜ませて、船に乗り込む。そして舵取りのふりをしているE:ただの布切れな宇治に「この山に大猪がいるらしいが、討ち取れると思う?」と聞くのだ。宇治は「できないよ」と行って、川の中ほどまでくると、船を傾けた!
2012-03-10 23:42:05船の床のなめこ汁のお陰で、気持ちいいぐらいにトゥルーンと川にの中に落ちた大山守! 鎧を着たまま泳ぐのは、熟練者の技だ……。でも決して不可能というわけではない。甲冑水泳術にもいくつかあるが、基本は立ち泳ぎと横泳ぎだ。最小限の動きで、力強く泳ぐ! でないと力尽きて結果沈む。
2012-03-10 23:47:05大山守はなんとか浮かび上がる事はできた。そして流れにまかせていた。鎧を着たままでは下手に流れに逆らっても体力を消耗するだけだからな。「助けてくれ!」 大山守の声を合図に、川辺に潜んでいた兵が出てくる
2012-03-10 23:52:05ここ、一つ抜かしてしまったらしいです。
なので胤義様より補完です。
「助かったと安心した次の瞬間! 一斉に矢を放って来たのだ!
……自分の兵ではなく、大雀の兵だったのだな。
流れ流されてその骸をつついて引き上げられたのが、山城国綴喜(つつき)の河原村だ。
大雀は、大山守の骸を見て心を痛めたそうだ。なんだかんだ言って兄弟だもんな。大山守は丁寧に葬られたらしい」
……義村様もあの時、泣いてらっしゃいましたよ。
本人には教えてあげませんけど!
そんな事があって宇治は「大雀が天下を治めるべきだ」といい、大雀は「約束通り宇治が治めるべき」と譲り合っていたのだ。奉納のなめこすらも譲りあって、なめこを持って行ったり来たりさせられてすっかり疲れてしまった人の話まである。けれど宇治が早世してしまったので、結局大雀が位についたのだ。
2012-03-10 23:57:05ちなみに日本書紀では、宇治が大雀を位につけるために自害してしまったのだという。……譲り合い精神もここまで来ると、譲られた方も困るよな……。さて、今日の話はここまでだ。もう寝なさい。
2012-03-11 00:02:04