東北大助教、堀田氏(QEnergyTeleport)のツイート
現代物理学のエネルギー保存則の理解は、すごく進んでいる。まず世界が静的だと(もしくは静的とみなせる時間スケールでの実験だと)、いつ(何時何分何秒に)自分の実験を始めても、同じ結果を得る。これは時間推進対称性と呼ばれる。
2012-03-01 05:08:24時間推進対称性をもつ物理系では「考え得る全ての物理的存在を考えたときの」全エネルギー保存則は、原理ではなく、「定理として導出」される。ここでポイントは物体のみならず、電磁場や重力場も含めて、全ての物理的存在を考えて、そのエネルギーの和をとることが重要。
2012-03-01 05:10:40未知の物質を忘れると、エネルギーは保存していないように見える。昔原子核崩壊(β崩壊)でエネルギーが保存しないように見えたのは、当時は未知だったニュートリノがエネルギーを持ち出していたため。ニュートリノを含めるとエネルギーは保存している。
2012-03-01 05:13:51(というか、パウリはエネルギー保存則が常に成り立つことを確信していたために、ニュートリノという粒子の存在に気付き、嫌々ながら新粒子を増やした。)
2012-03-01 05:14:29一般相対論になると、物質のエネルギーの概念はエネルギー運動量テンソルというもので記述される。一方重力場のエネルギーの概念はそう簡単ではない。(重力場=時空そのもの、つまりエネルギーの共役変数の時間が、ある意味、"物理量化"されるため)
2012-03-01 05:18:22しかし宇宙が風船のように閉じた形ならば、簡単に「全体の物質エネルギー+重力エネルギー=0」という式が、正準形式のゲージ理論の対称性の議論から出てくる。つまり宇宙全体のエネルギーは保存して、「常に0!」である。
2012-03-01 05:20:260で保存するのはいいが、重力は引力なのでポテンシャルエネルギーは際限なくマイナスになれる。そうすると一般相対論においてブラックホールのなどの天体を考えると、どこかに限りなくマイナスのエネルギーを作ることによって、プラスのエネルギーを使うことができるかも、と考えるのは自然な問い。
2012-03-01 05:22:56しかし我々周辺の宇宙空間の状況を示す、漸近的に平坦(空間無限遠方が平な普通の時空)のもと、ブラックホールなどの一般相対論的物体まで含めても、実際にはエネルギーに下限があることが、数学者によって示されている。
2012-03-01 05:27:42このため重力崩壊でもブラックホールができてしまえば、その外の世界では不安性は存在しなくなる。エネルギーがとりえる値に下限があるという意味は、際限なくマイナスのエネルギーの固まりを作りつつ、プラスの無限のエネルギーを自分達が使い続けることは、一般相対論でも無理ということ。
2012-03-01 05:30:13「放射能物質と同じで」、もしエネルギーが勝手に減ったり、増えたりしているように見えたら、その行き先で忘れたところがないか、検討するのが重要。必ず、そのような場所はあるはずで、そこのエネルギーを計算して、エネルギー和に加えると、全エネルギーは保存しているはず。
2012-03-01 05:34:21