n個のサイコロの出目の和の場合の数にまつわる規則と、その母関数

 サイコロ5個を振って出た目により賞金が得られるキャンペーンが、先日、高円寺のカラオケ館で行われていました。  賞金を得られる確率を求めるためにあれやこれやと考察した結果をまとめたものです。
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tb_lb/日曜夜に補助線主体の図形問題の再出題やってます @tb_lb

補正する方法として、添付した図の位置関係にある4数a、b、c、xについて a+b−c=x とするものが挙げられます。aとcの間には5数存在しています。。 http://t.co/Oujokq13

2012-03-21 01:03:26
tb_lb/日曜夜に補助線主体の図形問題の再出題やってます @tb_lb

今紹介した a+b−c=x を利用する方法は、次に紹介する方法に比べれば(手計算するのには)そこそこ優れています。

2012-03-21 01:05:43
tb_lb/日曜夜に補助線主体の図形問題の再出題やってます @tb_lb

もう1つの方法は、これがサイコロの場合の数であることから導けます。添付した図の7数について、 (a〜fの和)=x が成立します。 http://t.co/5cnrOHQh

2012-03-21 01:10:07
tb_lb/日曜夜に補助線主体の図形問題の再出題やってます @tb_lb

今の2つの方法、a〜fに該当する数値が存在しなくとも、その値を0とすれば、等号は成立したままです。表計算ソフトを利用してこの表をつくる場合、和が1の行の前に空行を6行こさえておけば、サイコロの個数が2個以上の列は、すべて1種類の式で済みます。

2012-03-21 01:14:40

▼第二夜(2) サイコロの出目の和の場合の数を係数とする母関数

tb_lb/日曜夜に補助線主体の図形問題の再出題やってます @tb_lb

さて、ここまでは昨日語り残した部分です。ここからはパスカルの三角形との関連を見出だしながら、母関数へと展開していきます。

2012-03-21 01:18:29
tb_lb/日曜夜に補助線主体の図形問題の再出題やってます @tb_lb

サイコロの出目の和の場合の数を表した表 http://t.co/kzTgmBCS で、上部の赤字で表した数値は、パスカルの三角形と同一です。http://t.co/iBbitjjB にある3数について a+b=x が成立するのでした。

2012-03-21 01:25:39
tb_lb/日曜夜に補助線主体の図形問題の再出題やってます @tb_lb

一方、http://t.co/5cnrOHQh で(a〜fの和)=x というのは、いつでも成立します。向きこそ90度回転していますが、ニ項係数でいうところの nCr+nC(r+1)=(n+1)C(r+1) の左辺を6数にした形になっています

2012-03-21 01:31:09
tb_lb/日曜夜に補助線主体の図形問題の再出題やってます @tb_lb

ニ項係数といえば (1+x)^n を展開した係数です。これを6数に、すなわち (1+x+x^2+x^3+x^4+x^5)^n とすれば、先の表の縦に並ぶ値が得られそうです。

2012-03-21 01:34:13
tb_lb/日曜夜に補助線主体の図形問題の再出題やってます @tb_lb

例えば、n=2として (1+x+x^2+x^3+x^4+x^5)^2 を展開、昇べきの順に並べると 1+2x+3x^2+4x^3+5x^4+6x^5+5x^6+4x^7+3x^8+2x^9+x^10 となります。係数だけ見れば、サイコロ2個のときの場合の数に一致します。

2012-03-21 01:39:57
tb_lb/日曜夜に補助線主体の図形問題の再出題やってます @tb_lb

展開して得られた式全体にx^2をかけてみます。すると、x^2+2x^3+3x^4+4x^5+5x^6+6x^7+5x^8+4x^9+3x^10+2x^11+x^12 となり、出目の和をSとすれば、x^Sの係数が対応する場合の数となります。

2012-03-21 01:43:33
tb_lb/日曜夜に補助線主体の図形問題の再出題やってます @tb_lb

展開する前の式 (1+x+x^2+x^3+x^4+x^5)^2 にx^2をかければ、 (x+x^2+x^3+x^4+x^5+x^6)^2 となります。指数がサイコロの出目に対応しているのがおわかりになるでしょうか。

2012-03-21 01:46:40
tb_lb/日曜夜に補助線主体の図形問題の再出題やってます @tb_lb

以上をまとめます。n個のサイコロを振って出た目の和がSとなる場合の数を係数とするような母関数は、 (x+x^2+x^3+x^4+x^5+x^6)^n となりますこの式を展開して得られるx^Sの係数が対応する場合の数です

2012-03-21 01:50:36
tb_lb/日曜夜に補助線主体の図形問題の再出題やってます @tb_lb

サイコロの目が1〜6でない場合でも、カッコ内の指数を変えることで対応できます。また、x=1 を代入すれば、考えうる場合の数の和は 6^n となります(当然の結果!)。

2012-03-21 01:53:38
tb_lb/日曜夜に補助線主体の図形問題の再出題やってます @tb_lb

せっかくですので、少し遊んでみましょうか。先の母関数をxで微分します。例えば、n=2では、1・2x+2・3x^2+3・4x^3+4・5x^4+5・6x^5+6・7x^6+5・8x^7+4・9x^8+3・10x^9+2・11x^10+1・12x^11 が得られます。

2012-03-21 02:01:19
tb_lb/日曜夜に補助線主体の図形問題の再出題やってます @tb_lb

微分した式は何を意味するのでしょうか。x=1を代入すると、1・2+2・3+3・4+4・5+5・6+6・7+5・8+4・9+3・10+2・11+1・12 となり、(出目の和に対応する場合の数)×(出目の和) をすべての和について足し合わせた式になっています

2012-03-21 02:05:27
tb_lb/日曜夜に補助線主体の図形問題の再出題やってます @tb_lb

この和を6^2(=サイコロ2個振ったときの場合の数の総数)で割れば、「サイコロ2個振って出た目の和を得点とする期待値」となります

2012-03-21 02:07:53
tb_lb/日曜夜に補助線主体の図形問題の再出題やってます @tb_lb

展開前の母関数を微分してみましょう。n=2の場合を微分すると 2・(x+x^2+x^3+x^4+x^5+x^6)・(1+2x+3x^2+4x^3+5x^4+6x^5) となり、x=1を代入すると、2・6・21=252。6^2で割って、期待値は7となります。

2012-03-21 02:11:58
tb_lb/日曜夜に補助線主体の図形問題の再出題やってます @tb_lb

一般のnについても、微分して、x=1を代入すれば、n・6^(n-1)・21。これを6^nで割れば、期待値は3.5nとなります。当然の結果になりました。

2012-03-21 02:15:44
tb_lb/日曜夜に補助線主体の図形問題の再出題やってます @tb_lb

ここまではサイコロの出目の和について考えてきました。最後に積についても紹介して、このシリーズを終えることにします。

2012-03-21 02:18:41
tb_lb/日曜夜に補助線主体の図形問題の再出題やってます @tb_lb

天下り的ですが、関数 (1+x+y+x^2+z+xy)^n を考えます。n=2として展開すると、定数項1から、x^2・y^2まで種々の項が得られます。

2012-03-21 02:25:06
tb_lb/日曜夜に補助線主体の図形問題の再出題やってます @tb_lb

ここでx=2、y=3、z=5を代入すると、文字部分が出目の積、係数がその場合の数となります。一般のnでも変わりません。ですから、先の (1+x+y+x^2+z+xy)^n という式は、出目の積に関する母関数となっています。

2012-03-21 02:27:24
tb_lb/日曜夜に補助線主体の図形問題の再出題やってます @tb_lb

ここでも、x=2、y=3、z=5を代入すれば、21^n という値を得ます。これは考えうる出目の積についての総和になります。6^nで割れば、当然、期待値 3.5^n が求まります

2012-03-21 02:31:28
tb_lb/日曜夜に補助線主体の図形問題の再出題やってます @tb_lb

……というわけで、カラオケ館のキャンペーンをきっかけとして、サイコロの場合の数に関して赴くままにつぶやいてしまいました。楽しんでもらえたなら幸いです。一連のつぶやきは、今週中にTogetterにまとめます。ご静聴ありがとうございました。

2012-03-21 02:34:59