整備兵氏(@seibihei)による「戦術の基礎(D. Wyly海兵隊大佐)」("Maneuver Warfare Handbook"付録)翻訳・第4課―1

目次:http://togetter.com/li/269377 「目標」という言葉の定義と、それに関する諸問題についてのお話。 「目標」は、地形だけじゃない。
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名無し整備兵 @seibihei

かつてのドイツ陸軍の大佐と話した時、彼は私の疑問にこのように答えてくれた。「ドイツでも、行動の統制手段として『目標』を使うことがある。英語では『Objective(目標)』と言うべきだろう。しかし、ドイツ語では地形を「Objectiv(目標)」とは言わない。」

2012-03-25 01:22:44
名無し整備兵 @seibihei

「地形を『Objectiv(目標)』というと、その地形自体が努力の焦点であるという意味になってしまう。ドイツ語では、統制手段としての地形目標は『Angriffsziel』という。『Angriffsziel』又は『目標地点』は、特に敵が移動しているときには、戦闘中に変更される。」

2012-03-25 01:27:33
名無し整備兵 @seibihei

「我々の努力の『Objectiv(目標)』となるのは、敵部隊である。」

2012-03-25 01:28:18
名無し整備兵 @seibihei

地形というものは、確かに重要だ。有利な立場になるためには、それを使わなければならない。しかし、攻撃の目標となるのは敵である。敵を行動不能にし、敵を撃破し、敵を武装解除するのだ。

2012-03-25 01:33:06
名無し整備兵 @seibihei

それは、ただ地形を奪取し占領するだけでは不可能である。我々は、機動と火力の連携により敵を混乱させ撃破するため、必要ならどこにでも、移動し続けられるよう準備しなければならない。

2012-03-25 01:36:09
名無し整備兵 @seibihei

「目標」という単語は非常に一般的に使用されているので、この小論で訂正しようというのは非現実的である。我々はそれを統制手段として使用する。それは、ドイツ軍の「Angriffsziel」という用語と同じ用法である。

2012-03-25 01:43:18
名無し整備兵 @seibihei

この小論に「Objective」という単語が出てきたときは、「目標地点」を意味する。最終目標である「敵の撃滅」を達成する上で地形を最大限有効活用するため、努力を直接集中する地形である。

2012-03-25 01:51:31
名無し整備兵 @seibihei

もちろん「目標地点」という言葉を使っても、それはそれで構わない。しかし、「目標」を地形にのみ限定して使うべきではない。「目標」の定義は、もう少し広げるべきだろう。例えば、「努力を指向する物理的な終末点」であるというように。

2012-03-25 01:55:05
名無し整備兵 @seibihei

とりあえず、ここまでにしておこう。

2012-03-25 01:55:46

以下、派生。
おたべ→戦車 とでも置き換えて読んで頂ければOKかと思います。
別におたべ=戦車だって言ってるわけじゃないんですよ?(言い訳)

フォースの力に取り込まれただよもん @V2ypPq9SqY

@seibihei 暑い。けど今 主努力と目標の話を脳に入れようとして脳が暑く。

2012-03-25 01:50:26
フォースの力に取り込まれただよもん @V2ypPq9SqY

objは地形目標に使われてるイメージだが。目標と日本語で言うと確かに野戦軍も含むような気がする不思議。

2012-03-25 01:55:55
名無し整備兵 @seibihei

@V2ypPq9SqY おたべ職人は、部隊目標を追いかけることもあるかと

2012-03-25 01:56:38
フォースの力に取り込まれただよもん @V2ypPq9SqY

確かにそれはあるか。 おたべ版図とかそういうアレで。 確かにobjを地形目標としてしまうとゲリコマ戦とかおたべハントとかでの主努力の方向があいまいになる感じがする。

2012-03-25 02:01:44
名無し整備兵 @seibihei

@V2ypPq9SqY 統制手段としての「目標」と、主努力の指向先としての「目標」の違いは、我が社でも混乱してます

2012-03-25 02:03:26
フォースの力に取り込まれただよもん @V2ypPq9SqY

敵そのものの破壊を目標とした場合は地形的な目標の獲得は確かに努力をむけるべき所ではないかも。

2012-03-25 02:04:47
名無し整備兵 @seibihei

@V2ypPq9SqY 一応「敵の撃滅の好機をつかんだ場合は、目標奪取に執着してはならない」みたいなことは書いてありますが浸透していないのは、教育訓練上そういう場面を提示するのが難しいからかもしれない。

2012-03-25 02:08:03

次:第4課―2

まとめ 整備兵氏(@seibihei)による「戦術の基礎(D. Wyly海兵隊大佐)」("Maneuver Warfare .. 目次:http://togetter.com/li/269377 任務と目標を混同してはならない。迂闊な目標で部下を縛るべきではない。 大切なのは、目標ではなく任務なのだから。 どの日本語用語がどの英語用語に対応するのかごっちゃになって死にそう。 でも、そんな事をあまり考えずとも大丈夫……だとは思う、多分。 3251 pv 9