歴史の一回性と永遠回帰: 東浩紀、ニーチェ-ドゥルーズ、赤間啓之

(2010.1.6) @reskinihardenさんによる『QF』読解からはじまり、東浩紀におけるニーチェ-ドゥルーズの扱いに遡り、赤間啓之の話へ。 翌日の「人文系出版社とその潮流(ry」冒頭、話題つながりで赤間の話が出ているので、補足のためのまとめ。
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レスキニ @reskiniharden

東浩紀『クォンタム・ファミリーズ』読了。あえて思想家の名前を引き合いに出すなら、まあライプニッツでもいいんだけど、個人的にはむしろニーチェ-ドゥルーズの永遠回帰/運命愛のラインかなあと思う。

2010-01-06 23:26:58
レスキニ @reskiniharden

ネタバレとか気にする人もいるので詳しくは書かないけど、生きるにしたがって直説法過去と直説法未来の総和が減少し、逆に仮定法過去の総和が増え、それが35歳くらいで逆転するという「35歳問題」を、最終的には偽の問題として拒絶する物語ですよねこれ。

2010-01-06 23:37:53
レスキニ @reskiniharden

まず年齢とともに仮定法過去の「量」が増え、それが生を蝕んでしまうという発想が、無数の生の記憶の流入によって相対化され、むしろそのような無数の生を貫いて反復されてしまう運命の連鎖を断ち切るべきだ、という問題が導入される。

2010-01-06 23:50:52
レスキニ @reskiniharden

しかし最後には「運命を断ち切る」という発想そのものが、おそらくは運命愛と呼ぶべきものによって拒絶されるという物語なんじゃないかな。

2010-01-06 23:53:13
レスキニ @reskiniharden

ただし運命愛というのは条件法過去の次元を否定することではなく(むしろまったく逆)、条件法過去で示される総量が次第に増え、それが生を束縛するという発想を否定することです。ああうまく説明できない。

2010-01-06 23:59:18
レスキニ @reskiniharden

ドゥルーズは運命愛とは起こることではなく、起こることの中の何か、起こることに一致する来るべき何かquelque chose à venir de conforme à ce qui arriveを意志することだと言ってる。起こることにぴったり貼り付いてて、でも到来はしてない何か。

2010-01-07 00:17:58
@ttt_ceinture

@reskiniharden なにやらめっさニーチェなことをおっしゃっていますね。条件法過去=亡霊が乱舞する永遠回帰ですか。

2010-01-07 00:00:55
レスキニ @reskiniharden

@ttt_ceinture ニーチェについては専門家に監視されてるので滅多なこと言えないですが笑

2010-01-07 00:19:33
レスキニ @reskiniharden

まあそれで、ドゥルーズの言う「来るべき」も、いつか実現されるだろう直説法未来ではなく、今ここに亡霊として取り憑いている条件法として読むべきということです。

2010-01-07 00:26:45
@ttt_ceinture

@reskiniharden やはり彼はパノプティコンにw

2010-01-07 00:21:27
@ttt_ceinture

@reskiniharden 要はデリダのa venirっすね。

2010-01-07 00:28:06
Atsushi KUMAKI @anteros

@reskiniharden アホな質問で申し訳ないんですが、いま条件法って法として扱われているんですかね? 僕の持っているフランス語の文法の本だとほとんどみんな直説法(過去の未来というか)として扱われているんですが。どうなんでしょ。

2010-01-07 00:29:12
レスキニ @reskiniharden

@anteros 昔は法modeと見なされていたのが、最近は直説法の一時制とされることが多いみたいですね。しかし au conditionnelと出てくると「条件法で(の)」と訳してしまいますけどね…。

2010-01-07 00:46:18
Ayumu OKUBO @waschmaschine

@ttt_ceinture @reskiniharden どちらかというとニーチェ=クロソウスキーのラインですね、その手の話は。ちなみにニーチェは35歳が人生の正午だと断言してます、あとは下り坂。以上、パノプティコンの塔からでしたw。

2010-01-07 00:31:47
@ttt_ceinture

@waschmaschine 選別としての永遠回帰とか、人類の陰謀、などを塔から告げているのですね。

2010-01-07 00:35:56
おじさん @reger44

選別の教説としての永劫回帰ですね。以上、パノプティコン二号でしたw。 RT @ttt_ceinture @waschmaschine 選別としての永遠回帰とか、人類の陰謀、などを塔から告げているのですね。

2010-01-07 01:22:12
おじさん @reger44

あれ、選別の教説としての悪循環だったっけ?いずれにしても「35歳問題」がニーチェと関係してる(?)のであれば読み返さないわけにはいかないなあ。

2010-01-07 01:25:04
@ttt_ceinture

@reger44 これ以上ニーチェパノプティコンが増えられても困るw

2010-01-07 01:23:21
レスキニ @reskiniharden

@waschmaschine そうでしょうね。私は完全に戦後フランスの文脈でニーチェを読んでるので笑

2010-01-07 00:39:48
Ayumu OKUBO @waschmaschine

@reskiniharden ハイデガーやフランスの受容を無視して語るのはもはや無理ですよね。ただ、僕自身は運命と自由というむしろヘーゲル的な図式と対比して読みなおす必要性を感じています。RT @reskiniharden: @waschmaschine 戦後フランスの文脈

2010-01-07 00:47:08
Ayumu OKUBO @waschmaschine

@reskiniharden 確か『存在論的、郵便的』で東氏は珍しくドゥルーズを取り上げて、特異点と可能世界のことを語っていたはずなので、運命愛の話もそうした可能世界論との絡みで考えるべきでしょうね。ドゥルーズ自身、ライプニッツと対比してニーチェの永劫回帰について語ってます。

2010-01-07 00:42:41
@ttt_ceinture

@waschmaschine ぶっちゃけ東がメタゲームやループものを好んでる背景はそこでしょうね。<東氏は…特異点と可能世界…運命愛の話もそうした可能世界論との絡みで…ドゥルーズ自身、ライプニッツと対比してニーチェの永劫回帰について語ってます。

2010-01-07 00:45:28
Ayumu OKUBO @waschmaschine

@ttt_ceinture 僕はそこが苦手で..。村上春樹にも通じるような可能世界の称揚は、一歩間違うと歴史の無化につながってしまうわけで。SFだからそれでいいのかなw。RT @ttt_ceinture: @waschmaschine 東がメタゲームやループものを好んでる背景。

2010-01-07 00:51:57
@ttt_ceinture

@waschmaschine 私が東は赤間から持ってきてる説に固執するのはその点で、可能世界と歴史の問題って赤間がやってた。柄谷にはフーコー的な無名なものの歴史がなく固有名に流れすぎ、と言ってたのも赤間で。『存在論的』で一回だけ触れられる赤間のベルクソン論ってそういう論なのよね。

2010-01-07 00:55:56
@ttt_ceinture

@waschmaschine したがって、歴史と固有名と無名なものについて考えるためにも、一月ほど前に一旦赤間再読しようと思ってたんだけど、気がつけばいつものように忘れてた…。クリプキ導入とかスチュアート・シュナイダーマンの紹介とかも赤間はやってたんだけどな。

2010-01-07 01:00:31