科学哲学者と科学者の間にある悲劇の原因
私のロングツイート「科学哲学と物理学」 第1弾:http://t.co/I9tyjs7N 第2弾:http://t.co/HJFyooz3
2012-04-10 22:29:18皆さん、それぞれに訴えるところがありますが、ざっと見させていただいたところ、「谷村の科学哲学認識は間違っている!」という強烈な反駁よりは、科学哲学の立場を擁護し、理解を求める声が多いと理解しています。
2012-04-10 22:30:27おそらく私が接触した科学哲学者(本人が「私は科学哲学者です」とおっしゃったわけではないのですが、明らかに科学哲学にコミットしている人)が特異的にアグレッシブな方で、私に科学哲学に対する悪い印象を植え付けたのだろうと思います。
2012-04-10 22:31:07さて、皆さんのお声にどうお答えしたものか、と思うのですが・・・もちろん何か総意をまとめて結論を出すために議論しているわけではないので、あいかわらず私が思うことをつぶやきます。
2012-04-10 22:31:45私に向けて投げかけられた返答・問いに対する応えになっていない部分が多いですが、個別にお応えしきれないですし、そうすべき必要もないと思うので、粗略な「答え」で失礼します。
2012-04-10 22:31:58私なりに科学哲学の定義を言うなら、《科学を科学たらしめている条件・特徴を問い、「科学的」とされる方法の根拠・妥当性をとことん疑い、どこまでが正当化されるのかつきつめて考え、その問題設定および答えをできるかぎり言語化して表現すること》かな、と思います。
2012-04-10 22:33:23「なぜ超伝導は起こるのか?どうして金属をある温度以下に冷やすと電気抵抗がゼロになるのか?」みたいな問題まで踏み込んでしまったら、物理学者になってしまいますから。
2012-04-10 22:34:14物理学の定義は、それこそ科学哲学者にしてもらえばよいことだと思いますが、《諸々の自然現象に共通で再現性の高い法則性を見い出し、他の現象においてもその法則が成立することを検証する営み》と言っておけば大外れではないでしょう。
2012-04-10 22:34:55生物は物理学の対象から外すことが多い、物理学は定量的である、数学を使う、といった物理学の特徴は、「再現性の高い法則」を見つけたい・記述したいという要請の帰結と考えてよいでしょう。
2012-04-10 22:35:20物理学が知覚や手足の運動によって働きかける対象を扱うのに対して、科学哲学は「人間の営みである諸科学」を思惟の対象としているのだろうと思います。
2012-04-10 22:35:32ここは私には面白いところなのですが、科学哲学は、物理学や数学の手法・スタイルをお手本にして議論を組み立てようとしているように見えます。科学哲学者は論理的・数学的スタイルで問題を記述したい、そう狙っているように見えます。私の偏見かもしれませんが。
2012-04-10 22:36:17あるいは、論理的な哲学から、数学や物理学が分化・独立していって、数学や物理学の中で鍛えられ研ぎ澄まされた論理的手法を、科学哲学が逆輸入している、と言えるかもしれません。
2012-04-10 22:36:41たぶんアグレッシブな科学哲学者が私に言いたかったことは、「論理的・数学的方法だったら、物理学者よりも、私の方が優れた使い手である」ということなのだろうと、いまでは思います。
2012-04-10 22:37:04たぶん、科学哲学が、諸科学のありようを研究対象としているために、諸科学者は「オレたちからすれば日頃当然の営みとしてやっていることをわざわざ《君たちのやっていることは介入実在論だね》と、上から目線で言われるウザさ、おおげささ」を感じるのだろうと思います。
2012-04-10 22:38:07哲学者が上から目線で言っているつもりがなくても、「介入実在論」が科学者に向けた言葉でなくても、科学者側からすれば「オレたちが必死にやっている行いに外野の人間が名前をつけて分類して何かわかったような気になっている」と知ったら、それだけでもけっこうウザいと感じるでしょう。
2012-04-10 22:38:24そういう誤解が生じるのは、科学者が科学哲学を知らないからであり、科学者が科学哲学を知ろうとしないのは、科学者は科学哲学を知らなくても日頃の科学をやっていけるからです。
2012-04-10 22:38:49そして、科学の各論的・具体的内容を科学哲学者が理解しているわけではないし、そこに科学哲学者の興味があるわけではない、というところにまた、科学者たちのいらだちの原因があります。
2012-04-10 22:39:04熱素説がどうして否定されたかとか、電子はどういう意味で実在していると言えるのか、といった問いを考える上では科学哲学的な問題提起・問題整理は役に立つと思います。
2012-04-10 22:39:24