たぶん、世の批評誌がタダになっても、ヒップホップ黎明期のような盛り上がりはない。テープと違って、制作費はそれなりにするからね。それを全部負担できるのはそこそこ収入がある人に限られる。ある言説の可能性が、その構造によって排除されるおそれがある。
2012-05-16 11:34:55インディペンデントな批評同人誌は、単発で本を作っていくだけじゃなくて、シーンやカルチャーを作っていくものだと思うんですよ。文フリは単に本の即売会じゃなくて、シーン形成の場だと思う。批評誌みたいにパイが小さい市場では、一誌一誌が標準価格を形成する。
2012-05-16 11:37:09交換価値とかいろいろあるけど、ざっくり言うと「商品の価値」(コスト)が「価格」を決める。だけど、往々にして(自分も含めて)、「価格」が「商品の価値」であるように感じてしまう。同じ商品でも、「価格」が違うだけで「商品の価値」が違うように思ってしまう。
2012-05-16 11:39:10価格下落によって(1)新たな可能性が排除されるおそれがあること、(2)批評の価値自体が下がったように見えること。この二点が、わたしがデフレ化に賛同できない理由です。おわり。
2012-05-16 11:40:46ところでここのところ、批評(同人)誌の価格について、なかなかに熱い議論が交わされています。@nagasek、@dhmo_dhmo、@ama2k46、@andoh3あたりのTLを参照ください。
2012-05-16 12:43:32個人的には、安すぎるというのもわからないではない。アラザルの場合同人が比較的多いので、赤字がでる価格設定をする余裕がある程度ありますが、人数が少ない同人誌ではそれは難しいでしょう。まあ赤字の大きさによりますが。
2012-05-16 12:45:38で、アラザルが500円であることで、1500円の雑誌が売れなくなるのか。それはなるかもしれないし、ならないかもしれない。(ほとんどの場合はならないと思いますが。)
2012-05-16 12:46:27しかしそれはなんというか、普通の競争で、アラザルの場合は人数の多さを背景に安く作れているのであれば、それは偶然アラザルが持つことができた強みであるわけで、利用させてもらう。(このことに同人が意識的であるわけではありませんが。)
2012-05-16 12:46:57これはかなり個人的な意見ですが、批評は、作品と受け手と世界(社会や歴史)とをつなぐものであるとするなら、やはり批評は読者に届かないといけないのではないかと思っています。だから「読んでもらう」ためには、それなりのコストは支払う。
2012-05-16 12:47:30若干の負担が私個人にかかっても、今のところそれを受け入れて継続するのには無理はないし、続けたいと思う。そこはバランスです。もちろん事情は同人ごとに違うでしょう。
2012-05-16 12:47:56そう考えるとアラザルはむしろ読み手の少ない媒体だと思います。しかしここで反転しますが、無理に読者を増やそうと思っているわけでもない。
2012-05-16 12:50:20それは少ないながらにアラザルを手に取ってくれた読者や、アラザル同人の間でのコミュニケーションに僕たちが価値を見出しているからだと思います。
2012-05-16 12:50:34だからアラザルという雑誌を面白いと思ってくれる読者が、自然に増えていってくれたらいいと思う。で、それはまあ普通に内容の面白さが勝負ですよね。精進します。
2012-05-16 12:51:07RT @rear_nagoya: @nagasek REARは、広告収入なしの代わりに原稿料もなし、それでも書いたりして下さる方々の協力のもと、少しでも安価に少しでも多くの方に届けるために、印刷費+送料=売価×部数で何とかやりくりしています。収益はありません。
2012-05-16 10:38:28芸術やカルチャー系の雑誌の価格設定について議論が盛んなようであるが、↓にRTしたツイートはいただけない。『REAR』誌は貴重な美術系雑誌なので、何度か寄稿しているが、「原稿料なし」とか公に呟いているのは、著者に対して失礼ではないか。なんでもオープンにすればいいというものではない。
2012-05-16 10:42:10著者は、原稿料(その多寡は於くとして)を「信用」として寄稿する。けれども、原稿料なしの仕事があるのは現実である。しかし、その場合であっても人間関係資本などの「信用」が取り交わされているのは自明。ゆえに、その個人的な「信用」によって成り立つ「原稿料なし」を、公にするのは極めて問題。
2012-05-16 10:47:21これは、人間関係一般に敷衍してみれば当たり前の話で、個人的な取り交わしであるはずのものが、当人与り知らぬところで第三者に知れ渡っていたとしたら、端的に不愉快でしょ。『REAR』アカの中の人がどなたかは知りませんが、ちょっとは考えてから呟いてほしい。著者にも読者にも失礼ですよ。
2012-05-16 10:51:22まぁ、なんというか、要するに端的に不愉快。不愉快な表明を読まされるほうも不愉快かもしれないので、嫌な方はフォロー外してください。しかし、こういったことは美術業界全体に敷衍できる問題であるような気がするけどね。
2012-05-16 10:57:42美術マーケットにせよ、出版マーケットにせよ、グズグズな状態であることは言うまでもない。じゃあ何がそれらを成り立たせているかは、信用資本の交換で、かろうじて成立している。これはこれで問題あるけど、じゃあどうするのって話になれば、構造改革しかありえない。しかしその道は険しい。
2012-05-16 11:01:28険しいとか言っていても、それは醜い自己憐憫でしかないから、ガンガン改革せよ、と言っているのが、例えば村上隆氏の活動であったりする。それは正しい選択である。けれども、全員が村上氏のような選択ができるわけではない。さらに言えば、その方向性で一枚岩である必要もない。
2012-05-16 11:03:30オルタナティヴな活動は、現状でどうゲリラ戦をやっていくのかという話であるはずなのに、内部事情がダダモレであっては話にならない。表現活動は前向きなヴィジョンを提示するものであるはずなのに、世俗的なレヴェルの話がダダモレでどうすんだよ、という話。
2012-05-16 11:06:12@seiichitsuchiya 要するに出版、執筆者の善意で成り立ち購入者もその輪に入って下さいということでしょうが、この循環は脆弱ですよね。
2012-05-16 22:51:50@satojunya ていうか、作品であれ批評であれ、表現活動が「善意」になったら、その時点でアウトだよね。本当にそう思っているかどうかは別としても、そのように「見えてしまう」のが問題かと。「原稿料なし」なんて、「善意」に「見えてしまう」こと以外の何物でもない。
2012-05-17 07:12:56