市民研連続勉強会「ICRPは黄門さまの印籠か?」

 5/21(日)に東京・本駒込で開催された市民科学研究室の第1回連続勉強会「ICRP は黄門さまの印籠か」の模様です。全ての発言を拾えてはいません(部分的に、一部悪質参加者からの妨害もありました)。それでも、当日の雰囲気だけはお伝えできると思います。
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#phdjp科学と社会ワーキンググループ @sf2_jp

#csij521 田島さん:コンセプトの変遷。職場の安全から公衆・環境の安全へ。安全と危険の境目がなくなった(例:看護士)。放射線に対する人々の目と線量規制が厳しくなった。

2012-05-20 14:00:18
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#csij521 田島さん:しきい値。広島や長崎の原爆投下後は耐容線量 250 mSv/年。→遺伝子研究で「閾地なし」から「最大許容線量」の考え方へ。被爆者の晩発被害の問題も発生。

2012-05-20 14:02:28
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#csij521 田島さん:閾地なし線形の数学的な意味。1973年の文献より。1粒の放射核でも1本の放射線でもどれも対等。足したり引いたりできる量として便利だから、この考え方を使おう。

2012-05-20 14:04:48
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#csij521 田島さん:1977年韓国で損害の定量化を提唱。そのためにある種の期待値として実効線量という値と概念を導入。

2012-05-20 14:06:09
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#csij521 田島さん:typo 訂正 1977年韓国→1977年勧告

2012-05-20 14:06:40
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#csij521 田島さん:防御の最適化と線量限度のグラフ。費用と損害に関する曲線を縦軸:金額、横軸:線量としてグラフにし、費用と損害の輪を取って図示すると、極小値が1つ存在する。

2012-05-20 14:08:59
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#csij521 田島さん:組織過重係数が表す「損害」への「寄与」とは? 2007年勧告書より。

2012-05-20 14:10:08
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#csij521 田島さん:調整された名目リスクという概念。1万人当たりSv あたりの症例数。これと致死率、相対的無癌寿命の損失をもとに計算すると、「損害」=「調整した名目リスク」×「寿命損失度」=「致死損害」+「QOL損害」+「重篤度損害」に...。

2012-05-20 14:14:30
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#csij521 田島さん:実効線量とは、損害保険で扱うような障害の数量化であって、癌の罹患率等のような生物学的指標ではない。死者数の推計には各線量ごとの等価線量や臓器ごとの吸収線量に基づく必要がある。

2012-05-20 14:16:21
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#csij521 田島さん:正当化の逆転。事故前は「被ばくによる人間の損害<放射能を出して得られる社会的便益」→事故後は「防護の費用や処置による経済的社会的損失<防護による人間の損害の軽減」

2012-05-20 14:25:01
#phdjp科学と社会ワーキンググループ @sf2_jp

#csij521 田島さん:そこで、ICRP の目的に戻る。被爆に関連する可能性のある人の望ましい活動を過度に制限せず、放射線被ばくの適切なレベルでの防護に貢献。

2012-05-20 14:26:12
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#csij521 演者その3.林さん@富山大( @hayashi_SciCom )。日本“基準”はICRPとどう違っているか?

2012-05-20 14:28:18
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#csij521 林さん:低線量被爆問題が混乱した原因。100 mSv以下の低線量被爆による健康影響には「科学的根拠がない」。確かに、統計的優位の有無で証拠の有無を議論する習慣はあるが、どこから優位にするかは恣意的。直線閾値なし仮説の根拠を直接示すのが最も単純ではないか。

2012-05-20 14:30:06
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#csij521 林さん:原子力安全委員会・政府が低線量被爆を否定しては認めていく過程。11年4月は「心配無し」。5月には影響ありを認める流れに。5月末には学校では 1 mSv/年を目指すとの方針へ。

2012-05-20 14:32:09
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#csij521 林さん:D.J.Brenner et.al. の論文(PNAS vol.100 pp13761-13766)より。グラフは直線行き地なし仮説を支持。

2012-05-20 14:33:25
#phdjp科学と社会ワーキンググループ @sf2_jp

#csij521 林さん:typo 訂正 直線行き地なし仮説→直接閾値なし仮説

2012-05-20 14:33:54
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#csij521 林さん:ICRP も低線量健康影響に科学的根拠ありと認めている。癌の場合、約100 mSv 以下の線量に置いて不確実性が存在するにしても、疫学研究及び実験的研究が放射線リスクの証拠を提供(ICRP Publ. 103 より)。

2012-05-20 14:36:00
#phdjp科学と社会ワーキンググループ @sf2_jp

#csij521 林さん:医学のあゆみ vol.239(10) の長滝さんの記事 http://t.co/Y0vQmBro に対する批判。主張の非科学性、不誠実性を検討すると、色んな事が見えてくる。

2012-05-20 14:42:01
#phdjp科学と社会ワーキンググループ @sf2_jp

#csij521 林さん:生体の防御機構はあるが、完全ではないから癌が起こる。酒井一夫(医学のあゆみ 12 年3月号)より。

2012-05-20 14:44:19
#phdjp科学と社会ワーキンググループ @sf2_jp

#csij521 林さん:発癌リスクの閾値有無に関する議論に意味がないことは、自然高線量地帯のデータを見ればわかる。同地域での癌死亡リスクの増加は見られないが、染色体や遺伝子のレベルでの異常は報告あり。

2012-05-20 14:47:07
#phdjp科学と社会ワーキンググループ @sf2_jp

#csij521 林さん:リスクコミュニケーションの原則からの逸脱。立場は大きく2つ。その1は、リスクについて対面で話し合ってリスクを納得しようと云うもの。もう1つは、関係者間で情報や意見を交換し、理解を深めてより良い決定が出来るように合意を目指すと云うもの。

2012-05-20 14:49:11
#phdjp科学と社会ワーキンググループ @sf2_jp

#csij521 林さん:消費者の4つの権利(ケネディ教書:1962年) 安全を求める権利、選択する権利、知らされる権利、意見を聞いてもらう権利。

2012-05-20 14:50:03
#phdjp科学と社会ワーキンググループ @sf2_jp

#csij521 林さん:ICRP 勧告2009年では、人々の不信や不安を一方的に切り捨てるのではなく、むしろ当然の反応として汲み取るべきという趣旨を採っている。

2012-05-20 14:51:27
#phdjp科学と社会ワーキンググループ @sf2_jp

#csij521 林さん:低線量被爆で、放射線由来の健康リスクは大変低いので、いかなる潜在的影響も疫学的手法では実際には検知出来ない。しかし、防御の目的の為には、背景を越える被爆なら低レベルでも、小さくても限定的な有害影響へのリスクに寄与すると云う科学的知見へのリスクがある。

2012-05-20 14:54:31