2012年5月27日 日本気象学会『放射性物質等の移流拡散問題 -モニタリング、予測、防災情報』実況まとめ。
#metsocj 社安研首藤氏「実際のところでは災害時にはパニックが心配視されるが、一種のパニック神話でもある。これのために逆にパニックへの巻き込みを避けるために半社会的な行動を取る、情報提供のヘジテーションになる可能性がある」
2012-05-27 15:14:14#metsocj 社安研首藤氏「危険情報を受け取った場合の行動パターンを見ると、すぐに行動するのではなくほんとうに危険だと理解の上で行動意思を決定することになるが、そこまでに様々な価値判断が存在する。実際に今回もすぐには避難しなかった人も多かった」
2012-05-27 15:15:19#metsocj 社安研首藤氏「今回の原子力災害での問題、情報を処理する人間も受け取る情報が基本的に正しいという前提で従来は板。でも今回はそこに専門家も分からない不確かな情報という場合で実質的に情報がない状態に等しく、自然発生的に流言が発生しやすくなり、実際に起きた」
2012-05-27 15:17:25#metsocj 社安研首藤氏「つまりは情報を作っていく、あるいは曖昧な情報を外部にどのように提供するのか、そして理解のために文脈をどのように形成していくかが今後の情報提供での大きな課題となる」
2012-05-27 15:18:06#metsocj 質問「仮定として、SPEEDIが動いて実際の量の100倍が出ていたとした場合、その情報が伝わった際、要避難区域は更に広がる、パニックになっていたかもしれないが」
2012-05-27 15:19:05災害情報の勉強もそこそこやってるので、自分のなかでは既知の話が多いなぁと。 そういうことからフィールドがかなり移ったことを実感する。パニック神話の話は専門家は頭におくべきだろなぁ。それがあればエリートパニックは避けられる…かもだし。 #metsocj
2012-05-27 15:20:01#metsocj 社安研首藤氏「起きなかったという断言はできない。ただ少なくとも、専門用語としてのパニックで見ると、これは規範を無視した行動が横行する事態をさすが、実は合理的に判断してそれらの行動が自分への妨げになる、とするケースが多くなると。勿論部分的に起きる可能性はある」
2012-05-27 15:20:51#metsocj 質問「法律関係の話、今回機能してないというのは体制そのものの想定外ではないか。体制が何を想定してるか明確にならないと無理では。」
2012-05-27 15:21:59#metsocj 社安研首藤氏「確かに、これらの法律は内部のみのトラブルで外部への何らかの放出もベントなどでコントロールされることが前提で今回のような制御不能と同時多発は全く想定されてなかった。ただ本来の防災は想定以上も考えるべきで、それへの備えをどう行うかが課題になると」
2012-05-27 15:23:08#metsocj 気象研五十嵐氏「調査委について。事故調とされる組織として畑村氏の政府・黒川氏の国会・北澤氏の民間の3つが存在している。ここでは政府と民間の報告書のうちSPEEDI部分について扱いたい」
2012-05-27 15:28:49#metsocj 気象研五十嵐氏「SPEEDIについて。放射性物質の拡散の把握と予測を行うものでモニタリングを並行するもの。スリーマイル島原発事故を契機に120億円を投じて86年に稼働開始、05年にアップデート。報告書では事故直後の運用や実態データの扱いについて記述されている」
2012-05-27 15:30:26#metsocj 気象研五十嵐氏「まず3月11から16日の経緯について。11日の1640には緊急時モードに切り替わって1932には最初の情報提供を実施。しかしERSSの情報がなく定量的な把握も困難、でNUSTECでは24時間態勢で推定量から計算を実施、つまり動作はしていた」
2012-05-27 15:31:59#metsocj 気象研五十嵐氏「その後様々な計算が各省庁の求めで条件をその都度設定して行なっていた。一方で保安院のERCではシナリオデータが送られるとともに、1号機の放出予測もされていた」
2012-05-27 15:32:58#metsocj 気象研五十嵐氏「しかし実際には官邸にデータが上がっていなかったという証言が官邸の政治家からある。そして証言の食い違いもある他、間違った説明を受けていたとも。その後役割分担が決定され、16日以降に安全委が一括で運用公表と決定されその後混乱に至ったとも」
2012-05-27 15:34:43#metsocj 気象研五十嵐氏「16日から23日まで予測不可との話だが、これは15日のオフサイトセンター撤収やその後の風向のためと。で12日までに官邸に伝わった予測結果は2件だったと。つまりは中枢へ情報が伝わってなく、その一方省庁からで米軍などへの情報提供は行われていた」
2012-05-27 15:36:48#metsocj 気象研五十嵐氏「また避難指示への活用について、放出源情報がない状況下で意見が分かれていた。参考に値するデータではないとする声の一方で参考程度にはなった、あるいは十分活用できたという声もある」
2012-05-27 15:37:50#metsocj 気象研五十嵐氏「実際のところは難しいところもあったと思われるが、住民被ばくの低減の観点を考慮するとさらなる活用も出来たとする調査報告もある。」
2012-05-27 15:38:28#metsocj 気象研五十嵐氏「官邸に伝わらなかった理由として、信頼性が低いとの考えや、役立てる発想の欠如、情報共有の問題や、二元態勢の問題、パニック会議の話もある。」
2012-05-27 15:39:24#metsocj 気象研五十嵐氏「またモニタリングについても、大きく遅れていた他、SPEEDIの本来の役割についても事前の防災計画で不十分の上に、事故直後には過剰な期待が課せられてしまい、結果的に政府への社会的な不信の一員となった。過度な期待も過小評価もせずに活用が必要と」
2012-05-27 15:40:33#metsocj 気象研五十嵐氏「一方で政府の事故調査報告書でも基本的には同じ内容。課題としては、放射線情報を迅速に提供できるようにする運用上の改善措置が必要、あるいはシステム機能喪失を防げハード面での強化が必要とされている」
2012-05-27 15:41:59#metsocj 気象研五十嵐氏「結論として、SPEEDIでの計算自体は行われていたが、役所のいずれも価値を認めずに活用できてなかった。更には活用主体も不在で官邸への伝達も何らかのため正しくされてなかった。しかしながらいずれにせよ防災にSPEEDIを活用する視点が欠けていたと」
2012-05-27 15:43:41気象研究所五十嵐さん、「事故調査報告書を読む」。 内容はタイトル通り、事故調査報告書のレビュー(民間事故調査報告書がメイン)。そういえば民間の方は買ってなかったので、今Amazonでぽちった。レビューで理解するのもいいけど、読まないとダメだ。(ステマ) #metsocj
2012-05-27 15:43:54#metsocj 気象研五十嵐氏「今後必要になることとして、迅速な情報提供の体制を確立すること、複合的な災害を考慮したシステム、またハード・ソフト両面で人為の恣意的な介入や運用ができないシステム、有効活用のためのリアルな演習も求められると考えられる。」
2012-05-27 15:45:39#metsocj 気象研五十嵐氏「学会でも素晴らしいモデルは多くあるが、それらをどのように活用するかを考える必要がある。セカンドオピニオンのような考え方についてもしっかり考慮していく必要があると思われます」
2012-05-27 15:46:18