クローズアップ現代「もう病院で死ねない~医療費抑制の波紋~」書き起こし・ほぼ完全版 #nhk

5月29日に放送されたものを文字起こししています。 進行:森本健成アナ ゲスト:結城康博(淑徳大学准教授)
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とし @toshihiro36

結城:VTRにもあったように、ある程度弱った患者さんなり利用者さんを看ていなければいけない。私の場合なんかも、呼吸困難でゼイゼイしているのに…救急車を呼ばないでお医者さんを待っていたりとか、入院しないで苦しんでいる様子を小康状態を保ちながら看ているということで。

2012-05-30 06:43:09
とし @toshihiro36

結城:家族にとってはある程度厳しい選択をせざるをえないというのも、在宅医療・在宅介護の現場の実情だといえますね。

2012-05-30 06:45:41
とし @toshihiro36

森本:VTRに出てきた沖田さんのような医師のケースは多いんでしょうか?

2012-05-30 06:50:36
とし @toshihiro36

結城:徐々に増えていて、ああいうお医者さんのように生活の質全体をやって。ただ現実的には苦しんで入れば入退院を繰り返して…病院に行って、2,3日して小康状態になればまた帰ってくるという現状が多い。ただVTR野先生のように、看取りに対してこういう促し方が増えているのも事実ですね。

2012-05-30 06:55:49
とし @toshihiro36

森本:そうなるとですね、どれだけ国の制度・システムとして成り立っているんだろうかというところが気になるんですが。

2012-05-30 07:36:19
とし @toshihiro36

結城:私は国が考えている在宅医療・在宅介護は方向性としては正しいとは思いますが、方法論としては間違っていると思います。例えば退院を促していく場合、介護資源や在宅医療の資源がきっちりとあって、退院しても安心して在宅生活ができる準備が整ってはじめてそれができるんですけれども。

2012-05-30 07:41:28
とし @toshihiro36

森本:その資源というのは、例えばどういう?

2012-05-30 07:42:42
とし @toshihiro36

結城:例えばお医者さん、看護師さん、ヘルパーさん…ある程度病院と同じように在宅で生活できる社会資源が整っているかというと、一部の地域を除いて全国的にはまだまだ少ないんですね。

2012-05-30 07:49:01
とし @toshihiro36

結城:そうなると家族の介護力もしくは在宅介護のマンパワーのやる気というか意識に頼って、いま在宅医療・在宅介護は成り立っているというのが現状です。国としては多少在宅医療にお金を配分しましたけれども、方向性としてはあってますが方法論としてはまだまだ不十分な政策だと思います。

2012-05-30 07:53:28
とし @toshihiro36

森本:さらに私たちの意識としてはどうなんでしょうか?

2012-05-30 07:55:44
とし @toshihiro36

結城:最後に在宅医療・在宅介護というのはある意味、家族と本人の覚悟が問われていると思います。人間だれしも自分で決断したとしても、自分の身体が弱ったり家族が弱っているのを見ると、「これでいいのかな?」と繰り返し思うこともあります。

2012-05-30 07:59:26
とし @toshihiro36

結城:ですから在宅医療・在宅介護というのは方向性としては正しいけれども、自分たちの覚悟というものが…いま我々に突きつけられているともいえるんじゃないでしょうか。

2012-05-30 08:01:48
とし @toshihiro36

森本:社会のシステムそして私たちの覚悟が、これから問われるということですね。どうもありがとうございました。

2012-05-30 08:06:58