サッカーに全く興味の無い歴オタの為のEURO解説(その2)フランスvsイングランド
【サッカーに全く興味の無い歴オタの為のEURO解説・第二回「イングランドvsフランス】 今日は6月11日に行われたグループD一戦目、イングランドvsフランスです。この試合は一言で言えば、「イングランドによる籠城戦」でした。
2012-06-14 00:10:34まず両者を例えるとすれば、まんま百年戦争時代辺りのイングランド軍とフランス軍が丁度いいと思います。まあ両国間の因縁はあの頃から深く、ずーっと百年戦争の延長戦やってるようなもんで、それはサッカーとて例外ではないのです。
2012-06-14 00:12:45フランスの主力は、言わずと知れた騎士です。一騎討ちなら負け無しのリベリー、多対一でも平然と敵を打ち果たすベンゼマ、馬上弓も得意な若きナスリなど、一騎当千の兵が前線に並びます。
2012-06-14 00:15:58イングランドの主力は歩兵です。重装歩兵と長弓兵は錬度が高いことで有名ですが、イングランドは直前に監督が交代、負傷者が続出、加えてフランス騎士に対抗できる万夫不当の戦士・ルーニーが前の戦で捕虜の扱いに問題があったため裁判の最中で参加出来ません。故に下馬評は圧倒的にフランス優位でした
2012-06-14 00:21:23ただ、この試合はグループリーグの一戦目に過ぎません。ルーニーは三戦目から戻ってくるので、イングランドとしては少なくともその試合までに敗退を決めるわけにはいきませんでした。そこでイングランドの取った戦術は、もう思いっきりわかりやすいものでした。そう、「籠城」です。
2012-06-14 00:26:01イングランドが欲しいのは引き分けで得られる勝ち点1。一方フランスは初戦を勝って勢いに乗りたいところです。開戦と同時に、フランスは騎兵の機動力を活かして一気にイングランドの本城に迫りました。対するイングランドは、ペナルティエリア(城)の中に8人が4×2の並列に並ぶ陣型。堅陣です。
2012-06-14 00:29:40フランスはイングランド本城を包囲して攻城戦を開始しますが、イングランド軍は城から出ようとしません。たまにフランス軍の後方に隙が出来た時に城の外に残っていた部隊が強襲をかけたくらいで、主軍はあくまで城に籠ります。その攻撃意識の薄さはボールを奪ったのにそこから攻撃を戸惑うくらいでした
2012-06-14 00:34:31フランスはリベリー、ベンゼマ、ナスリらの騎士が走り回り、時には搦め手から、時には挑発、時には強行など様々な攻撃を仕掛けますが、イングランドはもうほとんど無反応。ひたすら城門を固めます。何しろボールを奪いに行かないのです。とにかくゴール前のスペースを消しフランス騎兵の侵入を防ぐだけ
2012-06-14 00:38:07そうこうしているうちにイングランドに幸運が舞い込みます。たまたまいい位置に投石機を仕掛けることに成功し(フリーキックから)敵の城壁を越えて被害を与えたのです。これで引き分けどころか、もしかしたら勝てるかもしれない、とイングランド軍の気が緩んだとしても無理からぬことでした。
2012-06-14 00:40:31勿論フランス騎士が黙っているわけがありません。リベリー、ベンゼマが敵陣を掻きまわし、僅かに緩んだ隙にナスリが馬上弓で守兵を射殺し敵城に損害を与えました。これで再びイーブン。しかし、この一点で、イングランドとしては却って覚悟が固まったのかもしれません。このまま籠城し切る覚悟です。
2012-06-14 00:44:20イングランド軍の思惑通り、その後フランス騎兵が城門を破ることはついに無く、あえなく時間切れ。引き分けで試合終了。サッカーの試合としては面白くありませんが、イングランド的には現有戦力でフランスとガチにやり合うと敗北する可能性が高い、ならば…と、まあ致し方ない部分もあったのです。
2012-06-14 00:47:54フランス軍の弱点は、機動力に優れた騎兵、類稀なる武勇を誇る騎士は居ても、攻城戦の用意が無かったことでした。あくまでも平原での会戦で威力を発揮する陣容だったのです。
2012-06-14 00:50:48例えばフランス軍にイタリアのピルロのような参謀がいれば、城の近くに出城を築いて、そこから攻城兵、攻城兵器を繰り出すことも出来たかもしれませんが、生憎フランス軍にそういうタイプの選手はいませんでした。スゥェーデンのイブラヒモビッチのような攻城塔もおらず、攻城戦の決め手に欠けたのです
2012-06-14 00:54:19ちなみにスペインなら、こういう籠城戦に慣れっこなので、案外楽に攻略出来たかもしれません。スペインはまず敵の城の目の前に幾つも拠点を築いて補給網を張り巡らし、相手が打って出ざるを得ない状況を作ります。で、相手を誘引して隙を作って、破城槌を城門に打ち込み、破壊したことでしょう。
2012-06-14 00:59:24フランスにそんな用意はありませんでした。またイングランドも、籠城した味方の援護を受けずに単独で城を落とせる兵はいませんでした。ルーニーがいればまた違ったのでしょうが、彼以外の攻撃陣が一段落ちるのはやはり否めません。中途半端に行くよりはいっそ全てのリソースを守備に注ごうとしたのです
2012-06-14 01:02:29イングランドが当初の計画通り籠城をやり遂げた。とはいえ、その守備の堅牢さと忍耐力を称えこそすれ、見ていて胸躍る姿でなかったことは確かです。フランスもフランスでその城門をこじ開ける工夫に欠けました。前日にスペインとイタリアの見事な攻防を見ていただけに、残念な試合だったと思います。
2012-06-14 01:06:14