インドネシア製反日エクスプロイテーション映画Budak Nafsu の感想とまとめ

2012年3月25日にジャカルタのタマン・イスマイル・マルズキ(文化センター)で見た故シュマンジャヤ監督の反日エクスプロイテーション映画Budak Nafsu(欲望の奴隷)についてのツイートをまとめました。 ウィキペディア(インドネシア語) http://id.wikipedia.org/wiki/Budak_Nafsu 続きを読む
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अह्मद् तोदोरोकि @ahmadhito

BN51)そうそう参考上映としては是非「支那の夜」も。戦争とジェンダー、オリエンタリズムの問題を考える上で重要であるだけでなく、この映画の撮影現場で主演女優李香蘭と朝鮮人慰安婦がお互いを知らずに交錯し両者が約60年後に邂逅した事実を知らしめる上でも重要なフィルムと言える。

2012-09-02 16:47:06
अह्मद् तोदोरोकि @ahmadhito

BN50)将来、慰安婦映画特集上映が企画される際は是非日本でも上映されてほしいもの。同時上映は黒澤明が脚本を書いた「暁の脱走」、同作をリメイクした鈴木清順の「春婦伝」、山谷哲夫の「沖縄のハルモニ」、韓国からは「ナヌムの家」2部作あたりか。フィリピン映画でもあったかな?

2012-09-02 16:39:48
अह्मद् तोदोरोकि @ahmadhito

BN49)「反日映画」の最高峰『ドラゴン怒りの鉄拳』の国辱ストリップ場面だけをもって映画の評価ができないように、本作も考証部分だけを取り上げて評価することはフェアではないだろう。たとえ粗雑な設定であっても観客に影響を与え時代を反映した作品はもっと知られるべきだと思う。

2012-09-02 15:44:51
अह्मद् तोदोरोकि @ahmadhito

BN48)しかしだからこそ本作は80年代に日本で上映されるべきだったと思う。佐藤氏の判断は間違っていたと思う。たとえ珍品扱いだとしても、監督のメッセージは伝わるし、何よりインドネシア人による日本人のイメージを伝える貴重な作品であることには違いない。

2012-09-02 15:41:19
अह्मद् तोदोरोकि @ahmadhito

BN47)あと1960年はまだモナスは完成していないし、車窓からの風景も製作当時のものだから(60年代のジャカルタはもっと人口密度が低かった!)やっぱり考証のいい加減さが気になる。単に予算の関係とかかもしれないけど。

2012-09-02 15:36:50
अह्मद् तोदोरोकि @ahmadhito

BN46)また主人公が始終受身な態度なので観客としてはイライラしてくる感も無きにしも非ず。NICAの兵営で突然暴れまくるのも変かも。民族主義を鼓舞するのがちょっととってつけたような印象になっている。

2012-09-02 15:34:48
अह्मद् तोदोरोकि @ahmadhito

BN45)本作を佐藤忠男さんは描写が雑として日本での映画祭では紹介しなかった。その評価自体は正しいと私も思う。端的に言って時代考証や衣装などが非常にいい加減でシリアスな内容とマッチしていないため、ちぐはぐな印象が否めない。日本兵の制服、戦車、銃、輸送船等々挙げればキリがない。

2012-09-02 15:31:15
अह्मद् तोदोरोकि @ahmadhito

BN44)マレーシアへの連帯感が表明されているのは製作当時の両国関係が良好だったことと多分無縁ではないだろうが、確証はないので、専門家の方のコメントをお待ちしてます。

2012-09-02 15:26:06
अह्मद् तोदोरोकि @ahmadhito

BN43)映画でも検閲はあり、実際本作でもところどころボカシが入ったりする。しかし性的な場面が丸々削られた様子はなく、これはストーリーにインドネシア民族主義、もっと言えば国軍正当史観が反映されているためにお目こぼしされた可能性が考えられる。

2012-09-02 15:23:56
अह्मद् तोदोरोकि @ahmadhito

BN42)これは全くの推測だが、当時の観客、とりわけ男性は件のシャワーシーンや強姦シーンを目当てに映画館に行ったのではないだろうか。まだ今のようにポルノDVDが普及する遥か前の時代。ビデオだって高価。印刷メディアは厳しく規制されていた。

2012-09-02 15:19:49
अह्मद् तोदोरोकि @ahmadhito

BN41)全体としては確かに「反日映画」とくくっても間違いではないのだが、それ以外の要素を見落とすと評価を見誤るだろう。当時の観客がどのように評価したか、73-74年頃の反日映画「ロームシャ」を上映中止に追い込んだ日本大使館がこの映画にどういう反応を示したか、今後の研究課題。

2012-09-02 15:16:24
अह्मद् तोदोरोकि @ahmadhito

BN40)以後、分析と評価。まず本作には主に三つの要素が混在している。言わずとしれた「反日」、シャワーの場面や強姦場面に見られる「エクスプロイテーション」(見世物小屋的視点)、そして「インドネシア民族主義」。メロドラマの要素やマレーシアへの連帯感を表明している点も無視できない。

2012-09-02 15:11:40
अह्मद् तोदोरोकि @ahmadhito

BN39) 以上、映画のストーリー紹介は終了。メモを元にしていますが、細部で間違いがあるかもしれないので、ご存知の方はご指摘をお願いします。かつてVCDが発売されていたこともあります。DVDはまだ見たことなし。シュマンジャヤはインドネシア映画史で重要な監督の一人。

2012-09-02 15:05:00
अह्मद् तोदोरोकि @ahmadhito

BN38)ついに行き倒れとなるファティマ。翌朝病院へ運ばれる。女医の診察を受ける。うわごとで娘イジャの名前を呼ぶ。女医の名前はアティ。本名は Hatija、つまりアティ=イジャ。泣きながら再会を喜ぶ母と娘。叔父も一緒に涙。大円団。おしまい。

2012-09-02 15:01:24
अह्मद् तोदोरोकि @ahmadhito

BN37)この場面のモンタージュは見事な反日アジテーションとなっている。今の日本人が見てもピンと来ないかもしれないが、83年当時インドネシアにおける日本のプレゼンスは圧倒的だった。10年前には反日暴動も発生。監督の意図は明白である。

2012-09-02 14:56:08
अह्मद् तोदोरोकि @ahmadhito

BN36)鉄道に乗りジャカルタのタナーアバン駅に着くファティマだが、到着早々荷物を盗まれてしまう。誰も助ける人はおらず。夜の街をボロボロの姿でさまよう。ネオンサインはすべて日本の会社。スズキ、トーシバ、ナショナルなどなど。前半の輪姦場面がインサート。ボロボロな彼女との対比が強調。

2012-09-02 14:53:03
अह्मद् तोदोरोकि @ahmadhito

BN35)病院の開所式。施設の隅で老いたファティマが所在なく一人たたずんでいる。開所式に出席した、かつての独立軍兵士、今は国軍将校M・サレーは彼女を見つける。パレンバンのNICA兵営で自分をかばった恩を彼は忘れていなかった。彼女を施設から出し故郷へ戻る手助けをする。

2012-09-02 14:49:14
अह्मद् तोदोरोकि @ahmadhito

BN34)「ほら、やってみなさいよ、あの時のように!私は痛くないわよ!」銃を奪い乱闘状態になる室内。その頃外では独立軍が攻撃を開始。戦闘場面。倒れるオランダ兵。場面転換。紅白旗がひるがえり独立記念塔(モナス)が写される。字幕で「1960年ランプン」。

2012-09-02 14:40:16
अह्मद् तोदोरोकि @ahmadhito

BN33)場面転換。1949年パレンバン。NICAの兵営の尋問室。オランダ兵に連れて来られるファティマ。インドネシア独立軍兵士の首実検を要求される。オランダ軍人の中にかつて自分を強姦した男がいることに気づく。度重なる要求にとうとうキレるファティマ。「お前らは私を犯した!」

2012-09-02 14:34:55
अह्मद् तोदोरोकि @ahmadhito

BN32)閑話休題。ゲリラたちが山を訪れ日本の敗戦を伝える。ジャワへ戻ることにするファティマ。マラッカ海峡をゆくボート。しかしオランダ軍(NICA)の巡視船に拿捕される。またもや捕らわれオランダ兵たちの慰み者にされるファティマ。なすがまま。

2012-09-02 14:04:07
अह्मद् तोदोरोकि @ahmadhito

BN31)インドネシア映画の出自と源流に自覚的だったシュマンジャヤ監督。こうしたオマージュというか言及はインドネシア映画では稀な印象がある。本作でのモンタージュもそうだが、モスクワで映画を学んだ監督は当時のインドネシア映画界では珍しい理論派だったのだろう。

2012-09-02 14:00:21
अह्मद् तोदोरोकि @ahmadhito

かみさんが早く寝ろとおかんむりなので寝ます。続きはまた明日。やっと完結か?!

2012-09-02 02:29:37
अह्मद् तोदोरोकि @ahmadhito

BN30)これは本筋とは関係ない部分だが、シュマンジャヤ監督はインドネシア映画興隆の土台にそれら大衆演劇の存在が重要な役割を果たしたと考え、あえてこうした設定を作ったのだろう。マレー半島とインドネシアの文化的一体感を強調する意図もあったかもしれない。

2012-09-02 02:27:05
अह्मद् तोदोरोकि @ahmadhito

BN29)清浄な滝の水を浴び薬草で回復を待つファティマ。今は亡き夫、下男アトゥ、そしてタカシを回想。無聊を慰めるために一人芝居を始めるハブサー。演目はマクベス?彼女はマレーや蘭印でかつて大人気だったスタンブル劇団、そしてダルダネラ劇団の元女優だった。

2012-09-02 02:18:45
अह्मद् तोदोरोकि @ahmadhito

BN28)ゲリラのアブドゥッラーの実家にて休養するファティマ。マレーの漁村らしくジャワとは違う高床式住居。彼の妻ロマーや母ハブサーに親切にされるも、梅毒に感染していることが判明し住民から排斥される。やむなく人里離れた山へ移るファティマ。世話をするのはハブサー。

2012-09-02 02:03:04