ハートネットTV「シリーズ貧困拡大社会 File.5 漂流する路上生活者」書き起こし・ほぼ完全版 #nhk

NHK・Eテレで6月18日に放送されたものを文字起こししています。 司会:山田賢治アナ ゲスト:倉田真由美(漫画家) 湯浅誠(反貧困ネットワーク・事務局長)
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とし @toshihiro36_sub

<ナレーション> 取材中、突然パチンコ店に入った三浦さん。20分ほどして店から出てきました。

2012-06-19 20:37:00
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記者「何してたの?」 三浦「携帯の充電です」 記者「電話代はどうしてるんですか?」 三浦「プリペイドなんで、かけない限り使えるんで」 記者{連絡をとっている人とかは?」 三浦「さすがに、それは連絡とってないですね。とっても相手にされないんで」

2012-06-19 20:41:18
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<ナレーション> 三浦さんは誰とも話さないまま、1日を過ごすことが多くなりました。数日後、取材するディレクターのもとに三浦さんからメールが届きました。体調を崩し、携帯電話の充電も切れそうだという緊急の連絡でした。三浦さんがいたのは、この日炊き出しが行われる公園でした。

2012-06-19 20:48:51
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<ナレーション> 結局、面接した旅館からは、不採用に知らせが来たといいます。仕事が見つからないまま街をさまよい歩く生活が続くなか、三浦さんは肉体的にも精神的にも追い詰められていました。

2012-06-19 20:52:03
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三浦:毎日が憂鬱になりますよね。朝起きても憂鬱だし、どこ行こうっていう気になれないですよね。職安だったら、職安に行こうとか。まあ今日も寝てればいいやっていうふうになっちゃう。

2012-06-19 20:54:20
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<ナレーション> 正社員として働いていた頃には月に60万円稼ぎ、家族でドライブに出かけるのが何よりの楽しみだったといいます。6月に入り、三浦さんの路上生活は2か月を超えました。

2012-06-19 20:57:01

スタジオに戻ります

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山田:う~ん、なかなか先が見えない状態ですね。

2012-06-19 22:00:47
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倉田:ホントですね。なんか怖くなりますね。先ほどのVTRにもありましたけれども、月に60万稼いでいた方がいきなり仕事がなくなって、こういう状態に陥ってということがあるとすれば…誰にでも起こりうる問題なんだなって。

2012-06-19 22:05:33
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倉田:そしてやっぱり住宅の問題って、さきほど湯浅さんがおっしゃったように…生活の基盤となる器のようなもの。その器がないと、もうその時その時しか過ごせないというか...未来のために動けなくなっちゃいますよね。

2012-06-19 22:08:00
とし @toshihiro36_sub

湯浅:こういう状態を見てて思うのは、社会は彼を自立させたいのかさせたくないのか、どっちなんだと。させたいんだったら、その器をちゃんと提供して…安眠できる場所を確保して、ちゃんと職探しをしてもらうべきだし。それが確保できない状態になっていくと、結局どんどん意欲すらも失っちゃう。

2012-06-19 22:17:53
とし @toshihiro36_sub

倉田:ホントにそうですよね。見てて、こういう方は生活保護とはまた別の対策が必要だなって気がしましたね。

2012-06-19 22:20:45
とし @toshihiro36_sub

山田:なんらかですよね。すまいの貧困に陥った時に、頼れる公的な支援にどんなものがあるのか主な住宅施策をまとめてみました。こちらです。大きく2つです。公営住宅と住宅扶助ですね。

2012-06-20 06:53:54
とし @toshihiro36_sub

湯浅:公営住宅は都市部だと何倍とか…地域によっては何十倍という状態ですから。まず東京都の場合、単身者は応募すらできないっていう状態です。生活保護もいま問題になっているように非常に増えていると。そういうことなので、住宅政策はそれ以外にないのかということがこの数年問題になってきてる。

2012-06-20 07:03:50
とし @toshihiro36_sub

山田:そんな中なんですが、住まいのセーフティネットにポイントを絞った制度があるんですね。住宅手当と呼ばれるものです。対象は平成19年10月以降に仕事を失った人で、原則6か月の期間、家賃代を現金で支給する制度です。でも、この制度なんですが今年度いっぱいで終了してしまうと。

2012-06-20 07:57:33
とし @toshihiro36_sub

湯浅:まあ終わらせるという話にはなっているんですけど…本当に終わられていいのかということは、本当に考えるべきところで。彼のようなケースを見ると、それは必要な制度ではないかと私は思いますがね。

2012-06-20 08:00:03
とし @toshihiro36_sub

山田:こういう働き盛りの世代の人のセーフティネットがないというのは、どう感じてらっしゃいますか?

2012-06-20 08:05:08
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倉田:当たり前の生活をしているつもりでも、足下をすくわれることって…会社が潰れたり、体を壊したりで、誰にだって起こりうるし。今の世の中、非正規雇用の方はもちろん、正規雇用の方だっていつ仕事がなくなるかわからないじゃないですか。そして転職も難しいですしね。

2012-06-20 08:09:35
とし @toshihiro36_sub

倉田:そうなった時に、住むところもなくなってしまって…仕事をしたいんだけど、住むところがなくて仕事がなくてみたいな。これって本人にとってもですけど、社会にとってもすごく大きな損失ですよね。

2012-06-20 08:13:19
とし @toshihiro36_sub

湯浅:そうですよね。日本社会で基本的に家っていうのは、稼いだ金で買うもんだと。政府もずっと持家政策でやってきましたし。若いうちは企業の会社寮とかで対応するということで。基本的には企業と家族で面倒見てねという領域だったんですけど。

2012-06-20 08:18:26
とし @toshihiro36_sub

湯浅:だんだん企業も会社寮を手放しちゃっていますし、低収入の方も増えていますし。住宅をどうやって確保するかということが、ますます多くの人にとって問題になりはじめているんですよね。

2012-06-20 08:23:06
とし @toshihiro36_sub

湯浅:ここを社会全体として考えていかないと、住宅というのをひとつのセーフティネットとちして位置付けていかないと、ますます自立から遠ざかってしまう人が増えると。というのは結局、社会にとっても損なことということになりますね。

2012-06-20 08:28:49
とし @toshihiro36_sub

山田:明日は貧困問題の背景と対策について見ていこうと思います。今日はありがとうございました。

2012-06-20 08:30:40